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※皆の幸せ※

拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。

ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。



「東大寺先輩、会いたかったです。」


モモちゃんの感情が私に溶け込んでいく感じが分かる。

それはとても不思議な感覚。欠けていたピースがはまった感覚。自分が完全体になった感覚。

どの言葉も当てはまらない気がするけど、この感覚はとてもしっくりくる。それはモモちゃんが私の一部になったことを意味しているんだろう。


『広瀬、大丈夫か?』

「東大寺先輩、とても不思議な感じがします。何だか、長い夢から覚めたような感じです。」


『モモちゃん!!本当にモモちゃんなの?!』

『広瀬、お前なのか?!』

「ナヨ君、セナ君、心配掛けてごめんなさい。うっすらだけど2人が私のためにモモちゃんを説得してくれているのは伝わってきたよ。私のためにありがとう。どう、お礼をしたらいいか解らないけど本当に感謝してる。本当にありがとう。」


『モモちゃんが戻ってきてくれたならいいんだよ!良かった、、本当に良かったね、、ウッ,ウグッ』

『そうだ、礼なんて要らない!お前が元に戻ったならそれで十分だ、、、クッ』

「ナヨ君、セナ君、、。うん、、良かった、、ウグッ。ありがとう、、ウグッ」


私とナヨ君とセナ君は3人で手を取り合って喜んだ。触れ合った手がとても暖かい。

そんな3人を東大寺先輩は優しく見守ってくれている。

その眼差しがとても心地よかった。



その後、涙が落ち着いた私たちは今までの事を詳しく報告し合う為に、皆で私の家に向かった。


『お帰り、モモちゃん♡あら、お友達?』

「うん!ママ、セナ君は知ってるでしょ!後、こちらは部活でお世話になってる東大寺先輩だよ!」

『初めまして。東大寺 珀といいます。突然お邪魔して申し訳ありません。』

『まぁ♡あなたが例の東大寺先輩なのねぇ♡お話はモモから色々聞いていますよ♪モモったら東大寺先輩の話ばかりで、』

「ま、ママ!何言うの止めてよ!!」

『フフフッ♡いいじゃない~♡』


恥ずかしすぎる!よりによって東大寺先輩本人に言うなんて!まるで、私が東大寺先輩にベタ惚れみたいじゃないか!


「良くないの!もう!!」

『ーーフッ。』

あ、セナ君が笑った。でも、何処か寂しそうな笑顔。そうだよね、、セナ君は私の事が好きなんだ。好きな子のこんな話聞きたくないよね。

セナ君には本当に感謝している。でも、気持ちには答えられない。やっぱり後でちゃんとセナ君と話そう。




『どうぞ♪大したものじゃなくて申し訳ないけど、アイスティーと、クッキーよ♪皆で食べてね!」

「『『『いただきます!』』』」


皆で仲良くお茶とお菓子を食べられる。こんな普通の事がこんなに素晴らしく幸せな事だなんて今まで気が付かなかった。今日のこの幸せな気持ちは一生忘れないだろう。


私たちは私の記憶がなかった間の話や、ナヨ君達が奮闘した話を聞いて一緒の時間を楽しんだ。


『でも、モモちゃんが保育園の頃苛められてたなんてねぇ。昔の事を思い出そうと思って、その頃の写真をこの前見てたらモモちゃんお人形さんみたいでとっても可愛かったんだよ!ほら、この写真見てみて!』

『本当だな、広瀬可愛い。』

「せ、先輩!恥ずかしいです!あんまり見ないで下さい!」


『何々?楽しそうね♡何の話してたの?』

『あ、モモちゃんママ!今、小さい頃のモモちゃんがお人形さんみたいに可愛いって写真見て話してたんですよ!』

『そうなのよ~♡モモったら本当にお人形さんみたいで本当に可愛かったの~♡可愛すぎて男の子達からはしょっちゅう苛められちゃって。あ、この子よこの子!良くモモをからかって苛めてたわ~。』


モモちゃんママが指差したのはちょっとつり目のいかにも元気そうな男の子。

あれ?この顔、どこかで見たような、、。

『名前なんだったかしら、、。そうそう、モモと同級生の()()()()君って子だわ!』

「『『!!!』』」


い、伊東ーーーーーーーーー!!!!







伊東の衝撃から立ち直った私たちは明日からの新学期に備えて今日はもう解散することにした。



『じゃあな広瀬。また、部活で会おう。』

「はい!東大寺先輩、今日はありがとうございました!」


『モモちゃん、じゃあ明日ね!』

「うん!ナヨ君、本当にありがとうね!」

家の外まで見送りに出た私に2人はそう言って先に帰っていった。2人ともセナ君と私の雰囲気を察してくれたんだろう。そうだ、、私はセナ君とはちゃんと話さないといけないことがある。


「セナ君。帰る前に少し時間をくれる?」

『ああ。俺も、そろそろ腹をくくらないとな。』


「あの、今回の事、本当にありがとう。セナ君のお陰で私は消えずに、今こうしていられる。小学校の頃も今も、セナ君には助けてもらってばかりだね。

セナ君には感謝の仕様が無いくらい。」


『そんなこと無いよ。俺も広瀬には助けてもらってる。お前を見てると自分も頑張らなきゃって思うんだ。何か悩んだとき広瀬ならどうするだろうって考えて、気付いたら大抵の事は乗り越えられてる。今の俺があるのは広瀬のお陰だよ。』


「そんな大したものじゃないよ私は。きっかけがどうあれ、今のセナ君はセナ君が頑張った結果だよ。努力を続けれる人って以外と少ないんだよ。頑張る力があるんだよ、セナ君には。私はそんなセナ君を尊敬してる。憧れだったよ。」


『・・・。』


「でもね、セナ君の気持ちには答えられない。ごめんなさい。私、理屈じゃなく、どうしても一緒にいたい人がいるの。好きとか、この思いを伝えたいとかを通り越してただ一緒にいたい。だから、セナ君とは一緒にいられない。ごめんなさい。」


『知ってるよ。東大寺先輩だろ。』


「うん。ごめんなさい。」


『謝るなよ。知ってて告白したんだ。だから、もう気にするな。でもさ、お前は思いを伝えないのか?』


「それは、、」


『伝えろよ!好きなんだろ?ナヨが好きな人には幸せになってもらいたいって言ってたんだ。俺もそう思う。叶うかは分からないけど、好きな人を自分が幸せにできたらそんな良いことないだろ。自分が幸せじゃないと相手を幸せになんて出来ないぞ。好きならお前もちゃんと幸せになれ!』


「セナ君、、ありがとう。」



セナ君の思いがありがたかった。同時に、自分が逃げているだけだと気付いた。東大寺先輩の笑顔を守りたいとか言って、直接東大寺先輩を幸せにしようとせず、自分の幸せからも目を背ける。そうやってずるずると東大寺先輩の優しさにつけこんで、一緒に居る時間を伸ばしている。、、そんなの、ずるい。




東大寺先輩に自分の気持ちを伝えよう、、。


そして、東大寺先輩も自分も幸せにするんだ!



お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。

参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。


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