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ヤバくない?!

拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。

ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。


※61話に挿絵を挿入しました。イメージを崩したくない方はご注意下さい。



パカッ...モグモグ...モグモグ...「あ~~美味し。」

惨め。 きっと、今の私に合う言葉だ。 


《モモ、ごめん。生徒会の仕事が入って行けなくなった。帰りも仕事で遅くなるから先に帰っててくれ。折角お弁当も作ってくれたのに本当にごめんな。》 さっき、先輩から来たメールだ。 ここに東大寺先輩は来ない。


中等部の生徒会と違い、高等部からは後期に選挙が行われ任期は1年間になる。東大寺先輩は中等部での実績を買われ、1年の後期から生徒会会計に選ばれた。委員会は種類も増え其々に仕事が割り振られるため中等部のように学級委員に負担が集中することはなくなる。でも、各役員の総締めをする生徒会役員の負担は変わらないのだ。


私も中等部で生徒会長をやっていたし、忙しいのは分かる。生徒会役員に選ばれる事はとても名誉な事だ。みんなに慕われている先輩を尊敬するし、そんな人が彼氏なんて誇らしいと思う。 

でも、、、今日は、一緒に居たかった。 色々計画を立てたのに、上手く行かない。



「あ~あっ、ラブラブしたかったな~...。」


『モモ!!』


ビクッ!! 「えっ、、ブライアン!! な、何でここに?!」


『あぁ、ちょっと窓からモモが見えてって、そんな事より! 一人でどうしたの?! 先輩は?!』


「え? あ~、えっと~....」

私はブライアンに東大寺先輩が来れなくなった経緯を説明した。


「…と言うことです。」

『なにそれ!! それで、モモは何も言わず許してるの?!』

「許すも何も、先輩も悪気があった訳じゃないんだよ! 責任感が強い人だから急な仕事でも断れないんだよ。 私も先輩の立場なら、きっとそうする、、と思う。」ゴニョゴニョ...。


『ねぇ、モモ。 今日の朝、先輩と2人の時間が余りないって言ってたけど、普段先輩とはどれくらい一緒にいるの? 休みの日とかあったりする?』


「普段? 普段かぁ、、まぁ、それなりに、かな?」

嘘だ。でも、今は本当の事を言いたくない。 言ったら益々、惨めになる気がするから。


『嘘。 それ嘘だよね?』

ドキッ、、、見破られた?!


『大輝から余り会えてないって聞いたよ! それに、朝あんなに必死に2人でいたいって言ってたのも普段会えてないからでしょ?』

うっ、、伊藤のヤロー。 人のプライベートをペチャクチャと!

はぁ、、仕方ない、、。


「東大寺先輩って凄く忙しい人なんだよ。 何かお家でも色々とあるみたいで習い事とかも多いから、普段会う時間がないってだけ。 だから、学校での2人の時間がとっても貴重なの。」



『...モモが、可哀想。』


「可哀想? でも、私ちゃんと大事にされてるよ! ここぞって時には私の側に居てくれるし、愛情表現だってちゃんとしてくれるよ!」


『でも、、今、モモは一人だよ。 折角モモが作ったお弁当だって、食べてくれてないよね。 それってモモのことを大事にしてるって言えるの? 先輩にはモモよりも大切なものがあるってことでしょ?』

うっ、、痛いとこつくなぁ。 今はその言葉、正直、、きつい。


「ごめん、ブライアン。 ちょっとこの話、今はしたくない。」

ヤバい。 泣きそう。


ギュッ、、え?


『僕だったら、、僕だったら何よりもモモを大切にする。 モモが会いたい時、モモが側に居てほしいって思う時、絶対にモモの所に駆けつける。 僕はその為に、モモの側にいる為に日本に来たんだから。』


、、ええ? 



ガサッ、、『モモ?』  !!!


『何? 何でお前達、抱き合ってんの?』


ええぇぇぇぇぇえ?!! 東大寺先輩!!! 



なっ!!! この状況、ヤバくないっ?!!!



ガバッ、、「先輩!! どうしたんですか?!!」

『どうしたって、、モモが心配になって仕事の合間に少し様子を見に来たんだよ。 モモこそ、何やってんの? これ、どういう事?』


「あの、違いますよ! 勘違いしないで下さいね!!」


グイッ、、ブライアンが私を引き寄せる。

「ちょ、ブライアン放して!」


『放さない!!』  え~~ッ?! 何でぇぇ~~??


