表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/27

いつからこうなってしまったんだろう?

夫とのことです。

二年弱つきあって結婚し、その約五年後に長男誕生。さらに二年後に長女誕生。その数か月後、長男2歳、長女8か月の時期に海外赴任。

なんとか、ケンカは時々してもワイワイとやっているつもりでした。が、この駐在生活の間にズレを感じてきていました。

いつからこうなってしまったんだろう。単身赴任で別居生活をスタートしたのが原因?いや、単身赴任を決定した時期、私はすでに限界を感じていました。

今回の癌のことが判明したときに、どうしてもっと仲良く暮らせなかったのかと後悔の気持ちがわきました。いまさら言っても仕方ないことなのですが、この人しかいないと思って結婚したはずの相手に不信感を抱いてしまったのは実にさみしいことです。


海外赴任して6年少々が経った頃のこと。

「また別の場所へ異動になった。ついてきてほしい。」

聞けば、今より不便で治安の悪い土地。すでにワンオペ育児を続けるには限界を感じていた時期にさらなる悪条件の土地へ行くことは無理を感じました。それでも、ゴルフさえ減らしてくれるならと打診したものの、速攻で却下されました。

「ゴルフを減らしてくれるならいいよ。」

「無理。俺はゴルフを減らすわけにはいかない。お客さんを取られたらどうするんだよ?接待も残業も休日出勤があることも今と変わらない。」

「はぁ?そんな状況で今より不便で治安の悪い土地についてこい?絶対反対!いくら何でも、ここまで毎週は迷惑!そんな状況だったらもう限界!日本に返して。地元に返して。悪いけど単身赴任して。」

私は、どうしてわかってくれないんだ、どうして無条件に不利な条件を飲まなければならないのかという思いで言い放っていました。

この会話の数日後、家族会議も開きましたが、単身赴任、母子帰国という形に決定しました。息子は夫と一緒にいたいけど、それだと私と娘だけで二人で帰国してしまうと思ったので、私の側についた(帰国を選んだ)と、後から聞きました。娘は、夫と離れたくない気持ちもあったけど、ゴルフばかり行っていることや、これ以上不便な土地に行くことは嫌だからと私の側につきました。

当時子供は小学三年生と一年生。まだまだ手がかかります。夫は仕事とはいえ、不在がちで、駐在員一家には珍しくないのですが、ワンオペ育児。同じマンションのママ友と助け合いながらの日々。平日の昼間はメイドさんがいるからまだ良かったのですが、夜にしろ休日にしろ、子供が怪我をしたり体調を崩したら、タクシーで現地の病院に走らなければなりません。そんな時、夫は必ず不在。

習い事の発表会や試合なども夫が同行できないので私がすべて対応しなければなりません。休日の学校や幼稚園などの行事も夫が同行できないことも多々ありました。周りのご家庭は、行事などだけは仕事に折り合いをつけて家族で参加している様子を見ると、とても悲しかったのを覚えています。

だからせめてゴルフをもう少しでいいから減らしてほしい、そしたらなんとか新しい土地でも頑張るから。と話してもゴルフのことだけは折り合わず。

確かに駐在生活は、経済的には余裕がありました。しかし、ワンオペ育児な上、何か言えば「文句があったら俺と同じだけ稼いで来い」とモラハラをしたり、夜中に帰ってきては眠っている私をベッドから引っ張り出して暴言を浴びせたりと、かなりのストレスを感じていて、何かと日本とは勝手が違う土地で、この状態で一緒にいることに限界を感じていました。もう、夫がいたら「ゴロゴロしてるだけでジャマ!」と思うし、いなければ「育児を押し付けて!」とイライラする毎日。そんな中での母子帰国および単身赴任は、怒りに任せた勢いもありましたが、離婚を言い渡されても文句は言えないと思いながら言い渡したことでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