始業式だよ、モモちゃん!
「おはよう!ナヨ君!」
今日から6年生、新しい年度を迎えるには相応しい清々しい朝、自然に笑顔が出る。
「ん?ナヨ君、顔真っ赤じゃん。熱でもあるの?」
『お、お、おはよう!モモちゃん!
だ、大丈夫だから!』
「本当に〜?」
ナヨ君の顔を覗き込むと思いっきり目を逸らされた。やっぱり具合悪いの誤魔化してる?
『だ、大丈夫、大丈夫だから!』
「ん〜、まぁ、それならいいけどあんまり無理しないでよ〜」
『モモちゃん、髪切ったんだね。あのっ、凄く似合ってる!』
「ありがとう♡サッパリしたでしょ?服も新しいの買ってもらったんだぁ♡」
『凄く可愛いよ!』
くぅ〜っ!可愛いやつやなぁ〜、どこまでいい奴なんだ!女の子にさらっと「可愛いよ」なんて、天然タラシめ!
ナヨ君が私に対して恋愛感情なんてないのわかってるけど言われると嬉しいもんだね!
私とナヨ君は春休みに何処に行ったとか、春休み中に遊んだ時の話なんかをしながら学校に向かった。
クラス分けの掲示板。えぇっと〜、広瀬モモはどこだぁ〜?
「おっ、6-2かぁ。」
『モモちゃん、一緒だよ!また一年間一緒だね!嬉しい♪』
クソッ、可愛い奴め!
おっ!セナ君とユナちゃんも一緒だ。
ナヨ君とユナちゃんが一緒なのは嬉しいけど、セナ君もかぁ〜、コレ絶対また私が裏工作したと思われるやつだよね。
さては先生達め、安全パイを選択したな!?ちゃんと公平にって言っといたのに!
新しい教室、半年間大人しくしていた事で大分普通に接してくれる人も増えてきたけど、まだ私に冷たい視線を向けて来る人の方が多い。
嫌だな〜、あ〜緊張する〜。いくら相手は子供とは言え今私は子供社会の中にいるのだ。周りから受ける冷たい視線は子供相手でもキツイものがある。
ガラッーー
あー、やっぱりね。刺さる様な視線。
彼方此方で「うわっ、広瀬と一緒かよ」とか「マジ嫌なんだけど」とか聞こえてくる。
「モモちゃん、おはよ!また一緒のクラスだね!よろしくね!」
ユナちゃん〜〜(泣)こんな時、普通に接してくれる子がいるとすごい救われるよね。
「おはよ!此方こそ宜しくね!」
気にしても仕方がない。また、一年かけて味方を増やして行くだけだ。頑張ろ。
ユナちゃんを含めた顔見知りの子は私の容姿が変わった事にビックリしたり、褒めてくれたりした。
他にも何人かの子たちがヒソヒソと「別人じゃん」とか「整形か?」とか言ってるのが聞こえた。
整形って、失礼な!
『〜ですからして〜〜〜〜、6年生は最後の年です。
悔いのない様に沢山の思い出を作り素晴らしい年にしましょう!』
はい、校長先生の話し長い!!もうこれお決まりのパターンだよね。