委員会始まるよ!
始業式の翌日、今日はナヨ君は休みだ。
『ナヨ君大丈夫かなぁ。昨日顔が赤くなったり戻ったり様子がおかしかったもんね。モモちゃんは何にか聞いてる?』
ユナちゃんがナヨ君の心配をしてる。いい奴やなぁ〜。
「風邪とかではないみたいだよ!ナヨ君のお母さんの話では知恵熱って言ってた。知恵熱って本当にあるんだね。」、、、何をそんなに考えたんだナヨ君!
『はい、じゃあ適当に各委員決めるぞ〜」
相変わらず緩いな先生。
そうです。担任も変わりませんでした。
巷の噂では毎年先生達の間では私の担任を誰が持つかで押し付け合戦が始まるらしいよ。
それで、結局いつも何も考えてなさそうな土井先生が引き受けるんだって。大丈夫か?この学校。
未来ある子供を迷惑がってんじゃねーぞっ!
『まず、学級委員から〜。男女一人づつだぞぉ〜立候補いるか〜?』
『え〜やだ〜、面倒くさそう〜。』
分かるぅ〜〜。
でも、私はハイスペックな女を目指すのだ!
前世ではやったことのない学級委員にレッツトライだ!
「ハイッ!私やります!」
『おっ、広瀬やる気あるなぁ〜、いいことだぞ〜。
男子はどうだ〜?いないならくじ引きで決めるぞ〜』
『げっ、広瀬かよぉ。大丈夫なのか?』『あいつが相手なら絶対ヤダね。』
出ました、男子の猛反発。クッソ〜、予想はしてたけど露骨に嫌がることないじゃん!
こんな時、ナヨ君がいたら一緒にやってくれたのにぃ〜!ど〜して今日知恵熱なんて出したんだよ!
なんか泣きたくなってきた。いいのか?私泣いちゃうよ!
『オレがやるよ!』
「『!!』」
セナ君〜〜〜、いいの?やってくれるの??
『おい、セナ!いいのかよ!相手はあの広瀬だぞ!!』
おい!そこの男子、余計な事言うなよ!!じゃあお前がやってくれよ!
『そんな事言うなよ!いくら広瀬でも可哀想だろ!』
どんだけいい奴なんだよ!セナ君!「いくら広瀬でも」ってのは余計だけどな!
でも、本当は嫌なはずなのに、ありがとうセナ君!!
『はい、じゃあ女子は広瀬、男子はセナで決まりな〜』
ーーーーーーーーーー後日ーーーーーーーーー
今日は初めての委員会がある。
シクシク・・・。
『モモちゃんと一緒が良かった。』グスッ。
ナヨ君は私と一緒の委員になれなかったことに落ち込んでるようだ。泣くなよ、ナヨ君。肝心な時にいなかったのは君だろ。私もナヨ君が良かったよ(泣)
「まぁまぁ、決まった事は仕方ないでしょ。別にずっと一緒にいなくてもナヨ君は私の大事な親友に変わりないんだからさ!ほらっ、ユナちゃんが待ってるよ!」
ナヨ君とユナちゃんは図書委員だ。
いいなぁ〜、私もナヨ君かユナちゃんが良かったぁ。
勢いで学級委員になっちゃったけど、まさかセナ君が立候補してくれるなんて思ってなかった。
迷惑かけないようなるべく関わらないようにしてたのに。まぁ、仕方ない!やるからには頑張ろ!!
『広瀬、委員会いくぞ!』
一人で先に行ってもいいのに、セナ君はちゃんと私を誘ってくれる。優しい子だなぁ。
「あのっ!セナ君、学級委員を引き受けてくれてありがとう。」
『別に、広瀬のためとかじゃないから勘違いするなよ!只、オレはどんな奴でも除け者みたいにするのが許せないたけだから。』
『それに、最近お前が頑張ってるのも知ってるし。
彼奴らも悪い奴らじゃないんだ。お前が頑張ってるのを見たらきっと認めてくれるよ。だから、まぁ頑張ろうぜ!』
いい奴過ぎる〜〜セナ君!君の期待を裏切らないように頑張るよ!
『今日は、5月に行われる運動会の打ち合わせを行います!』
運行は生徒会長の九条 ハ以来さんが行う。いや、どんな名だよ!親、考えてあげて!
『運動会で学級委員の方達には運営の手伝いをして頂きます。特に6年生の方々には責任者として重要な役割をしてもらう事が多いと思いますのでよろしくお願いします!』
責任者?!所詮小学生なんだから先生が指揮を取るんじゃないの?!思ってたより責任重大だなぁ!
この学校、変だと思ってたら以外と生徒の社会性の成長を重視してるのかもね。
委員会の話し合いで私とセナ君は会場整備の責任者に決定した。話に聞くと会場整備って一番大変らしいよ。グラウンドの整備とか保護者席の管理とか駐車場の誘導とか備品の管理とかその他諸々。その分、人員も貰えるけど、指示を出すのも案外大変なんだよね。
「な、なんか大変そうだけど、頑張ろうね、セナ君。」
『そうだな。頑張って皆んなに広瀬の事、認めてもらわなきゃな!オレもちゃんと協力するから頑張ろうぜ!』
うん♡期待は裏切らないぜ☆なんてなっ!
プレッシャーかけないで!
『あっ、最後に言い忘れました!今年も運動会の最後に毎年恒例の頑張った大賞があります!運動会で1番皆んなのために頑張った人を投票で決め、その子が居るクラスにはお菓子の詰め合わせセットが授与されます。例年学級委員の方から選ばれることが多いので皆さんも、頑張ってお仕事宜しくお願いします!』
「・・・。」 だから、プレッシャー!!!!!!
「コレとコレは一年生の『ぴっくらポン』の時に使うっと。ふぅ〜っ、備品の確認はコレくらいかな。」
運動会まで後1週間。
今、私とセナ君は備品庫で運動会で使う備品の確認と準備をしている。ここの所毎日のように放課後は運動会の準備に追われているのだ。
正直、ここまで生徒にやらせるとは思わなかった。
これ、本当に生徒の社会性の教育が目的なのか?
ただ単に先生達が楽したいだけだろコレ。
『広瀬君、終わったかい?どれ、私が手伝ってやろう。』
ぴとっ。「ひぃっ!」
『あっ、ごめんね。ビックリさせちゃったね。重いから僕が運ぶよ。』
木茂井さんが私の後ろから覆いかぶさって机を持ってきたからビックリして変な声が出ちゃった。
用務員の木茂井さんは20代後半くらいの人でイケメンで気さくに話しかけてくれるから生徒達の人気も高い。仕事も真面目だから先生達の評判も上々だ。
でも、前から思ってたけど、この木茂井さんは距離感が少しおかしい。親切で優しいんだけど話す時妙に近いし、今だって後ろから持つか普通?
「あ、ありがとうございます。でも、これで最後なので大丈夫です。」
『広瀬君は偉いね。女の子なんだから力仕事は男の子に任せればいいのに。』ナデナデ・・。
頭を撫でられた!なんかちょっと気持ち悪い。
『木茂井さん!すいません、ちょっとこっち手伝ってもらえませんか?』
ナイス!セナ君!
木茂井さんは『いいよ〜』と言いながら離れていった。
よしっ、運動会まで後1週間。まだまだやる事はいっぱいだ。やるからには精一杯頑張らねば!
「やったるぞぉぉぉ!」
気合いを入れ直して仕事に取り組む。立ち止まっている時間はないのだ!