どゆこと?
拙い文ですが気楽に読んで頂けると幸いです。 ファンタジー要素が多ので現実では無理がある事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
「初めまして。1年5組の広瀬モモです。弓道の経験はありませんが、前々から興味はありました。テニス部と掛け持ちしているので毎日参加出来る訳ではありませんが参加した日は精一杯頑張りますので宜しくお願いします!」
『ーーーボソッ、ーーーーボソボソッ。』
「『僕は1年3組の根倉元気です。弓道は親が師範をやっているので小学校の時からやっていました。』って言ってます!」
『あ、ありがとう、広瀬さん。根倉君は、、そう言う感じで今後も行くんだね。うん、わかった。広瀬さん、通訳出来るときはお願いね。』
「はい!」
入学してから1週間。今日から本格的に部活動が始まる。
今日は弓道部の日だ。今年、弓道部には新入生が私と根倉君の他に、木村君と小林君と港さんの計5名が入部した。
その他に、部長を含めた3年生が6名、2年生が7名、後高等部の人達がいる。うちの学園は基本、高等部と中等部は合同で部活を行うが練習は別々だ。
数ある部活の中で弓道部は最も小規模な部活で、道場も敷地内の一番端にあり影が薄い。
顧問の先生はたまにしか来なく、練習は主に高等部、中等部の部長が其々仕切っている。そんな感じだから今までの大会実績もあまり良くない。
『では、2人ペアになってストレッチを行って下さい。1年生は暫く教育係の2年生とペアで覚えてね。』
どうやら私達の教育係として暫く2年生がマンツーマンで教えてくれるようだ。
『俺は2年の東大寺 泊だ。副部長をしている。広瀬の教育担当だから宜しく。』
「東大寺先輩、宜しくお願いします。」
私の教育係の東大寺先輩は端正な顔立ちをしているが、何処か冷たさを感じる知的な感じの人だった。何か怖そうだなぁ。
でも、何だか、この人どこかで見たことあるような気がする。何処だっけ?、、う~~ん、あ!
「東大寺先輩って、もしかして東大寺先生の親族か何かですか?」
『ああ、東大寺善は兄だ。』
「お兄さん!?東大寺先生って30代後半くらいですよね?」
『プッ、、兄はまだ26だ、、クハハッ』
わぁぁっ! この人、笑ったら顔の印象が全然違う。
東大寺先輩は笑うと顔が少し少年ぽっくなって、くしゃっとなった顔から優しさがあふれでてくるようだった。
『どうした?不思議そうな顔して。そんなに意外だったか?』
「いやっ、、東大寺先輩の笑顔が凄く優しそうで綺麗だったから、、」
『な、なんだよそれ!』
東大寺先輩は顔を今度は真っ赤にしている。
最初の印象と違いとても表情が豊かで、くるくる変わる表情に目が行ってしまう。
「すいません。変なこと言って。」
『フンッ、、。さ!無駄話はこれくらいにしてストレッチ始めるぞ!』
「はい。、、フッ、フフフッ」
『わ、笑うな!変な奴!』
いい人そうで良かった。不思議とこの人がいるなら此れからの部活がとても楽しそうに思えてくる。
その後、東大寺先輩に弓道の基礎を教えてもらい今日の部活は終了した。
『モモちゃ~~ん!待ったぁ~?』
「ううん。私も今終わったとこだよ!」
私とナヨ君は弓道部道場の前で待ち合わせし一緒に帰る約束をしていた。
『部活、どうだった?』
「楽しかったよ!教えてくれる先輩も優しくていい人そうだし!ナヨ君は?」
『僕も楽しかったぁ。先輩は少し怖そうだけどちゃんとやっていけそう!セナ君がいるのは不本意だけど。』
ナヨ君も順調そうで良かったぁ。
「さ、帰ろ!」
『もう、良いって言ってるじゃない!私の事なんてどうでも良いんでしょ!』、、、ん?喧嘩か?
ナヨ君と帰ろうと歩いていると少し先から女の人の叫び声が聞こえてきた。あれは、、道明寺部長?
それにもう一人、男性。
『落ち着け!俺はどうでも良いなんて思ってない!お前が心配なんだ!!』
『嘘ばっかり!!私より、テニスが、、西村君の方が大事なくせに!!』
男性のあの声は、そしてあの背格好は、松平部長!!
えーーー!!どゆこと??!!
『モモちゃん!修羅場だよ!!ドラマみたいだねーー!!』
「『『!!!』』」
ナヨ君!お前何言ってんだ!! 空気!空気読めよ!!!
私達は今、自宅ではなく弓道場内の部室いる。
此処の空気は非常に重い。
「何か、すいません。お二人の邪魔をするつもりはなかったんですけど、偶然見かけてしまって。、、、すいません。」
『シクシク、、シクシク、、』
『・・・・・。』
道明寺部長は先程から泣き続け、松平部長は黙ったまま俯いている。
松平部長って黙ってられるんだ、へぇ~~。あ、すいません。
『先輩方って付き合ってるんですか?』ナヨ君~~、だから空気!!!
『私達は小さい時から親同士が決めたの許嫁なの。決めたのは親だけど、私は修造の事本当に好きだった。修造だって、ちゃんと私を見てくれてるって、そう思ってたのに。うっ、うっ、、』
『俺はずっと彩音の事を家族だと思っている。それは昔も今も変わらない。お前に何かあったら絶対に助けるし、力になる。』
『そんなの、求めてない!私は修造の恋人になりたいの!修造が頼れる存在に。なのに、修造の隣には何時も西村君がいる。頼るのは何時も西村君。私じゃダメだった。』
うわぁ~~、どうすんのコレ。此処にいるの何か居たたまれないんですけどぉ。ナヨ君も流石に困ってるよね?
『ニコニコニコ♡』
ナヨ君、何その表情!?此処で笑顔って、どゆこと?!怖ぇぇ。
バンッ!!!
『部長!大丈夫ですか!!』
えーー!!西村先輩来ちゃったのーー!!今は止めとけって!!
『西村、何で此処に、、、』
『俺、もう我慢したくないです!部長が他の人の所に行くの見てられないです!部長の事、好きなんです!』
言ったーー!言っちゃったよーーー!!!
『修造、私なら大丈夫だから行って。最後くらい良い女ぶらせて。』
『彩音、、、。すまない。』
松平先輩と西村先輩は行ってしまった。
東大寺先輩も「もう、世話がやけるんだから。」なんて強がり言って帰るし、何なのこの茶番。帰りも遅くなるし只の巻き込まれ損じゃん!
何より衝撃だったのは帰る途中、ナヨ君が満面の笑みで、
『モモちゃん。何か、修羅場って怖いね♡』って、お前が一番怖ぇぇよ!!
お読み頂きありがとうございます。 感想、評価など頂ければ今後の励みになります。 誤字脱字などありましたら直ぐに修正しますので教えてください。




