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初めての喧嘩。

拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。

ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。



東大寺先生の言葉が頭から離れない。


《 ()()()()()()()()()()()()() 》


はぁ、、そんなの言われなくても分かってるよ。

TmTホールディングス。 きっと私が思ってる以上に巨大な勢力。 その社長が先輩のお父様だ。 後で調べたら、お母様も数年前に副社長に就任していた。 交際相手のお父様とお母様が大企業の2トップとか、何のドラマだよって話だ。


「それにしても、くっそ~~ッ! あの偏見兄貴、好き勝手言いやがって~~ッ!! 腹立つ! 腹立つ!! 腹立つ~~~ッ!!!」


...でも、間違っていない。

先輩はこのまま行けば生徒会長になるのは確実だろう。 成績だって先輩なら学年首位を守れるはずだ。 でも、本当にそれだけで大丈夫なの?

勿論先輩だけじゃなく私も頑張るけど、だからって先輩のご両親のおめがねにかなうとは限らないし、そもそも先生が言うように認める認めないとかの土俵にさえ上がれないかも知れない。 東大寺先生の言うことを否定できないことが悔しい。 


《 ()()()()()() 》


「わかってるんだよ、、、私達が甘いって事くらい、、。」







コンコンッ!!

『モモちゃ~~ん! 珀君がお見舞いに来てくれたわよ~~ッ!!』


ガバッ!! 「えぇ!! 先輩が?!」

な、何で? 毎週月曜日は生徒会会議があるはずなのに!


『それじゃあ、珀君ゆっくりしていってね♪』

『はい。 ありがとうございます。』


『モモ、大丈夫か?』 

「はい。大丈夫です。って、先輩どうしたんですか?! 今日は生徒会会議がありましたよね?!」


『まぁ、そうだけど。 モモが倒れたことをみんな知ってて、こんな時くらいお見舞いに行ってやれって俺だけ先に帰らせてくれたんだ。』

「えぇ?! それで素直に帰ってきたんですか?! 何でそんなこと、、。」

生徒会長を目指すと言ってた先輩が、大事な生徒会会議に出ずに何故ここに来たのか意味が分からない。


『今日の議題はそんなに重要じゃないし、心配しなくても大丈夫だよ。』

「心配しますよ! 重要じゃなくても、生徒会会議なんですよ!」 


『だって、モモが倒れたのに放っておけないだろ。』


《 お前達は甘い 》 ズキッ...


「何、甘いこと言ってるんですか! 先輩は時期生徒会長を目指してるんだから、私の事より会議を優先しなきゃダメでしょ?! こんなことを他の生徒に知られたら何て思われるか分かりませんよ!」


『大袈裟だなぁ、モモは。 そんなに心配しなくても1度くらい会議に出なかったからって誰も文句なんて言わないよ。』


《 激甘だ 》 ズキズキッ...


「私は心配とかそんなこと言ってるんじゃないんですよ!」

『え? どう言うこと? 何が言いたいか分かんないんだけど。』



《ーーー 誰を相手にするのか考えろ ーーー》 プツンッ.... 


「だから!! 私の心配なんてしてる暇があるのかって言ってるんですよ!! 前だったら、私なんかのために時間を使うんじゃなくて、もっと自分のやるべき事に必死に取り組んでましたよね? 私達がこの先、誰を相手にするのか考えて下さい! こんなことやってるから激甘なんて言われるんです!!」


『激甘って何? 誰かに何か言われた?』

「べ、別に! ただ、私がそう思ったから言っただけです!!」


『まぁ誰が言おうとどうでも良いけどさ、言われなくても俺はやるべき事はちゃんとやってるけど。 それに俺がモモの事、心配したらダメなわけ?』


「そんなの必要ありません!! 別に倒れたからって大した事なかったんだし、先輩が来たからって良くなるわけじゃないでしょ?! だから先輩は私のところにじゃなく生徒会会議に出席するべきだったんです!!」


『へぇ~ッ、じゃあもう帰るよ。 モモにとって俺は心配される必要のない奴みたいだし、(ギロッ!)俺は()()()()()()()()()()()ならないしな!!』 ガチャッ、、、バンッ!!


