体育だよ、モモちゃん!
拙い文ですが気楽に読んで頂けると幸いです。 ファンタジー要素が多ので現実では無理がある事も起こります。ご了承の上お読み下さい。
午後は体育でした。
今日は秋のマラソン大会に向けての練習だって。
ぜぇっぜぇっ。ぜぇっぜぇっぜぇっーー
今、私は1km地点にいる。
私、入院中からジョギングを始めて結構走れるようになったんだよ!始めた頃は100m走っただけで、心臓が飛び出るんじゃないかってくらいバクバクいって、もろゲロってたんだから。毎日、少しづつ距離を伸ばしてやっと1kmは走れるようになったけど、今回のマラソンは3km。ここからは未知の世界だ。
ヒューーヒュルー。ヒューーヒュルーリー。
2km地点。
なんか胸の辺りから変な音なってきた。
ヤバイなこれ。い、息が出来ない。
『大丈夫か?広瀬?!』
「!」
「せ、セナ君、いき、息が、出来、ない、、」
『落ち着け!ゆっくり息を吐いて、ゆっくり吸うんだ!』
すぅ〜〜っ、はぁ〜〜。すぅ〜〜っ、はぁ〜〜。
やっと落ち着いてきた。私は木陰に座り込み呼吸をするのに集中する。
セナ君はその間、ずっと私に付き添い背中をさすってくれていた。
「ーーありがとう。大分楽になった。もう大丈夫だと思う。」
『退院して間もないんだ。あんまり無理するなよ。』
優しい。優しすぎる。散々嫌がらせを受けた相手に、背中をさすったり、相手が落ち着くまで一緒にいる事が出来るだろうか。この子は天使なのか!?
『ご飯も食べてなかったろ!?まぁ、そのっ、なんだ、ダイエットってやつだろ!?別に太ってるわけじゃないんだから、そこまで無理しなくてもいいんじゃないか!?』
「・・・。」
はぁ??今何つった??
いや、太ってるだろ!!どう見ても太ってるだろ!!!
「あ、ありがとう。でも、もう大丈夫だからセナ君は行って!」
これ以上、セナ君といたら朝の謝罪が無駄になってしまう。
ここは、大人らしい態度を取らなくては。
『そんな訳にはいかないだろ!ほら、俺の肩に掴まれ!』
セナ君が手を差し出してきた。
これを断ったらた感じ悪い奴じゃん。
仕方ない。ここは素直に従おう。
セナ君は自分より一回りも大きい私を最後まで見捨てずにゴール地点まで連れて行ってくれた。
汗もギトギトで気持ち悪かっただろうし、自分より大きい相手を支えるのは大変だったろうに・・・。
気付いたら、さっきのモヤッとした気持ちは今はもう全くなくなっていた。
後から聞いたけど、セナ君の身内に200kg越えの巨漢がいるんだって!その人を小さい頃から見てたからモモちゃん位は普通だって本気で思ってたみたい。100kg位の人って街を歩けば結構いるもんだしね。
やっぱ、いい奴じゃん、セナ君。
イケメンで性格も良くて頭も良いって、どんだけだよ!セナ君!!
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