何故こうなった?
拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。
ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
『俺は、広瀬が好きだ!』
突然の告白に言葉が出なかった。
『今は俺の事を友達としか思ってないのは知っている。今すぐ返事が欲しいわけじゃない。俺はお前が望むような男になるよう頑張るよ。だから俺のことちゃんと見ていて欲しい。』
何も言えない私をおいて、セナ君はそう言って帰っていった。
・・・え~~、どうしてこうなった?!
セナ君が私をスキ?何時から?
転生前のモモちゃんはセナ君にずっと嫌がらせをしていた。
だから転生後は少しでもセナ君に嫌な思いをさせないように必要以上の接触はさけていた。
そりゃ、私もセナ君にときめいてしまった時期があったよ。でも、私にはやるべきことがあったし、恋愛をしている気になんてなれなかったから自分の気持ちなんて無視ししちゃたんだよね。そうしている内にセナ君に対する特別な感情はなくなっちゃったし。私の気持ちなんて所詮その程度だったのだ。でも、セナ君の好きは違う気がする。
「う~~ん、どうしたものか。」
『何々?ももちゃん何かあったの?』
「ナヨ君!!どうしてここに?!っていうか何時からここにいたの?!」
『も~~、過去問のプリントもらってきたから渡そうと思って、さっきからずっと声をかけてるのにモモちゃん全然気がつかないんだもん!玄関先で何やってたの?』
「え~と、ちょっとテストの事考えてて、、へへっ。ごめんねナヨ君、プリントありがとう。」
セナ君のことはばれてないようだ。只でさえややこしいことになったのに、ナヨ君のご機嫌を損ねて更に面倒事なんてごめんだ。
セナ君は今すぐどうこうなりたいわけではないみたいだし、ここはお言葉に甘えて今は目前のテストに集中しなければ。
『広瀬!生徒会長に話してテスト迄の残りの2日間、実習室を使っていいことになったぞ!』
「東大寺先輩、本当ですか!ありがとうございます!!」
セナ君からの告白を受けた翌日、学校で東大寺先輩にそう言われた。
どうやら先輩が生徒会長に掛け合ってくれたみたいだ。
昨日の事があってセナ君と図書室で勉強するのは気が重かったから、本当に助かる。東大寺先輩、あなたっていう人はどこまでいい人なんだ!!
その後、セナ君にも実習室を使えることになった話を伝えて、放課後は前と同じく皆と一緒に勉強をした。セナ君は思いの外、何時も通りの態度だった。だから私も前と変わりなく話をすることが出来た。
もしかして、私の勘違い?セナ君の好きは人として好きってことだったのかも。そうか、そうだったのか!なんだぁ~、それならそれで私も気が楽ってもんだ。後は明後日のテストに全力を出すのみ!よし、頑張るぞ!!
テスト前日、持回りの先生が明日のテストの準備があるから今日は早めに自習室を閉めると言うので、私たちは仕方なしに勉強会を切り上げ帰ることにした。
帰りは方向が一緒のセナ君とナヨ君が一緒だ。
『じゃあね、モモちゃん、セナ君!』
『ああ、じゃあな。』「バイバイ、ナヨ君!」
先にナヨ君が帰っていった。
「セナ君、実習室使えるようになって良かったね!明日のテスト頑張ろうね!
私もセナ君に恥じぬよう全力を出して頑張るよ!じゃあ、明日ね!バイバイ♪」
『え?俺に恥じぬようにって、、まさか、、。広瀬、この間俺が言った事ちゃんと分かってるよな?』
「え?勿論だよぉ、私もセナ君の事、尊敬してるし好きだよ!お互いインスピレーションを与える相手として切磋琢磨していこ♪」
『・・・な、分けないだろ!俺が言ったのは恋愛の好きだ!!やっばり、悠長なこと言ってられんな。広瀬、テストが終わったら俺とデートしてくれ!』
「えぇぇ!デデデ、デート?!」
偉いこっちゃ!完全に墓穴を掘ってしまった!
『デートと言っても友達感覚で気楽に考えてくれていい。今はお前と2人の時間を作りたい。それくらいいいだろ?』
友達感覚って言っても、、私に恋愛感情はないのにデートなんてしてもいいのだろうか。でも、これを断ったらセナ君の事を考える間もなく拒絶することになっちゃうよね、それは失礼だ。
「分かった。友達としてなら、、いいよ。」
セナ君とデートの約束をしてしまった。
何で、何故こうなった??もうっ、こんなはずじゃなかったのに!!
テスト当日。
不味い、全然寝られなかった。勉強で、ではなくセナ君の事で悶々として寝られなかったのだ。
「う~~、ヤバい。見直し全部出来なかった。」
テストはちゃんと全問埋めることが出来た。でも、見直しの途中で気付いたら寝てしまったのだ。
『モモちゃん、珍しいね。何時もは最後まで気を抜かずに見直しするのに。』
「ナヨ君、昨日あんまり寝られなくて途中で寝ちゃたの。今日は早く帰ってちゃんとテストに備えたいからホームルーム終わったら私先に帰るね。」
今日も実習室が解放されているが、とても行く気になれない。明日もまだテストが残っている。余計なことは考えたくなかった。
『じゃあ、モモちゃん気を付けて帰ってね!』
「うん。ナヨ君は勉強頑張って!皆にも宜しくね。」
はぁ、、何やってるんだろ私。
『広瀬、帰るのか?』
校門を出たところで東大寺先輩に声をかけられた。
「東大寺先輩、こんにちは。ちょっと、テスト勉強とかで疲れてしまって、今日は家でゆっくり勉強しようと思ってるんです。先輩も帰るところだったんですか?」
『ああ、今日は行くところがあったからな。それにしても、何時も元気な奴がそんなだと調子が狂うな。そうだ、気晴らしにちょっと付き合えよ。』
「え、でも明日もテストですよ?」
『少しくらいいいだろ!』
余り乗り気はしなかったが、今すぐ帰ってもきっとダラダラするだけだ。
少しくらいならと、東大寺先輩についていくことにした。
東大寺先輩に連れてこられたのは、町外れの静かな場所だった。
そこには木々に囲まれた中心に一軒の古びた洋風のカフェがあった。
歴史を感じる建物で古くからここにあるのが分かる良い雰囲気のカフェ。
私の好きな雰囲気だ。
カフェの前には後ろ姿から見るに老婆と思われる一人の女性が、色取り取りのお花が咲いている鉢植の手入れをしていた。
お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。
参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。