ビクッ!! 「・・・・・・・。」

え? 今、私の事を睨んだ? 怖っ!! 

ダラダラダラッ....先輩のあんな怖い顔は初めての見た。 言いすぎた?! どうする? 追って謝る? 今ならまだ間に合うかも!


....嫌、これで良いんだ! 心を鬼にしろ私!! 私達は脱・激甘をしなくてはならないんだから!! 









ピーチク、ピーピー....♪

あ~~っ、気分おもっ。 先輩絶対怒ってるよな~~。 


キラキラキラ....遠目からでも分かるあの美しさは先輩だ。

ホッ、良かったぁ~~。 いつもの待合せ場所に居なかったらどうしようかと思った。 よしっ!! 気合いを入れて行くぞ!!


「お、おっはよ~~ございま~~す、先輩!!」

『・・・はよ。 ・・・・。』


チラッ..「いや~~、今日も良い天気ですね~~!」 チラッ...


『・・・・・・・・。』  あれ? 聞こえなかったのかな?


ゴホンッ。「先ぱ~~いッ!! 良いお天気ですね~~ッ!!」


『聞こえてるよ!! ってかさ、天気なんてどうでもいいんだよ! そんなことより、俺に何か言うことないわけ?!』


「な、何かって何ですか? 私は至って何もありませんが。」

『は? 昨日あんな態度取っておいて本当に何もないわけ?』


きたーーッ! やっぱり水に流してはくれないのね! しかし! 私が謝ると思ったら大間違いですよ、先輩!


「何を言ってるんですか、先輩。 逆に、『は?』なんですけど。 私は2人のことを思って言ったんですよ! 私達に甘ったれた事を言ってる暇はないんですから!」


『それ、本気で言ってんの?』


「ええ、本気です。 だって、考えれば分かることじゃないですか。 先輩のご両親に認めて貰うには並大抵の努力じゃ足りないんですよ! だから、少しの時間でも惜しんで、」


『昨日から何焦ってんだか知らないけど、俺は努力が足りないなんて思ってないから。 俺もお前も、もう十分過ぎるくらい自己研鑽してるだろ。 これ以上2人の時間を減らすってどういう事か分かってる? もう2人の時間なんて殆どなくなるぞ。』


「ぐぅ、、分かってますよ。 でも、今は仕方ないじゃないですか。 先輩のご両親に認めてもらうまでは、」


『今は親のことなんてどうでも良いだろ!! 俺は2人の話をしてるんだ!!』


ビクッ!! 


『、、声を荒げてごめん。 今何を言っても逆に傷つけ合うだけだな。 お互い少し頭を冷やそう。 俺、暫く昼も登下校もモモとは会わないから。 モモも頭を冷やして良く考えろよ。』


え? どゆこと??  

『じゃあ、俺は先に行く。』 スッ、、、。


え、ちょっと待って。 登下校も学校でも()()会わないの??

私、そこまでは言ってないんですけど~~~ッ!!










『ねぇ、モモちゃん。 今日の朝は何で先輩と一緒に来なかったの? 先輩と何かあった?』

「べ、別に! たまには1人で登校したかっただけだよ!」

『嘘だね! モモちゃんは直ぐ表情に出るから分かりやすいんだよ。 ほら、さっさと白状しな!!』


「うぐっ、、う、嘘じゃないもん!」 無駄に勘が鋭いよ、ナヨ君!


『おはよ♪ モモ、ナヨ! 何々、どうしたの? 睨み合っちゃって喧嘩?』 ブライアン!! Nice Timing!!

