I amブライアン♡
拙い文ですが気楽に読んで頂けると幸いです。 ファンタジー要素が多ので現実では無理がある事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
『モモ、日本では神社とかお寺に毎日お参りするんでしょ?侍とか忍者とかいるかな?僕も行きたいんだけど、今日はもう行っちゃったの?』
「神社とかお寺は新年のお参りくらいしか余り行かないよ。侍も忍者もいないし。行きたいなら今度の日曜日にパパに言って連れて行ってもらお!」
ブライアンは相当な日本好きで時代劇とかを良く見ていたらしく、日本の古い文化に強い憧れがあるようだ。しかも、本当に日本語が上手。
すごいなぁ、まだ12歳なのに好きな事を見つけて一緒懸命になれるって素晴らしい事だよね。
その日はブライアンとお互いの国の事を話し、あっという間に1日が過ぎた。ブライアンは私の部屋の隣にある客室に1ヶ月滞在する。
「話しやすい子で良かったぁ。せっかく縁あって1ヶ月間一緒に過ごすんだから、もっと日本を好きになってもらえるように色々楽しんでもらわないとね。」
夜寝る前に今日1日ブライアンと話して聞き出した日本でのやりたい事を書き出していく。
・神社、お寺に行く
・着物を着てみたい
・日本のスポーツをやってみたい
・日本で友達を沢山作りたい
・侍、忍者に会いたい
「細かい事まで上げたらキリがないけど、この5つは叶えてあげたいな。そうなると、他の皆んなにも協力してもらわなきゃね。」
私は明日からのブライアンとの日々を思い描きながら眠りについた。
『おはよう、もも!朝から偉いね!明日から僕も一緒にジョギングに行くね!』
朝のジョギングから帰ると、ブライアンが外でモモちゃんママと玄関先の花壇に水やりをしていた。
蜂蜜色の柔らかそうな髪と透き通るような白い肌、グリーンに近い青い目が朝日を浴びて何とも美しい。天使だ。ここに天使がおる。
「おはよ、ブライアン。今日から学校だね。友達沢山作ろうね!」
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『じゃ〜、朝の会始めるぞ〜〜。今日は皆んなに交換留学生のブライアンを紹介するぞ〜。ブライアン挨拶〜〜。』
『初めまして、僕の名前はブライアン・ハッシュフィールドです。カナダから来ました。1ヶ月間モモの家でお世話になりながらこの学校で皆んなと勉強します。よろしくお願いします。』
皆んなは流暢に日本語を話すブライアンに興味深々だ。男子は一言ブライアンが日本語を話すだけで「お〜〜!」とか「すげ〜!」とか感動している。女子は「かっこいい〜♡」とか「イケメンきた〜〜♪」とかキャーキャー大騒ぎだ。
皆んなに関心を持たれるのはいい事だ。友達作りは大丈夫そうだな。
その後もブライアンは皆んなと上手く打ち解け楽しく過ごせたようだ。やっぱり、日本語を話せるのは大きいよね!見た目はイケメン外国人だけど普通に言葉が通じるって誰だって仲良くなりたいでしょ!
・・・そう、1人を除いては・・・。
そうです。ナヨ君です。
ナヨ君はブライアンにバリバリのヤキモチを妬いている。朝は登校する時にブライアンとは一言もはなさなかった。まるでブライアンが居ないかのように振る舞うから私はずっとハラハラしっぱなしだった。今日一日ずっとそんな感じだ。
きっと、友達の私がブライアンに取られて自分が捨てられるとでも思っているんだろう。そんな事しないっていつも言ってるのに。何とかせねば。このままでは私が気疲れでどうにかなってしまう。
私は放課後、ブライアンを秘密基地のお茶会に誘う事にした。勿論ナヨ君には内緒で。サプライズってやつね。
『モモちゃん、ひどい!何で僕たちの愛の巣に部外者を連れてくるの?!』
いやいや、「愛の巣」って、どこで覚えた?今まで何回もユナちゃんとか来てるやん?運動会以降、伊藤のヤローも「隊長ー!」って入り浸ってるやん?
「もぅ、ナヨ君!ブライアンと仲良くしてよ!ブライアン凄く良い子なのに!せっかく日本が大好きな子なのにナヨ君のせいで嫌いになったらどうするの?」
『だって、だって、、。』
うるうるしてる。やばい、泣くなこれ。
『ナヨ君はモモのことが大好きなんだね。僕もモモのこと好きだよ。優しいし可愛いし。』
えっ?何急に。
『だから、きっとナヨ君とも友達になれると思うんだ。モモがナヨ君は大事な友達って言ってたから。
好きな子が大事って思ってる子なら友達になりたいと思わない?』
『好きな子の大事な友達だから友達になる?』
『うん、そうだよ。そうしたら、その子の気持ちをもっと分かってあげられるでしょ?』
私は言葉を失った。何て素敵な考え方をする子だろうか。
『・・・うん。僕もブライアンと友達になりたい!』
ブライアンとナヨ君は仲直りして、その日の帰りは3人一緒に仲良く帰ることが出来た。
ブライアンの言葉が耳に残っている。
『好きな子が大事って思ってる子なら友達になりたいと思わない?ーーそうしたら、その子の気持ちをもっと分かってあげられるでしょ?』
独り善がりではない相手を思いやる心。
私はあの時、ブライアンの優しい眼差しも、言葉も、全て美しいと思った。
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