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学級委員の仕事

拙い文ですが気楽に読んで頂ければ幸いです。

ファンタジー要素も多いので現実では起きないような事も起こります。ご了承の上お読み下さい。

入学してから1ヶ月、中学校生活にも大分と馴れてきたが、私は今非常に悔いている。出来れば入学式のあの日に戻りたい。


ピンポンパンポンーー

『生徒会より連絡です。各クラスの学級委員は至急会議室に集まって下さい。』


私は学級委員の仕事を甘く見ていた。

この学園では学級委員は学校の事務的役割を担っていて、各休み時間毎に何らかの仕事があるのだ。昼休みも頻繁にこうして会議室に収集をかけられる。

学校の購買の運営や、仕入れ、授業に使う備品の管理や、プリント物の用意、はたまた学校で起こった事件の解決まで仕事は山のようにある。

よって、学校での休み時間なんて私にはない。各クラス毎に学級委員長と副委員長がペアとなって割り振られた仕事をこなすからナヨ君も同様だ。

委員会での最初の説明ではこうした仕事をこなすことで、大人になった私達がより社会に貢献できる人間になれるのだと言っていた。


まぁ、一理あることは認める。だけど、毎日じゃなくても良いんじゃない?

正直、休み時間にだらだらしたい時だってあるし!

ナヨ君に至ってはこんなに過酷な環境に居るにも関わらず、何故か二ッコニコで張り切ってるが、あの子は特殊!! だって、1年で学級委員になった子は皆死んだ顔してるからね!!


それに、怖い事に1年生で学級委員になった子の殆どが大抵卒業まで学級委員にされると聞いた。理由は簡単だ。入学当初は何も知らずに学級委員になる子はいても、日を重ね現状を知った生徒達の中からは誰一人としてやりたいと言う人はいなくなる。そして最初に学級委員になってた子が回りの生徒達に説得され結局づるづると続ける事になるのだ。


入学式の初日に学級委員決めるなんて、何か変だと思ったんだよ!くっそー、騙されたぁー!!


しかし学級委員に全くメリットが無いわけではない。

内申点は上がるし、毎年学級委員の中から生徒会長が選ばれるとか。

うちの学園の生徒会OBは角界の大手企業の重役や政治家を多く輩出していると学園長が自慢していた。それに、特待生として留学出来る確率が高くなると。

、、にしてもさぁ~、辛いものは辛い!!


『モモちゃん、早く行こ♡』


分かりましたよ!行けばいいんでしょ、行けば!!何でそんなに嬉しそうなのこの子は?!




『今日、皆に集まってもらったのは来月の他国・自国交流授業の内容を考えて貰うためだ。放課後各学年で集まって話合い、内容を考えてくれ。原案は来週の定例委員会で提出して貰う。1年生は上級生に相談してもいいし、此処に今迄の資料があるから参考にして考えるように。』


生徒会長からの説明の後、私達は解散した。今回の議題だった「他国・自国交流授業」とは私がこの学園で楽しみにしている一つだ。

この学園では毎月「他国・自国交流授業」というレクリエーションを通して異文化の知識を深める。やることは大体他国クラスと自国クラスが一緒にゲームをしたり自国の事を発表しあったりするんだとか。ゲームとか只の遊びのようだが、各国の生徒と交流を深めるだけで自然と語学力、異文化が身に付いて行くのだ。


他国の人と話せるだけでも楽しみだ!外国人の友達沢山作りたいなぁ。


『広瀬、「他国・自国交流授業」の案は大丈夫そうか?』

「はい、東大寺先輩。資料も読みましたし、何とかなりそうです。」


話しかけてきたのは、弓道部の東大寺先輩だ。先輩も1年の時からずっと学級委員長をやっている1人で、こうして学級委員になったばかりの新入生に仕事内容を親切に教えてくれる。


『何か分からない事があったら聞いてこいよ。』

「ありがとうございます!」


本当にいい人だ。私も早く先輩の力になれるように頑張らねば!



放課後1年学級委員は1ー1に集まった。メンバーは、

1ー1、中国人の(テイ) (ネイ) さん、ドイツ人のウィンナ・シャウエッセン君。

1ー2、インド人のアブラ・マハラージャ君、イギリスのスーザン・ボケルさん

1ー3、須藤(すどう) 元樹(もとき)君、小倉おぐら) (ゆう)さん。

1ー4、セナ君、三浦(みうら) みるくちゃん

1ー5、私、ナヨ君。

1ー6、剛田(ごうだ) 武史(たけし)君、久東(くとう) 静香(しずか)さん


集まったはいいが、皆思い思いに話しているだけで誰も指揮をとろうとしない。所詮はついこの前迄小学生だったガキンチョの集まりなのだ。仕方ない、ここは私が一肌脱ごうじゃないか!


「あのさ、このままじゃ終わるものも終わらないから今回は私が進めてもいいかな?」


『そうだな、今後も必要になると思うし、先ずはまとめ役を決めよう。』


セナ君が賛同してくれ、皆で話し合った結果言い出しっぺの私が今後も指揮していくことになった。もしかして私って凄いでしゃばりな子って思われてるんじゃないか?まぁ、どう思われようがいいけどね。やたいことが沢山ある私には時間が無いのだ!


「じゃあ、早速一人づつ何か案を出して貰える?ナヨ君、書記をしてね。」


皆其なりに案を考えていたようで、沢山の案が出た。椅子取りゲームや、ミニ運動会、自国の自慢発表会等々。その中で、良さそうなものを厳選して行く。


「じゃあ、1年生は尻尾取りゲームで決まりね!」



生徒会に原案を提出し、会議の結果今回は1年生の「尻尾取りゲーム」で決まった。1年生は初めてだからって先輩たちが気を使ってくれたみたい。



『ヌオぉぉぉぉお!!!』

「キャーーーッ!!ナヨ君、助けてーーー!!」

『エイッ!!モモちゃんは僕が守る!!』

『クソーーッ!しっぽを取られてしまったーーー!!俺としたことがー!!』


松平先輩に「尻尾取りゲーム」で標的にされていた私はナヨ君との巧妙な連携プレーで何とか生き残っていた。


「ありがとう、ナヨ君。助かったよ~。でも1年生殆ど居なくなっちゃったね。」

『ねぇ、良かったら手を組まない?』


話しかけてきたのは、他国クラスの(テイ)さんだ。

もう一人、ウィンナ君も一緒だ。


「いいよ!どうせだったら残った1年達で手を組んで上級生達をやっつけよ!」


私達は残った1年生達で手を組んで次々と上級生達を倒していった。だけど、手を組み出したのが遅かったから結局1年生は3位になってしまった。


結果は最下位だったけど、残った1年生の中には他国クラスの子も結構いて、作戦を立てたりしているうちに自然と話が出来る仲になる事が出来た。他国の子と言っても日本に住んでいる子だから其なりに日本語が話せるし、意思の疎通に問題はなかったのが大きい。

初めての交流としては上出来ではないだろうか。気軽に話せる様になっただけでも大収穫だ!明日からもどんどん話しかけて語学とか教えてもらお~っと♡


お読み頂き有難うございます。誤字脱字がありましたら直ぐに直しますので教えてください。

参考にさせて頂きますので感想、評価宜しくお願いします。

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