冬を前にして。
「2月にはもう東京に居ないかもしれない。」
夫が子供たちに向かってポソっとつぶやきました。現在は10月なのですが、4か月後には東京に居ないかもしれないということです。どういう意味かって?単身赴任中の夫が異動の話も出ていないのに、そういうことを言うというのは、つまり、今の仕事を辞める方向で考えているということです。しかも子供たちの前で言うということは、かなり意思が固まってきているように思います。
2月というのは息子の受験の時期。東京の大学も受験する予定なので、その際には夫の部屋に泊まるという話も出ているので、それで2月と言ったようです。
体調、仕事、家族。この要因が気持ちを転職へ向かわせている様子。
術後の体調がまだイマイチだというのに出張のペースも相変わらずで、年上の部下に囲まれて仕事をする日々。海外出張が多いので、パスポートは常に増刷。しかし、増刷は一度しかできないので、それでもページが足りなくなると、期限内であっても新しく更新しなければなりません。それも毎度のこと。そのペースが手術後の自宅療養を終えた直後からずっと続いているので、負担じゃないはずがありません。そして年上の部下。入社したときは夫の先輩だった人々。やりづらいことこの上ない。
仕事の事情もさながら、身体のほうは、腎臓を摘出した跡地である箇所に腸が入っているとのことですが、なにせ、内臓の移動は落ち着くまでに時間がかかります。いつも「しんどい」と言っています。
夫は東京勤務になってからはほぼ毎週、出張の前後だろうが何だろうが私たちがいる自宅に帰ってきます。誰も居ない部屋に帰ることがさみしいとのことで。一緒に住んでいた頃は、家族をほったらかしで仕事に没頭していたのですが、帰ってきて家族が家にいるだけでよかったようです。私たちが帰省している間、家に帰るとさみしいから、帰省を減らしてほしいと言っていたこともありました。もっとも、私は当時、ゴルフへの怒りで満ちていましたので、「ほったらかしのくせして何言ってんの!」と却下しましたが。そして今は別居の要因となった接待ゴルフに行くこともなく。
息子の受験のことだけではなく、夫の状況の変化も起こる冬を迎えることになるかもしれません。




