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4話 ようこそ革命軍へ!


「「誰かこれとこれテーブルにもっていってくれ! おいラナ、セレーナ、つまみ食いするな! むむ、このままだと材料が足りないな……アグリー! ちょっと使い頼まれてくれないか!?」


 彼らはギリーの命令に従ってせわしなく料理やら内装が施されていく(一部は明らかに足を引っ張っているが)が、そのほとんどが自分が決して行かないような高級料理店のような料理を中心に配膳されていき内装などは気持ち程度のもので少し雰囲気の出たテーブルクロスがひかれた程度のものであった。そのためバランスが悪く不格好である、どうせなら内装も凝ったらどうなのか? とモノ申したいところだが客として来ている身分として(あと殺されそうなので)声を大にしては言えないため喉の奥に引っかかっている言葉の塊たちを飲み込んだ。


(わざわざ総出で食卓の準備をしてもらっている中、失礼な話だが暇である……)


 流れゆく準備の中、僕はあまりに暇であった。そのため誰か話し相手になってもらいたかったというのもあるが、なぜ長身レイン全体をコートやポンチョのような服・フードで纏った見るからに怪しい人物に声をかけたのか自分でもわからない。「何か話しません?」とまるでナンパ男みたいなセリフが口からこぼれていたのだ。相手もまさか声を掛けられるとは思いもしなかったのだろう、「え? ……あ、はい」と唐突な声かけに間抜けな返答をするとゆっくりとフードをバサッと上げる。そこには白銀の煌びやかな透けるような長髪にエメラルドの瞳、色白の美しい女性がこちらの様子を窺っていた。よく見ると耳がとがっている……エルフだ。

エルフは種族として先の戦争でかなり人口が減少したため見かけたのも人生で数回程度である。戦争終結数年は闇社会でかなり高値で取引されていたなどとネットや噂で聞いたことがあるが今は人権問題に引っかかるので取引はなくなったとされている。それはそうと、それから少し微笑みゆっくりとイスに腰を掛けたタイミングで、


「あの自分、『ジン』と申します。あのここは一体……?」


「私は『レイ』と申します……えっと、ここは先程セレーナが言っていたように『FRA』という革命軍基地で規則として革命軍メンバーと接触、および現場を見られた場合ここに連れていくことになっていて、その……そうそう、セレーナもその一人なんですよ。あんな我が物顔で紹介していますが少し前に加入したばかりで」


 と彼女はクスッと思い出しながらたどたどしく説明をした。ちなみにあの金髪ロリはセレーナというらしい。古参っぽい雰囲気醸し出してたから合法ロリ系やホッビトの方かと思いきやただのロリだった。というのは憶測でエルフから見た少し前だしあまりに気になりすぎて他の方々の話がまったく頭に入らなかった。明らかに小4~5くらいの身長だし……


ちなみに僕はロリコンではない。


「まぁ、とどのつまり住めば都……そろそろ、準備が終わりそうですね」


 レイさんすみません、聞いてませんでした……せめてラナちゃんの話は聞いておきたかった。と噂をすれば影、


「あー、レイずるい! レイに後れを取ったが片側のジン……さんの隣は渡さない!」


 準備の手伝いをして気を取られていた彼女はこちらに気付くや否や即座に普通の女の子とは違う完全にスプリンターのスタートダッシュのごとくこのわずか10mくらいしかないような距離を席のためだけに死守した。レイさんはそんなラナちゃんに対して「そんな急がなくても……」となだめるが、


「そんなに慌てるな、ラナ。そんな急がなくても彼氏は逃げん。どちらかといえば引いているほうだな。確かにこれからはしばらくは一緒になれるのはうれしいかもしれないが落ち着いてくれ」


「ワイトもそう思います。話全く聞いてなかったので知りませんけど」


 最後の料理を両手で運びながらギリーは彼女に軽く突っかかる。それに適当に便乗し加勢をするアグリーはどうやら買い物ついでに何人かの仲間を連れ丁度ゲートをくぐって帰ってきたところだったようだ。


「なっ……!//// 別にそこまではしゃいじゃいないし! それより早く歓迎会といきましょうよ! ジンさんも暇すぎて逆に疲れていると思うし」


 仲間たちもそれに関しては同感のようでさっさと食事をする準備にとりかかりわざわざ目の前の席ではなくそれぞれ決まった席へ腰を下ろしたりあるものは座らず壁側へ飲み物のみ手に取ったりざわめき始めたところでセレーナは咳払いし、


「皆の者、ここに小動物のように震えている者がこれから我らのファミリーになる新参者の『ジン』だ。知っている通り彼はまだ目覚めていないモノ

・・・・・・・・・

だが、それはこれから開花させていくのでよろしくやってくれ。それでは乾杯!!」


                ん?目覚めていないモノ?