『今さら来て何なんですか? 先輩、モモを何だと思ってるんですか?! ちゃんとモモを大事に思ってます?!』


『は? 何言ってんの? 何でお前にそんな事聞かれなきゃならないわけ!』


「先輩、ごめ 『俺はモモが何より大事です!』 !!!


『先輩はそう言いきれますか?!』


『そんなの、』


『モモ、ここで一人でお弁当食べてました。 こんな誰もいない場所で、一人で! 朝は、必死で先輩と2人になりたいって言ってました! なのに、何でモモを一人にしてるんですか? 仕事があったから? そんなの理由になりませんよ! 僕だったら、モモを優先させます! 例え仕事があって時間がなくても、まず先にモモに会いに来ます! モモが思うより僕がモモのことを大事に思ってるって、好きなんだって、ちゃんと行動で示します! モモを不安になんてさせません!!』


『ーーーッ、』



ドキンッ、、不安になんて、させない? 



ツーー...ポタッ...ポタッ... あれ? おかしいな。 何で涙なんか、、。 


あぁ、、そうか。 ブライアンが言った言葉。 あれ、全部、、私の気持ちだ。 ずっと、心の中でモヤモヤしてた。 自分の気持ちを強くすることで気付かないフリをしていた。 ずっと蓋をしていた気持ちがどんどん溢れ出てくる。 ポタッ...ポタッ...


『...モモ? 大丈夫?』

ブライアンがハンカチで涙を拭いてくれる。


「ブライアン、、ご、ごめん、、」


グイッ!! えっ?!  先輩が私の手を引く。

『ちょっと来て、モモ。』


『なっ! ちょっと!!』


『お前は来るな!!』


『ーーッ!』










スタスタスタスタ......  

先輩は私の手を引きながら先を歩いている。 ブライアンと別れてからずっと無言だ。 突然の先輩の行動にもう涙は流れていない。


「あのっ、先輩! どこまで行くんですか?!」 


ピタッ...おおっと!!


『・・・・・。』

「...先輩?」


何で何も言わないの~~?? 無言、怖いんですけど!!

怒ってる? やっぱり、怒ってるよね? 怒らない訳ないか...。

不可抗力とは言え、ブライアンと抱き合ってるのを見られた挙げ句、私のせいでブライアンに攻められた。 そしてトドメは私の涙。 あれは先輩を攻めている様なもんだ。 そんなつもりはなかったのに。 


はぁ、、我ながらやらかしたな、、。



『モモ、ごめん。』 え?


フワッ...ギュッ...

『ブライアンに言われたこと、全部当たってるな。 一番大切なものが何か分かってたはずなのに。 いつの間にか見失ってた。 モモが俺の事を思ってくれるのは奇跡みたいなものなのに、そんなことも忘れてモモに甘えてた。 一番大切なのに。 ごめん、モモ。』

先輩が悪い訳じゃない。 そんな事分かってる。 先輩を信じきれない自分の弱さと只の我儘。 謝らなきゃならないのは私だ。


「先輩、私こそごめんなさい。 勝手に不安になって、あんな泣いたりして。 ブライアンも私を慰めようとしてくれただけなんです。 だから、抱きあってたのも別に変な意味はなくて、」

『いいんだ。 ブライアンの事は分かってるから。 俺がブライアンに隙を見せたのが悪かったんだ。 モモを不安にさせた事も、モモが悪い訳じゃない。』


フワッ、、『モモ、、今は信じられないかも知れないけど、俺はモモが一番大事だと思ってるよ。 これからはモモを不安にさせないように気を付ける。 俺はモモのこと、モモが俺を好きな気持ちより何倍も好きだから!』


うっ、、、ヤバい。 嬉しすぎる。


「グスンッ、、フフッ。 先輩、どっちがより好きかっていうなら絶対私ですよ。 私は先輩の10倍は好きです!」

『は?! おま、なめるなよ! じゃあ、俺は100倍だ!!』 デデン!!


「『プッ、、ハハッ!!』」



先輩の顔が近付いてくる....。

唇と唇がゆっくりと触 『 ゴホンッ!!! 』


ビッックゥゥッ!!!


ゴォォォォッ...『お前達。 ここで何をしようとしているんだ?』


ヒッ!!!  と、東大寺先生!!!


『ヤバッ! 行くぞ、モモ!!』 先輩が手を差し出してくれる。

「は、はい!!」 ギュッ…


ゴォォォォッ『待てッ!! 逃がさんぞーーーっ!!』




「キャーーーーーッ!!」

『こっわっ!!』



東大寺先輩に握られた手がとても暖かい。 この温もりは、この心地良さは、絶対に放したくない。 この手をずっと繋いでいたい!






お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。

参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。

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