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爆弾の余波!

拙い文ですが気楽に読んで頂けると幸いです。 ファンタジー要素が多ので現実では無理がある事も起こります。ご了承の上お読み下さい。

帰りの車の中は異様な雰囲気に包まれていた。


デジャヴを見ているようだが、「にゃんにゃん猫の時代村」の時とは全然違う。


私も伊藤もユナちゃんも顔を真っ赤にして俯いている。1人を除いて。


『もう!もう!!もう!!!ブライアンなんてやっぱり嫌いだ!!』


ブライアンは爽やかな笑顔で颯爽と帰って行った。

大きな爆弾を落として。


『もう!!モモちゃんも顔を真っ赤にしてないで、何か言ってよ!あんな事許していいはずない!!』


ナヨ君が怒り心頭で騒いでいる。

私だって何か言いたいけど何を言っていいか分からないのだ。ブライアンにキスされてから、思い出しては心臓がバクバクいって言葉が出ない。

何故ブライアンはあんな事したのか、何の意味があるのか、考えても答えが出ず頭がぐらぐるする。



『でも、まぁブライアンは外国人だし、あれは挨拶なんじゃないか?』


伊藤!そうなのか?!


『そんな訳でないでしょ!!モモちゃんだけにあんなっ!あんなっ!!』


伊藤のフォローはナヨ君に即座にぶった切られる。


そうだ。ブライアンがキスをしたのは私だけ。

しかも、あの時のブライアンの眼差しは友達に向けるものじゃなかった気がする。何かを慈しむような、包み込むような温かみのある優しい視線。


『ブライアンはモモちゃんの事を好きだったんだね。

そういえば、そんな節があったような気がする。

モモちゃんを見てる時のブライアンは凄く幸せそうだったもの。』


え?ユナちゃん、どゆこと?


『そんなの理由にならない!僕だって、僕だって!ぅ、ぅ、う〜〜、もう!!兎に角、僕はブライアンを許さないんだから!!』


何なんだ!僕だって何なんだ!!ナヨ君!!


『まぁ、モモ。何にせよ、ブライアンとの1ヶ月はモモにとっても皆んなにとっても素晴らしいものだったじゃないか。それが全てだよ。』


モモちゃんパパ、凄い事言ったみたいにドヤ顔してるけど、なんか言ってる事軽くない?!

自分の子供が男の子に目の前でキスされたんだよ?!

大人の余裕?これが大人の余裕ってやつなの?!




でも、確かにブライアンとの1ヶ月は素晴らしい日々だった。ブライアンに出会えて本当に良かったと思う。それは皆んなも同じはずだ。

ブライアンが私にどんな感情を持ってたのかは今となっては分からないけど、モモちゃんパパが言ったようにそれが全てなんだ。


ブライアンが私にかけたおまじないは解ける事はないだろう。

モモちゃんのファーストキス。

相手がブライアンだったら、いいよね?モモちゃん。






それからと言うもの、私は前にも増して自分のやるべき事に一生懸命に取り組んだ。苦手だった英語も本格的に始めた。まだまだ苦手意識は取れないけど、ブライアンもカナダで頑張ってると思うと苦痛じゃなくなった。いつかは他の言語も学んで世界中の人と話せればもっと色んな可能性が広がる。そんなの素敵すぎるじゃないか。


ナヨ君も変わった。前より泣かなくなったし、私がいなくても何にでも積極的に取り組むようになった。

うるうるする事はまだあるけど、挫けそうになっても涙を堪えて決して投げ出さない。

自分で出来る事が増えて自信に繋がっていくのが見ているとよく分かった。


各々が色々な経験をし、成長していった。






そして、私達の小学校での生活もあっと言う間に後3ヶ月。


『モモちゃん!用意出来てる?』


「出来てるよー、ちょっと待ってね!お待たせ。ナヨ君、ちゃんと暖かくしてきた?」


今日はナヨ君と初詣に行く。




『モモちゃん、何をお願いしたの?』


「ん?私とナヨ君が一緒の中学にうかりますようにって。」


『僕も!モモちゃんと合格出来ますようにってお願いしたー!』


私達は中学校受験を目指す。

仲良くなった友達と別れてしまうのは寂しいけど、自分の可能性をもっと伸ばしたくてどうしても挑戦してみたくなった。

ナヨ君は私が居なくても大丈夫な事が増えたけど、中学はやっぱり私と一緒の所に行きたいと受験を決めた。


「受験まであと少し頑張ろうねナヨ君!」


『うん!僕最後まで諦めないよ!絶対にモモちゃんと一緒の中学に行くから!』






受験当日、ナヨ君と2人で受験会場に向かう。


「やれるだけの事はやったし、精一杯頑張ろうね!」



私の、モモちゃんとしての人生の分岐点。


この先のまだ見ぬ未来のために先ずは一歩前進あるのみ!!



お読み頂きありがとうございます。

急ぎ足で進みましたが小学校編完結です。

中学校編からがメインになりますので、今後もよろしくお願いします。


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