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私の気持ち。

拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。

ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。




早く、、早く!


電車に乗ってる1駅分。たった10分程度の時間がもどかしくて仕方ない。こうしている間にも先輩は1人あの静かな弓道場にいるかもしれない。


「もう、何で電話に出てくれないの、、。」

先ほどから何度も先輩に電話をかけているが繋がらない。


1分1秒でも早く先輩を悲しみから救って上げたい。もしかしたら、私の思い過ごしかも知れない。本当はお婆様と一緒にお祖父様の思出話をして笑いあってるかも。でも、少しでも先輩が1人で悲しんでる可能性があるなら直ぐにでも駆けつけて一緒にいてあげたい。、、気持ちだけが焦る。




ハァ、ハァ、ハァーーー私の足、もっと早く動け!!

弓道場が見えて来た。神経が研ぎ澄まされ周りの音が良く聞こえる。近付くにつれ聞こえて来る音に胸の鼓動が大きくなる。


ーーーカツン、、シュンーーーーーカツン

居る、、先輩があそこに居る!



ガラッ!! 「先輩!!」


『広瀬、、お前、何でここに、、』

「先輩こそ、何でここに居るんですか。何でご家族の方と一緒じゃないんですか。何で、、1人で、、こんな、、」

『何、、泣いてるんだよ、、。』

「だって、、先輩が、そんな悲しそうな顔してるから、、、ウグッ、こんな所に1人で、、居るなんて、、心配するじゃないですか、、ウグッ。」

『・・・。』

「辛いなら、、私を呼んでください!頼りないかも知れないけど、、どんな時でも私が一緒にいますから、、1人で、悲しまないで下さい、、ウグッウグッ。」


何よりも、先輩の力になりたいと思った。何よりも先輩の笑顔を護りたいと思った。


ガタッ、、先輩が近付いてくる。何でこんなに一つ一つの動作に目が釘付けになってしまうんだろう。先輩が近付く度に鼓動が大きくなる。


ギュッ、、『バカな奴。、、今日、デートだったんだろ?』

「デートじゃありません。、、デートかも知れないけど友達としてってちゃんと言いましたから。」

『フッ、なんだそれ、、、どっちだよ。』


自分でも良く分からない。セナ君に失礼な事をしたのは分かってる。

でも、先輩を放っとくなんて出来なかった。先輩の所に行かない選択肢なんて考えられなかった。

先輩に抱き締められてる体が暑い。でも、先輩の匂いも体温も、全てがとても心地よく感じた。





先輩は涙が落ち着いた私の隣に寄り添うように座ってくれた。


『俺のじいちゃんはさ、親から継いだ傾いた会社を一生懸命立て直して、会社も社員もとても大事にしてた人なんだ。仕事を引退してからも事あるごとに社員に会いに行ったり、社員もしょっちゅうじいちゃんに会いに来てた。ライラック畑のじいちゃん覚えてるか?あの人もじいちゃんの元部下なんだ。』

「そうだったんですね!お祖父様、皆さんに慕われていたんですね。」

『ああ。俺はそんなじいちゃんが自慢で憧れだった。』


先輩のお祖父様会ってみたかったな。先輩の憧れだった人、きっと素晴らしい人だったんだろう。


『でも、俺の親は考えが違うんだ。あの人達は合理化が一番重要だと思ってて凄く冷酷な人達だから、じいちゃん達と良く衝突してた。』

「先輩にも冷たいんですか?」

『冷たいとはまた違うかな。でも、小さい時から色々管理されてて自由な時間が全然なかったたんだ。挫けそうになることが何度もあって、その度にじいちゃんが連れ出してくれた。弓道もじいちゃんに教えてもらったんだ。』

「お爺様が支えだったんですね。」

『ああ。でも、俺の親はそれが悪影響だって判断した。じいちゃんが生きてた頃はあの人達も強く言えなくてまだ良かったんだけど、死んでからは、ばあちゃんには近付くなって監視が強くなって、今日の墓参りにも俺は連れていかないって言われたんだ。だから、せめてじいちゃんの好きだった弓道をやりたくて1人で来たんだよ。』


カフェでお婆様と話していたのはこの事だったんだ。でもなんで?考え方が違ってたからって悪影響とは限らないのに。それに、お祖父様とお婆様は先輩に悪影響どころか愛情を与えていてくれたひとなのに。先輩の支えになっていたお祖父様が居ない今、私に何が出きるだろうか。


「先輩。、、私、先輩の支えになりたいです。お祖父様みたいにはできないかもしれないけど、一緒に考えて答えを出す手助け位は出来ると思います。」

『広瀬は十分支えになってるよ。今だってこうして来てくれたじゃないか。

「どんな時でも一緒にいてくれる」んだろ?』


ボフッ!!

ちょっと待って、、良く考えたら私、さっきから凄い恥ずかしい事を言ってない?!「好き」って言葉は言ってないけど、これって愛の告白と同じじゃない?!


『なんだ、今頃赤くなってるのか?前言撤回するか?』

「しません!先輩の支えになりたいのは本心ですから!」


気付かない振りをしていた。でも、もう気持ちをごまかせない。

先輩が私の事をどう思ってるかも関係ない。


私はもう、どうしようもなく先輩の事が好きなんだ。



お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。

参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。

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