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約束ですから!

拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。

ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。




『広瀬、テストどうだった?』

「東大寺先輩、おはようございます!テスト1位を目指してたんですが、2位でした。1位に強者がいるので倒すのは中々難しいなと考えていた所です。」

『そうか、でも良く頑張ったじゃないか。また、次頑張ればいいさ。』

「はい。先輩は1位でしたね、おめでとうございます!流石、東大寺先輩です!」

『ああ、お前に付き合ってもらった気分転換が効いたのかもな。お前のお陰だ。ありがとな。』


東大寺先輩は今回初めて学年1位を取ることが出来た。私のお陰だなんて、私の方が東大寺先輩に力をもらってるのに。


『広瀬、ちょっと良いか!』

うっ、来た。セナ君だ。きっとあの事だろうなぁ。


「セナ君、、おはよう。うん、分かった。それじゃあ、先輩。また部活で。」

『…ああ。』



『テスト、良かったな。』

「ありがとう。伊東君にはかなわなかったけどね。」

『伊東はちょっと普通じゃないからな。』

「本当に。手強すぎだよね。」

『…あの約束だけど。今週の日曜日開けてくれるか?』

「…うん。分かった。」


やっぱり、忘れて無かったよね。セナ君としたデートの約束。デートなんて聞こえは大事だけど友達としてで良いって言われてるし、約束は約束だからここは腹をくくるしかない。




テスト期間が終わって部活も始まり、通常の学園生活に戻った。何時ものように授業、委員会の仕事、部活をこなし、とうとう来ました明日はデートの日。

今日は土曜日で学園は休みだが午前中は部活がある。私は弓道部に参加していた。


シュンーーーーカツン

「はぁ、また外れた。」

『どうしたんだ?今日は調子が出てないようだな。』

「東大寺先輩、そうなんです。さっきから外してばかりで、もしかしてスランプってやつですかね?」

『弓道は精神面が乱れてるとそれが出やすいからな、ここのところそわそわしてるみたいだし何かあったのか?』


ううっ、鋭い。

「別に大したことじゃないんです。ただ、明日慣れない人と2人で遊びに行くことになってて、ちゃんと話せるかとか考えてたらちょっと怖くて。」

『へ~、以外と繊細なんだな。』

「以外とって何ですか、私は繊細ないたいけな乙女なんです!」

『ハハッ、、そんなに元気なら大丈夫だよ。お前の元気は周りにも伝染するんだ。きっとどんな人と一緒でもその人は楽しいはずだよ。』

「そんな、人を病原菌みたいに~!」

『ハハッ、現に俺は移ってるしな!明日は俺もちょっと気持ちが沈みそうだったんだがお前から元気を貰えたよ。』

「え?明日、何かあるんですか?」

『ん?ちょっとな、じいちゃんの命日なんだ。じいちゃんの事思い出して憂鬱だったけど何とかなりそうだ。』


先輩はお祖父様が大好きだったのだ。そんな人の命日なら気が沈むのも無理はない。

「先輩、本当に大丈夫ですか?何なら私、気分が落ち込んだときに思い出すように究極の変顔でもしましょうか?写メ撮っても良いですよ!」

『ブッ、、いや、いいよ、、お前の言動だけで面白いから。』


部活の帰り、先輩が気になって勇気を出して気晴らしに何処か寄り道しましょうと誘ってみたが、お婆様の様子を見に行くからと断られてしまった。

本当は一緒に行きたいけど、雰囲気的に言い出せなかった。


どうか神様、明日、先輩が少しでも悲しい思いをしないようお護り下さい。

どうか、、、お願いします。






約束の日曜日。


「お待たせ、セナ君!」

『おはよう広瀬。』

「今日はどうするの?」

『今日はカイカイ水族館に行こうと思ってたんだけどどうかな?スナメリの赤ちゃんが公開されたんだ。』

「うん。いいよ!」


私たちは1駅先の海海水族館に行くことにした。

「わー、流石日曜日は混んでるねぇ。」

『本当だな。水族館選んだのは失敗だったかな、、。』

「そんなことないよ!人気の所以外は空いてるし全然大丈夫だよ!午前中はスナメリの所も多少空いてるみたいだから先に行こ!」


スナメリの水槽の前にはもう結構な人だかりが出来ていたが、まだそこまで多くなく全然見れそうだ。



「わー♡スナメリの赤ちゃん可愛いね!」

お母さんと赤ちゃんが仲良く並んで泳いでいて、スナメリのニコッとした笑ったような顔が何とも可愛い。


『ほんとだな。あ、広瀬!こっちのスナメリ、バブルリング作ってるぞ!』

「ほんとだ!すごーい!!」

水槽に近付いていくとスナメリも水槽に近付いてきて空気の輪を作ってくれた。他にもお辞儀みたいに頭をペコッてしたりしてくれる。


「何かスナメリって不思議だよね。イルカのようでイルカと違うし。正面から見ると笑ってるみたい。なんかこの笑った顔、ナヨ君に似てない?可愛らし~って感じがさぁ!」

『ブフッ、、言われてみれば。でも、アイツも部活では男らしいんだぜ!』

「え、そうなの?中学に進学して剣道やめてから全然見てないからなぁ~。今度試合見に行っていい?」

『ああ。夏休みに県内大会があるから来いよ!』


セナ君との2人きりのお出掛けにビビってたのが嘘みたいに普通に話せてる。

て言うか、ナヨ君達と遊んでるみたいに楽しい!

その後もペンギンのふれあいイベントとかイルカショーを見て沢山楽しんだ。


『広瀬、海の家の方で人気のかき氷食べに行こうぜ!』

私達は水族館と隣接されている海水浴場の方に移動することにした。


「ん~~♡フルーツがたっぷりで美味し~~♡」

海水浴場は海開きされたばかりで人はまだ疎らだが、ここの海の家のかき氷はフルーツが沢山乗っていて氷も滑かで美味しいと最近口コミで大人気なのだ。


『完売してることもあるらしいから食べれて良かったな!』

「本当だねぇ、そう言えばここって春に潮干狩りで解放してたところ?」

『ああ、確か今年は大量だったから無料開放してたよな。』

やっぱり、何か見覚えあると思ったんだよ!

あの時と雰囲気が違うから最初気がつかなかった。


あの時、東大寺先輩とここで会ったんだよなぁ。、、東大寺先輩、今頃お祖父様のお墓参りに行ってるのかな。、、悲しい思い、してなければいいなぁ。



ピコンーーー

ん?私のスマホの通知だ。お!東大寺先輩、インスタ更新してる!どれどれ。


ドクンッーーー

東大寺先輩がインスタにアップした写真には、見覚えのある弓道場が写っていた。それと、お祖父様と子供の頃の先輩が写ってる写真を持った、先輩の手も。


今日は部活はないはずだ。なのに先輩は今、学園の弓道場にいる。

きっと、1人で、、、。


「、、セナ君、ごめん。、、私、行かなきゃ、、。」

『え、行くって何処に?』

「本当にごめん!!」

『え?!ちょ、広瀬!!』



ドクンッ、、ドクンッ、、心臓が痛い。鼓動が頭にまで響いてる。


行かなきゃ、、。 先輩が、、先輩が悲しんでる!


挿絵(By みてみん)


お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。

参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。

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