番外編②
拙い文ですが気楽に読んで頂けると幸いです。 ファンタジー要素が多ので現実では無理がある事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
※一部ネタバレがありますので前作までお読みでないかたはご注意下さい。
小学校編 登場人物(隠れ設定有り)
☆広瀬 もも:モモちゃん
現世の39歳の記憶を持った女の子。
転生前は特に人より特化したところも無く、のらりくらりと暮らし毎日に物足りなさを感じていた。気分転換に参加した「ぬるぬるキノコ採りツアー」で遭難し、気付いたら11歳の破天荒な女の子に転生していた。
モモちゃんに転生してからハイスペックな最強な女になる為日々奮闘中。
特技
伊藤の制圧。
根倉君との意思の疎通。(修学旅行で取得)
☆小宮 那良:ナヨ君
モモちゃんのクラスメイトで幼馴染。
小さい頃からモモちゃんに制圧され、モモちゃん中心の生活をしていた。当初はなやなよして頼りなかったが自我に目覚め覚醒中。変態。
特技
お茶汲み、DIY、尾行、見張り
☆瀬名 勇気:セナ君
モモちゃんのクラスメイト。現在12歳。モモちゃんに気に入られ、事あるごとに嫌がらせに近いストーキングを受けていた。
正義感に溢れ、クラスのリーダー的存在。
運動神経が良く頭も良い。
実家は瀬名ノ神社。最近妹が生まれ溺愛中。
特技
剣道、サッカー、その他球技全般
☆鈴木 由奈:ユナちゃん
5年生の時に転校してきて6年生からモモちゃんと一緒のクラスになった。モモちゃんに恐怖心を持っていたが、転生後のモモちゃんと接してモモちゃんとナヨ君と仲良しになる。ゆるフワ系の癒し担当だが実は周りをよく見ている。ちょっとおっちょこちょい。
☆伊藤 大輝:伊藤、伊藤のヤロー
モモちゃんのクラスメイト。セナ君と仲が良く常に行動を共にしている。自分勝手な行動をしがちでトラブルメーカーだが根はいい奴。モモちゃんを隊長と呼び振り回す。
☆ブライアン・ハッシュフィールド
カナダからの交換留学生。日本が大好き。独学で日本語をマスターした強者。天使のような見た目や多様な才能で皆んなを魅了する。自国では友達がいない。謎の多い男の子。
☆広瀬 剛
モモちゃんのパパ。現在53歳。モモちゃんと妻をこよなく愛する。元相撲部。実はとある商社の重要人物。
☆広瀬 胡桃
モモちゃんのママ。現在52才。元キャリアウーマン。モモちゃんとパパが大好き。趣味は料理と園芸。
☆土井先生
モモちゃんの担任教師。ゆる〜い性格だが生徒達にはそれなりに信頼されている。
☆木茂井さん
大森出小学校の用務員。無駄なイケメン。
☆九条 ハ以未
生徒会長。実は野心家。
☆根倉 元気
モモちゃんのクラスメイト。声が異常に小さい。
☆尾田久君
モモちゃんのクラスメイト。推し命。
☆葉加瀬さん
モモちゃんのクラスメイト。ウンチク王。
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「ヤー!トォーー!!セィァーーー!!!」
私は週一で剣道の稽古に来ている。
剣道は現世の時からカッコいいなと憧れていた。
テレビでよく見るように俊敏に間合いを詰め、相手の隙を見つけそこに振りかざす。・・・とまぁ、そんな感じには全然出来ていない。
私は剣道を舐めていた。剣道を始めて半年経つが足の動きとか、竹刀の振り方とか奥が深くて中々上達しないのだ。
『広瀬、剣道はチャンバラじゃないんだからもっと軸をしっかりさせて、竹刀もそんなに振り切ったらダメだ。切先を真下に下ろすんじゃなく前に突き出す感じでやってみろよ。』
瀬名君がわかりやすいように私の後ろから覆い被さり竹刀の握り方から振り方を丁寧に教えてくれた。
「ありがとう瀬名君!やってみる!こ、こうかな?」
竹刀を振り上げ前に突き出すイメージで振り下ろす。
スコーーーーンッ!!
