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おいコラ、伊藤!

拙い文ですが気楽に読んで頂けると幸いです。 ファンタジー要素が多ので現実では無理がある事も起こります。ご了承の上お読み下さい。

「・・・・・。」しーーーーーん。


『ど、どうしたんだい、モモ?』


モモちゃんパパが不穏な空気を察して声を掛けてくれるが、、、


「別に!何でもない!」


何でもない訳がない。私の不機嫌な様子は隠しきれてないだろうし、セナ君はずっと顔を真っ赤にしている。そしてもう1人、頭に大きな瘤を作った伊藤。

怒りが爆発した私は伊藤に思いっきり怒りの鉄拳を食らわしてやった。相当痛かったらしくずっと頭をさすっている。


そんな訳で今、車の中は不穏な空気に包まれているのだ。


他のみんなは何が起こったのか分かってないが、また伊藤が何かしたんだと察し、私に気を使ってくれている。


大人げないのは分かっている。でも、よりにもよってセナ君にキスをしてしまったのだ。余りの恥ずかしさに伊藤に当たるしか無かった。まぁ、伊藤に関しては自業自得な分もあるし気にしてないけど。


『隊長、酷いよなぁ。まだ、頭痛いんだけどぉ。それに、事故とは言えセナにキ」もごもご、、


なっ、何言う気だコイツ!!空気読め!!!

急いで伊藤の口を塞ぐ。


「おいコラ、伊藤。あの事を話せばお前の命はもう無いと思えよ。わ・か・っ・た・な!!」


コクコクコクーー。伊藤は凄い勢いで頷く。

どうやら自分の置かれた状況が分かったようだ。

しかし相手は伊藤だ。やっぱり殺しとこうか。


『伊藤。お前はもっと人の気持ちを考えろ。

あの事は俺からも言わないように頼む。』


平静を取り戻したセナ君が伊藤に釘をさした。

そうだよね。セナ君も私とキスしたなんて噂が立ったら嫌なはずだ。何せあのモモちゃんだもん。





セナ君達と別れ、家でいつものトレーニングをしているとブライアンがやってきた。

今日は遅くなったからモモちゃんママはいない。私一人だ。



「どうしたの?ブライアン。」


『ん?僕もトレーニングをしたいなぁって思って。』


ブライアンは私の隣に座り、一緒にヨガをやる。


『ヨガって難しいね。でも、いつも意識してない筋が伸びて気持ちいい。』


「でしょ!自律神経も安定するし、日本にいる間ブライアンもやり続けるといいよ!」


ブライアンは笑って、頷く。癒されるなぁ。




『あのさ、今日の事だけど・・・』


「!」


『「にゃんにゃん猫の時代村」での事だけど、』


「なっ、何にもなかったんだよ!ただ、伊藤が悪ふざけして、あのっ、そのっ、、」


『うん。何も話さなくていいよ。ただ今日、楽しかったって言いたかっただけ。

カナダでは僕、友達がいなかったんだ。趣味は日本文化の研究だし、色々あっていつも1人だった。友達と何処かで遊ぶって言うのも今日が初めてだったんだ。だから、今日は凄く楽しかった。

ありがとう、モモ。僕、日本が益々好きになったよ。』


ブライアンはハニカミながら笑う。不思議な雰囲気を持ったフワッとした笑顔。凄く、綺麗。


性格も良くて、教養もある。見た目だって外国人って言うのを差し引いてもかなりのイケメンなのに。こんなに魅力的な子に友達がいなかったなんて信じられない。でも、カナダで何があったとかは聞いちゃいけない気がした。この子を傷つける様な物から守ってあげたいと心から思った。


「大丈夫だよ、ブライアン。私も、皆んなもブライアンの事が大好きだよ。まだ、交換留学も始まったばかりだし、沢山思い出作ろうね。私、ブライアンに沢山笑って欲しい!」










次の日は、モモちゃん両親に連れられ昨日行きそびれた温泉に行く事にした。

昨日、本当だったら「にゃんにゃん猫の時代村」に隣接された温泉に入ってから帰る予定だった。でも、セナ君との事があってとても温泉に入る気分じゃなく、皆んなも空気を察して今日は帰ろうと言うことになったのだ。


昨日のメンバー全員は居ないけど、ナヨ君を誘った。基本、ナヨ君はいつも私と一緒だから誘わなくても付いてくるんだけどね。


温泉は家から車で1時間位の山の頂上付近に湧き出ている秘湯温泉だ。モモちゃん両親は温泉巡りが大好きで、私も何度か来ているお気に入りの温泉だ。

無人だが、市がちゃんと管理していて綺麗だし、岩風呂からは緑の先に海が見える。景色がとても良い。


「お〜〜い!ブライア〜ン、ナヨく〜ん!もう、入ってるぅ〜?」


『入ってるよ〜〜!モモちゃん、景色が凄く綺麗だね〜〜!』


竹垣を経てお互いに声を掛け合ってお喋りをして楽しむ。これって温泉の醍醐味だよね!


男湯の方からナヨ君とブライアンのふざけあう声が聴こえてくる。和むな〜〜と思ってたら、



『わっ!ブライアンのでっか!!大砲だ、マグナム級の大砲だ!!』

『ナヨのは水鉄砲だね!』




ナヨ君、ブライアン、全部聞こえてるよ・・。

男の子って基本バカだよね!





お読み頂きありがとうございます。 感想、評価など頂ければ今後の励みになります。 誤字脱字などありましたら直ぐに修正しますので教えてください。

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