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僕が守らなきゃ!

拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。

ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。




モモちゃんの様子がおかしい。


『気安く触らないでくれる!』


救護室で目覚めた時、モモちゃんが僕に向かって言ったあの言葉。まるで完全に拒絶されたみたいだった。あの時、確かに馴れ馴れしかったのかも知れない。でも、同じような事は今までもあったし、そんな事で急に怒るなんてここ数年はなかった。それにあの言葉。


『いちいち干渉しないでくれる!』


何時もなら僕の言うことにちゃんと答えてくれたはずだ。あんなトゲのある返事が返って来るなんて。あの眼差しも。刺すような冷たい目線で僕を見てくるのが気になる。、、僕、何かした?


朝は普通だった。1回戦目の試合の時も優先的に僕の試合を応援してくれた。僕が試合に勝った時も自分の事のように喜んでくれていたはずだ。

何でモモちゃんが僕に対してあんな態度をとったのか全く理由が分からない。


『ナヨ、そろそろ出番だから準備しろって師範が言ってたぞ!』

「あ、うん。分かった。ありがと伊東君。」


防具を着けて会場に向かい、観客席を見渡してみたがモモちゃんの姿がない。

、、大丈夫だ。きっと、、トイレにでも行ってるんだ。


『両者、構えて。初め!』




結局、モモちゃんは3回戦目も含めて最後まで観客席に現れなかった。


「伊東君、モモちゃん見なかった?」

『隊長ならセナの試合見てたぜ?珍しいよな、お前じゃなくセナを優先するなんて。喧嘩でもしたのか?』

「そ、そうなんだ、、。喧嘩では無いんだけど、、。」


モモちゃんが僕じゃなくセナ君の試合を優先した?しかも何の説明もなく。そんな事あり得ない。本当にモモちゃんどうしちゃったんだろ、、。


「知らない内に僕が怒らすようなことでもしちゃったのかな?こうしちゃいられない!理由を聞きに行かなきゃ!」





ハァ、ハァ、、、モモちゃん何処?それに、セナ君も見つからないのが気になる。まさか一緒にいるの?

あ、モモちゃん!セナ君も一緒だけど、、かまってられるか!!


「モモちゃん!」


『ナヨ、お前来たのか。』

「セナ君は黙ってて!モモちゃん、何で僕の試合見てくれなかったの?僕、3回戦で負けちゃったけど結構いい線行ってたんだよ!」


『・・・そう。良かったね。』

え?それだけ? 僕の事をそんな簡単な言葉で済ませるの?!


「ちょっと!話し聞いてる?僕、何で見てくれなかったのって聞いてるんだけど!モモちゃん、今日変だよ!何時ものモモちゃんらしくない!」

感情のまま苛立ちをぶつけてしまうのは良くないけど、今日のモモちゃんの行いはあんまりだ。僕に怒ってこんな事してるなら、はっきりと言ってくれればいいのに!


『私は私のしたいようにしてるだけだけど、何か悪い?』



衝撃の言葉だった。

え、、本当にそれだけ?僕が何かしたとかじゃなく、自分がしたいからってだけ?


そうだ、、、思い出した。僕は、この言葉をよく知っている。

小さい頃、横暴だったモモちゃんに僕は意見することが出来ていた時期があった。酷いことを平気でするモモちゃんを咎めると、決まって返ってきた言葉。


『私は私のしたいようにしてるだけ。』


ザワッ、、鳥肌が立つ。まさか、、また突然変わったんじゃ、、、。いや、そんなはずない!


「モモちゃん、本当に何かあったの?」


『フフッ、ナヨ君。私とセナ君ねぇ、付き合うことになったの。』

は?、、今、何て?


「だから、、邪魔しないでくれる。』


『さ♡帰ろうセナ君♡ じゃあね、ナヨ君。」



「、、、。」

あまりの事に言葉が出ない。僕は知ってる。モモちゃんは必死に隠している様だったけど、モモちゃんの好きな人は別にいる。だから、モモちゃんがセナ君と付き合うなんて絶対にあるはずがないんだ。


認めたくないけど、事実がそうだと言っている。


「モモちゃんが、、前のモモちゃんに戻った、、。」


どうしてこんなことになった?何がきっかけ?今回は頭をぶつけたり、記憶が無くなったりはしていない。あの時とは違う。何か原因があるはずだ。


考えろ!モモちゃんを守るんだ!!





僕はモモちゃんに会いにモモちゃんの家に行くことにした。

前のモモちゃんに戻ったなら感情的に押さえつけられるかも知れない。でも、僕は変わったんだ。もう、モモちゃんを怖いなんて全然思わない。


「モモちゃん、僕だよ。入るね。」ガチャッ。

『、、何よ。入っていいなんて私言ってないわよ。』


「僕、知ってるんだよ、、。今のモモちゃんは前のモモちゃんでしょ。」

『はぁ?何言ってるの、馬鹿らし。』


「2重人格。そうでしょ?」

『・・・・・。』


「やっぱりね、、。オリジナルのモモちゃんをどうした!!」

『うるさい!!黙れ、黙れ、黙れ!!!オリジナルは私だ!!私が本物のモモだ!!』


「違うだろ。、、オリジナルはもう一人のモモちゃんだ。お前は偽物だろ。」

『な、何を言っている、、。』


「頭をフル活動して考えたら、思い出したんだ。4、5才頃迄、モモちゃんは心の優しい子で、自分の事より周りを優先する子だった。聞き分けも良くて、時折子供とも思えない物言いで周囲を驚かせていた。それが、ある日突然ワガママになった。周りの大人たちは遅れてきたイヤイヤ期だなんて言ってたけど、あの時お前が入れ替わったんだろう?」


『・・・・。』


「モモちゃんに体を返せ!!あの時幼かった俺は何とか前のモモちゃんに戻ってもらおうとしたが、幼すぎてお前に負け洗脳されてしまった。でも、今度はそうは行かないぞ!!モモちゃんの体を返せ!!!」


『違う、、、うるさい、、、』ボソッ。


「モモちゃん、聞いてる?!偽物何かに負けないで!!戻ってきてモモちゃん!!!」



『だぁぁあまぁぁあれぇぇぇえ!!!!』




お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。

参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。

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