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いつか言い出すと思っていましたよ。

「ウチって今、どのくらい貯金あるんだっけ?」

「財形以外はそれほどだよ。こないだも車を一括で買ったところだし。」

貯金がいくらあるのかという問いは、家計を預かっている身としては毎回ながらギクっとします。

こっそりとブランド物を買いあさっているとか、そのようなことはしていないのですが、今は別作品でも触れている「すごいモノ」関係のサプリメントでけっこう遣っていて、その金額を夫に知らせていないためです。


「仕事やめて、カフェでもやれたらいいな。資金どのくらいあるかと思ってさ。保険金と合わせたらなんとかならないかなあ。」

「ガンの話が出た頃から、いつか言うと思っていたわよ。」

ええ。ええ。いつか言い出すと思っていましたよ。もともと飲食関係に興味がある夫。老後はのんびり喫茶店でも、などと若い頃からたびたび言っていましたから。とはいうものの、飲食関係がなかなか厳しいこと、うまくいかなければ今まで財形などで貯めたお金が消えるどころか借金が残るだろうことは予測がついているだろうから、夢として口にする程度。

しかし今はこのたびのガンで手にした保険金があるし、今もし会社を辞めたら退職金もそれなりの額だろう。そこへ会社の持ち株も合わせたら、とりあえず開業できるかもしれない。何よりも仕事の負担をかなり感じている昨今。まさにゴーサインが出そうな状況。


やりたいことを尊重したい気持ちはありますが、人当たりの悪い私がカフェのママをやるなんて、利益を損ねる気がしてならないし、何より夫がいなくなってからのことを思うと私がここでOKをする気にはなれません。

それにこれからさらに子供の学費がかかる数年間を控えています。頼むから夢だけにしておいてほしいと思う今日この頃です。

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