 そのような疑問も束の間、彼女の乾杯の掛け声で歓迎会は開かれた。

 先程までレイさんと話していたため気付かなかったが、僕らが談話してしている間に外出していた仲間たちが席に座らずそこかしこに群がり談笑している。人数に対して席が少なすぎるのだ。と言っても想像よりは少なくここは精鋭部隊なのか気付けば隅の方でフードを被り独り佇むヤバそうな人物になりかけるレイさんや顔面傷だらけの者が目に入ってしまい、気まずさや恐れであまりジロジロ見れないがおそらく20もいないであろう。もちろん、全員がここに揃っているわけではないだろうから本当の数はわからない。

 そんなことよりも困ったことがある。大学ですら俺はこのような宴会に参加した経験は一度たりともない。しかも主役としてこんなもてなされたことはないためどう振舞えばよいのだろうか?

 そんなことはお構いなく彼らは飲み食いの喧騒状態、少しは主役の気持ちにもなっておくれ……


「どうだい? うちの雰囲気は」


 唐突にギリーは背中側から話しかけてきた。いや、雰囲気といいましてもね……


「ちょっとまだわからないですよ……知っている人はほぼ皆無、顔面凶器、いきなりこのようなとこにクラス転入したら引きこもり待ったなしですよ」


「ハハハ!!! その通りだな、失敬失敬。なに、少しずつ仲良くなればいいし全員となんて無理難題だ、ここにいるやつらは一癖も二癖もある連中だからな。(最悪ラナ、レイとだけ仲良くしていればいいさ、あいつらもよろこぶぞ?)」


 彼は手を口に当て上品な笑いでそう返しボソッとわざわざ僕の耳元へつぶやきどこかへ厨房へ向かっていった。それはどういう……


「おい、誰だ!! ジュースにアルコールを混ぜたやつは!! セレーナが暴れだしたぞ!! まだスキルを使ってないだけマシだが、ほろ酔いなのに手が付けられねぇ」


 見ればセレーナがほろ酔い状態になり鎌を振り回している。それはそれはデカい鎌だ。だが、熟練した彼らにとってセリフとは裏腹にただ振り回しているだけのセレーナの鎌は空を切るだけでまさに赤子の手をひねるのと同様であった。


「私は小さくない! グスン……」


 どうやら彼女は泣き上戸のようで、普段言われていることを吐き出しているようであった。なんかこんなこと言うのも狂っているが可愛い。


                「避けろ!!!」


 誰かの大声で何かが真正面から高速回転してくるのが見えたが、まさか大鎌だとは思わなかった。

 セレーナの顔が青くなる、周りの者も急いで僕の方へ駆け寄るが間に合わない。僕といえば頭では避けなくてはいけないと理解しているのだが椅子に尻が吸い付いたように動いてくれない。別に大鎌を魅入ってしまったわけではないし、その反対でもない。それなのになんで動いてくれないんだ、手でもいい最悪腕の一本で済むなら安い、安い、なのに……ここでまさか死ぬのか? 意外と走馬燈って見えないものなんだな、はは、冷静じゃないか僕……


               ― グサッ ボトッ―

 不思議と痛くはなかった、だが目で見たらおそらく痛みが一気に押し寄せてくるのだろう、だが目を開けなくては……目を開けなくては、恐る恐る思わず閉じた目を開くと……男が目の前に立っていた。その男にはこっちに向かってきていた大鎌が刺さっており、右腕が血をたらし池のような血だまりの足元に落ちていた。


「おいおい、気をつけろ……俺が困るだろう?」


 その男は黒いやや長髪に、黒いコートで羽織られており落ちた右腕からは筋肉質なところが窺える、それ以外で見たこともないどこかの民族出身のような奇妙な仮面が特徴的であった。そして次の言葉に僕は驚きを隠せなくなる。


「ごめん、ボス……」


 セレーナは急激に酔いがさめ、借りてきた猫のようにおとなしくなってしまった。そして今、発した言葉……この人がボス……


「大丈夫だ、お前はよく知っているだろ? 俺の能力を。それはいいとして歓迎会をもう一度するから料理の支度をしてくれ、もちろん手抜きで十分だ」


 仮面の男は帰ってきて早々指揮していくが、その中で誰も彼の右腕に言及しない。取り残され暇な僕は聞きづらいので心配しに来てくれたラナちゃんに尋ねると


「あぁ、なんか慣れちゃったからそんな感覚忘れてました。まぁ、見ているとわかりますよ」


 仮面の男の右腕を観察していると魔法の粒子が切られた腕の周りに集まり腕として急速に構成されていき最終的に腕として機能し始め何事もなかったかのように平然と指揮をしている。胸の傷もだ。落ちた腕の方は残念ながら見ていなかったためわからないが自然と消えていた。

 片づけは迅速で行われ料理のほうも先程よりは質素であるが十分すぎるものであり全く手伝わずにまた同じ形式の食卓を囲むことになりボスは僕を座らせ自分も僕の目の前の席に腰を下ろし初めてここで、


「紹介が遅れて申し訳ない、えぇっと……(この時……はまだ初めましてか)、私がこの革命軍の代表『サロウ』、盟約付きの不老不死者だ」



誤字・脱字があればご指摘お願いします。

意見・感想お待ちしております。

少々大幅改変しました。

文字数:3932文字

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