『いだっ!!!』
私の竹刀はそれはもう見事に空中を切り、私の前で素振りをしていたナヨ君めがけて飛んで行った。
「ナヨ君!大丈夫?!」
『う〜〜、痛いよモモちゃん。』
『小宮、竹刀が飛んできたくらい避けられないようじゃダメだぞ!集中力が足りないんじゃないか?ぼーっとしてんなよ!』
『はぁ?何なの瀬名君。僕だってちゃんと素振りしてたし!それに、モモちゃんに近づきすぎなんだよ!瀬名君は先生でもないんだからあっちに行っててよ!』
「まぁまぁ、ナヨ君そんなに怒らないで。瀬名の方が剣道は先輩なんだし、この前の剣道大会で優勝した強者なんだからナヨ君も素直に教えてもらおうよ。」
『僕だって、先生に筋がいいって褒めてもらったんだから!こうなったら瀬名君!勝負だ!!
僕が勝ったらもう僕とモモちゃんに近づかないで!!』
偉いことになった・・・。
最近のナヨ君は自我に目覚め、時たまこういう強気な態度に出る。自信を持つのは良いことだけど、大概根拠のない自信だ。
そして、何よりナヨ君が強気になる時は概ね私が絡んでいるのだ。巻き込まれる私は迷惑極まりない。
『モモちゃん、僕が勝ったらご褒美に今度の休日丸々僕に頂戴ね。』
ほらね。
「ナヨ君、勝負なんてそんな勝手なこと先生が許さないよ。それに、休日丸々は私にも予定があるから無理だよ。」
休日丸々遊びに使うわけには行かない。私には将来のために勉強や習い事などやる事が沢山あるのだ。
『試合かぁ。良いんじゃないか?那良には次の試合に出て貰おうと思ってたんだ。良し!勇気、那良、練習試合をするぞ!』
えーーー?!先生!許しちゃうの〜〜?!
『両者向き合って、始め!』
竹刀のぶつかり合う音が静粛とした道場に響く。
『なぁなぁ、隊長。どっちが勝つと思う?』
伊藤ーー!お前いたの?!っていうか剣道やってたのか!
『俺は、セナが勝つと思うな!だって大会優勝者だぜ!しかもあのナヨだぜ、あんななよなよしたやつがセナに勝てるかよ!ナヨも無謀だよなぁ〜!』
チクリ、、、。
「そ、そんなのわからないじゃん。ナヨ君だってこの半年頑張ってたし、先生に筋がいいって言われてるんだよ!」
『ねぇねぇ、本当にセナ君に勝てると思ってるのかなぁ』『無謀過ぎ~』
皆がナヨ君の陰口をいっている、、。胸がチクチクする。誰にもナヨ君のことを悪く言って欲しくない。
『メーーン』『ドーーーウ』
ナヨ君が圧されている。・・・・・嫌だ。
「ナヨ君!負けないで!!勝って!!!」
『メーーーン』バチィ!!!
『一本!!勝者、小宮!』
勝負はナヨ君が勝った。
『勇気、試合中に余所見は厳禁だぞ。お前らしくもない、本番は気を付けろ。』
セナ君は急に叫んだ私に一瞬気を取られてしまったのだ。
「セナ君、邪魔しちゃってごめんなさい。」
『お前のせいじゃない。俺の力が足りなかっただけだ。』
『セナ君、勝負は勝負なんだから約束は守ってよね!』
「ナヨ君、今回は私のせいなんだからあんまり困らせること言わないでね。」
『う~~~、わかったぁ。じゃあ、セナ君、この勝負の決着は大会でつけよ。』
ここまでナヨ君がセナ君に敵意を見せる理由がよく解らないけど、取り敢えず今回の騒動は一件落着だ。
因みに後日、初出場した試合ではナヨ君は1回戦で負けちゃったよ!
ドンマイ!ナヨ君☆




