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ご挨拶!

拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。

ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。




『ねぇねぇ、モモちゃん! お飲み物はどの紅茶が良いかしら? やっぱりアップルパイには生クリームを付けた方が良くない?! そうだわ!ミントを添えないと見栄えが良くないわよね?!! あぁ、どうしましょ!テーブルに飾るお花も忘れていたわ!』バタバタッ...


『モモ! パパの服装可笑しくないか?! やっぱりスーツを着た方が良いだろうか?!! そうなるとネクタイはした方が良いよな?!! こうしちゃおれん! ママ!!こないだ買った白シャツはどこいった?!!』バタバタバタッ...


我が家は、朝からどこぞの国王陛下でも来るかのごとく大騒動だ。 勿論、国王陛下なんて来るはずもなく、今日我が家に来るのは娘が初めて連れて来る彼氏。 そう、東大寺先輩が初めて私の彼氏として両親に会いに来るのです!


「ママ、パパ、落ち着いて!! 紅茶はいつもので良いし、テーブルには花なんか必要ないわ! パパは一体どこに行こうとしてるのよ!家でスーツなんて可笑しいでしょ!!」


『『だって、モモ(ちゃん)!!』』

「だってもへったくれもないの!! 何度もいうけど普段道理で良いんだってばっ!!!」




今までも先輩は何度か挨拶に来たいと言ってくれていた。 でも、中身はどうあれ、今は中学生で子供の私が、改まって両親に挨拶と言うのが気恥ずかしかった。 2人にはお付き合いしている人がいるという事すら秘密にしていたのだ。

だけど、先輩と仲直り(?)..まぁ、私が勝手に落ちてただけだけど。 とにかく先輩とお互いの思いを再確認した後、お互いに高等部生になったしケジメを付けたいと先輩に懇願されたのだ。 


先輩はあれから出来る限り時間を作っては私と会ってくれる。 少し無理させてないか心配だけど、正直私の為に時間を作ろうとしてくれる気持ちは嬉しい。


ブライアンにもかなり心配かけちゃって、申し訳ないことをした。

一応お詫びもかねて私の全総力をかけたお重弁当を作ってあげたけど、あれだけでは足りないくらいだ。 しっかし、あのブライアンがあそこまで感情をあらわにするとはなぁ。 超☆友達思いじゃん! 熱い漢だぜブライアン!!


ピンポーーーン♪

『キャーーッ!!モモちゃん、もう来ちゃったわ!!どうしましょーー!!』

『モモ! パ、パパはどこでスタンバイしてたら良い?!』


はぁ..「もうっ!! 落ち着きなさいってばぁぁぁぁあっ!!!」







******************************************************


『こちら、お口に合うか分かりませぬが、モモと一緒に作ったアップルパイでござりますっ!たーーんとお召し上がり下され!』 時代劇か!!

『ききき緊張してると思うが気を楽にしたまえまえっ!!』 お前がな!!


「もぉっ、、パパもママもお願いだから普通にして! 先輩がビックリしちゃうでしょ! ママは前に1度先輩に会ったことあるのに何なのよ、全く!」


『だってあの時はまだ、モモちゃんの彼氏じゃなかったでしょ! 今回は彼氏だもん! 緊張するわよ!』

『そうだぞ、モモ! パパだってモモの彼氏だと思うと、思うと、(うるうる)』 

「ちょっとパパ! まさか泣く気?!」


『フフッ、大丈夫だよ、モモ。 (スッ..)改めまして、モモさんとお付き合いをさせて頂いています、東大寺珀と言います。 今日は折角の休日にお時間を頂きましてありがとうございます。 僕はまだ高校生ですが、モモさんとは真剣に交際させて頂きたいので挨拶に伺わせて頂きました。 モモさんの事はこれからも大切にしますのでどうぞ宜しくお願いします。』

東大寺先輩が深々と頭を下げる。 うっ、何だか結婚の申し込みの様で恥ずかしい!


