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秘密基地だよ、モモちゃん!

『こっちだよ!モモちゃん!』


今日、一日なんとか無事に終えて帰る準備をしていた私をナヨ君が足止めした。


連れてこられたのは例の秘密基地だ。

校舎裏にある小山の裏に大きな穴がある。


只の穴だと思っていたら、入口は人が屈んで入れるくらいの大きさがあり、木で出来たドアまで付いている。中に入ると4.5畳くらいの空間があって、余裕で人が立てる高さもあった。壁もきちんと木で補強されている。


「・・・」


イヤイヤイヤ、どうやって作ったのこれ??

小学生が作ったとはとても思えない。

こんなに広い空間を作るにはショベルカーが必要だよ!?この壁の補強だって、専門家のアドバイスが必要なはずだよ!!?あのドアだって、どうやって作ったのさ!??そして今目の前にあるこのテーブルとイス!それに本棚とチェスト!!

あぁー、頭痛くなってきた。もぉー、考えらんない。


んっ?何だって?

全部モモちゃんが考えて指示を出していた??


スッゲーなモモちゃん!勉強は1年生レベルだったのにこんな事出来ちゃうんだね!!しかも感覚だけで!!!


もう、ある意味最強じゃん。





考えるのをやめた私はナヨ君に促されるままテーブルについた。


『はい、どうぞっ!』


ナヨ君がお茶を出してくれる。もぉ、何でもありだわ、コレ。考えるだけ無駄だ。


私はナヨ君が出してくれたお茶を飲んで落ち着くことにした。





コンコン。


ん?誰か来たぞ?

ナヨ君がドアに行き、現れたのは教室で斜め前に座っていたユナちゃんだ。


『あのっ・・こ、これっ・・広瀬さんのじゃないかと思って・・』


ユナちゃんは真っ青な顔でブルブル震えている。


差し出されたのは見覚えのあるショッキングピンクの筆箱だ。


「私の筆箱だ。ありがとう!拾って届けてくれたの?」


私はユナちゃんに駆け寄る。


『わ、わ、わ、わ!!ご、ごめんなさい!許してください!後をつけてた訳じゃないんです!!ここに秘密基地を作ってるって皆んな知ってる事だし、邪魔をしに来た訳じゃないんです!命だけは助けて下さい!!!」


ユナちゃんは今にも倒れそうにブルブル震えて顔面蒼白だ。


「落ち着いて!私、何もしないよ!」

『えっ?!私殺されないんですか?暴力も払われないんですか?』

「筆箱を届けてくれた人にしないよ!そんなこと!」


『・・・よ、良かった〜〜〜。広瀬さんに関わると殺されるかも知れないってわかってたけど、広瀬さん前と変わったみたいだし、筆箱ないと今日の宿題大変だと思って。どうしようか凄く迷ったけど届けに来たの。』


ユナちゃんは、教室に私の筆箱が落ちているのを見つけて、勇気を出して届けに来てくれたようだ。

しかし、ビビリすぎだろ。殺すって、流石にそこまでしないでしょ!


・・・イヤ、もしかしてしてた?もぉ、わからんっ!!





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