「おはよー! ブライアン、喧嘩なんてしてないよ~! あっ! 私、ブライアンに英語で教えて欲しい所があるんだった! そう言うことだから、じゃあね、ナヨ君!!」


『・・・・。』じとーーーっ...






キーーンコン、カーーンコン...

お昼休み。 私は今、階段の最上段一歩手前の所で弁当を片手に1人佇んでいる。 


スタスタスタ..

『ワッ!! ビックリした~~ッ!』

『キャッ!! やだ、心臓が止まるかと思った~! 何、あの子~~ッ!』


階段に1人、何も言わずにずっと立ってる女。 完全なる不審者だ。 

驚かせてごめんなさい。 だって、仕方ないでしょ~~ッ、後一歩を出す勇気が出ないんだもん! 


朝の事があった手前、その日の昼に直ぐに先輩の所に行くのはどうかと思ったが、先輩の分のお弁当を朝渡せなかったのだ。

先週からずっと私は先輩のお弁当を作っている。 今日も先輩はお弁当を持っていないはずだ。 


先輩、きっとお腹をすかせてるよね?早くお弁当を渡さないと~!勇気を出せ~私~~!!


『あれ? モモちゃんじゃん! 何してんのこんなとこに突っ立って?』


!!! 「安倍さん!!」 

現れたのは中等部の生徒会で一緒だった、先輩の幼馴染みの安倍先輩だ。

助かった~~!!

「安倍さん、あの、これ先輩のお弁当なんですけど、」

『珀のお弁当? 作ってくるって約束してたの? おかしいなぁ、珀さっき学食でお昼食べてたけど。』


「え? 学食で...食べてた?」

私が作って来てるの知ってるはずなのに、、。 


《暫く昼も登下校もモモとは会わないから。 モモも頭を冷やして良く考えろよ。》


先輩は本気だ。 本気で私と暫く会わないつもりなんだ。 喧嘩なんてしてる場合じゃないのに!


ズーーーンッ...

「そうですか、、。じゃあ、私はもう自分の教室に帰ります、、。」 

『モモちゃん、大丈夫? そのお弁当どうすんの?』


「お弁当ですか? これは、、2人分も食べられないので、棄てます。」 ダメだ。 言葉にすると落ち込むわ~~。 ...シュン。

『捨てるんならさ、それ、俺にちょ~だい! 俺今、金欠でさ! パンしか食べてないんだ!』


「え?」 

顔を上げると安倍先輩が無邪気な顔で笑いかけていた。

生徒会で半年間一緒だったけど、あの時は仕事で忙しくて事務的なやり取りが殆どだった。 この人、良いとこのお坊ちゃんだって誰かに聞いたことがあるぞ? それなのに金欠? 良く分からない人だなぁ。 まぁ、いいか。


「私の作ったので良ければどうぞ。」 

『ありがとう♪(ニッコリ♡)』

「それじゃあ、、失礼します、、。」 

『うん! じゃあね~~!』




まさか、先輩がわざと私のお弁当を食べないで学食に行くとは、、。

はぁ、、これからどうしたら良いんだろ、、。 トボトボ...


『...見たよ。』 ボソッ。


ビクッ!! この声は!! ゆっくりと振り向くと、、。


『見たよ、モモちゃん。』 な、ナヨ君!!


「ナヨ君! な、何を見たっていうのさ! 別にやましいことはしてないよ!!」

『違うよ!! 弁当を先輩に渡せなかった所を見たって言ってるんだよ!! おかしいと思って後をつけてみれば、階段で不審者みたいにモジモジ佇んでるし、弁当も他の人にあげちゃうし、やっぱり変だよ! 先輩と何かあったんでしょ!』


「ち、違うって言ってるでしょ!」



『ごたごた抜かしてんじゃねぇぇぞぉっ!! こちとらネタは上がってるんだよ!! さっさと白状しろってんだ!!!』



「 !!! 」  どうしたんだよ、ナヨ君!!!


お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。

参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。


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