『頭を上げてくれ、東大寺君! 取り乱して悪かったね、、。モモが選んだ人だから余り心配はしていなかったが、君は本当に信頼出来る人みたいだ。 まだ、高校生なのに彼女の両親にわざわざ挨拶に来るなんて、きっと私達が思ってる以上に覚悟が必要だっただろう。 ちゃんと誠意は伝わったよ。 今日は来てくれてありがとう。』


『私もこんなにしっかりした子がモモの彼氏なんて安心したわ♡ しかもイケメン♡ やったわね、モモ♪』

何をやったんだよ、ママ。 まぁ、少し暴走気味だが、パパもママも本当に嬉しそうだ。 すっごく恥ずかしかったけど、紹介したのは正解だったみたいね。



それから4人で仲良くお話ししながらアップルパイを食べ、初カレ紹介は順調に進んでいる。 今はママがみんなの紅茶のお代わりを入れに席を外しているからパパと私と先輩の3人だ。


『そうだ、モモから聞いた話だと、東大寺君はとても優秀だそうじゃないか。中等部では生徒会長、今は生徒会会計で次期会長と言われているんだろ?』


『いえ、僕が特別優秀というわけではありませんよ。モモも生徒会長を経験していますし、モモならきっと高等部でも生徒会役員になれると思います。それに僕が生徒会に立候補しようと思ったのも純粋になりたかったからじゃなくて、モモが関係してるところも大きいですし。モモの頑張ってる姿を見ると俺も頑張らなきゃって思えるんです。』 


「え、そうだったんですか?! でも、私も東大寺先輩が頑張ってる姿を見てもっと頑張らないとっていつも思ってるんですよ!」


『ハハッ! 2人はお互いに良い刺激になっているようだね。それはとても良いことだ。 でも、折角あの学園で生徒会役員を経験してるんだ。 東大寺君も将来の計画は立てているんだろ?』


『ええ、まぁ、、、将来は、親の会社に入ることになると思います。』

『ほぅ、、ご両親の会社。 失礼だけどご両親は何の会社をやっているんだい?』 


「パパ! 本当に失礼でしょ!」 

もう、何で急に尋問みたいなことやってるのよ! 先輩の家族の事はデリケートで私もまだ触れてないのに!


『いいよ、モモ。 いずれはモモにも言おうと思ってたんだ。 ..僕の父は東大寺 (れん)です。 母の名を言えば、お父さんならきっと分かると思います。 母は、、東大寺 (みやび)、旧姓は大垣(おおがき)といいます。』


『大垣雅さん?...え! まさか、30年位前に惜しまれながらも結婚を機に引退した元女優さんのあの大垣雅さん?! それじゃあ、君のお父さんって!』


『..はい。 そうです。』


「え? お母さんが元女優さん? それだけで、パパは先輩のお父さんが何をやってる方か分かるの?」


『分かるも何も、当時は彼女の結婚相手のことで大ニュースだったんだぞ! 20代半ばで父親の会社の副社長になったばかりだったが、次々と事業を拡大していって世間から羨望の眼差しで注目されていたんだ!』


「へぇ~~、凄い人だったんだね♪」

パパったら興奮しちゃって、かっわい~~♡ きっとパパも先輩のお父さんに羨望の眼差しを向けていた一人だったんだね♪ フフッ♡


『モモ! 何呑気なこと言ってるんだ!!』

ビックゥゥッ!! 「な、何?! いくら憧れてたからってパパ興奮しすぎ!」


『何言ってる! これが落ち着いてられるか! 私は、あのTmTホールディングスの()()さんのことを言ってるんだぞ!! モモならTmTホールディングスがどんな会社か分かるだろ!!』


「TmTホールディングス?、、って、エェェッ!! あのTmTホールディングス?!!」

TmTホールディングス、経○新聞を毎日読んでいる私には分かる。 その傘下には建築業からサービス業まで幅広く世界各地に子会社を持つ、日本屈指の大企業だ。 



その社長が東大寺先輩のお父さん?!!!



お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。

参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。

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