今更の涙。
手術の日がとうとう決定しました。
ショックだったのは腫瘍が大きくなっていたこと。そして、本当に摘出手術をしなくてはいけないんだということ。今はせめて、夫の前でだけは泣かないようにしようと思いました。我慢できずには泣いてしまう時があるかもしれませんが。
普段は泣き虫の私ですが、腫瘍のことを知ってからの5ヶ月間は、びっくりし過ぎていたのか、信じたくないからなのか、気が張っていたのか、ずっと涙が出ることがなく過ぎていました。手術の日が知らされた今日、初めて涙が滲んできました。悲しくて不安で、バスルームでシャワーの下で声を殺して泣きました。
一番泣きたいのは本人でしょう。そして、子供たちが知ったら泣くことでしょう。子供たちの不安が倍増するかもしれないと思うと、知らせてからも子供たちの前でも泣かない方が良いかも、とも思います。肝っ玉母ちゃんなら、どーんと構えて泣かないでしょうね。肝っ玉母ちゃんには程遠い私ですが、こっそり泣くことはあっても、せめて家族の前では泣かないようにしたいと思っています。
夫は自分で話すタイミングを窺っているようなので、任せてありますが、次の帰省はいよいよ手術の時だというのに、話すこともなく赴任先に帰って行きました。
口では「切れば大丈夫なんだろう?大したことないよ。」と言っていますが、言いづらいのでしょう。
手術の前々日に帰ってきて、翌朝から入院し、さらにその翌日に手術。入院日数は経過次第ということですが、最短でも一週間の入院。そして手術からしばらくは酸素マスクやら導尿やらで寝たきりな上、絶食の数日間になるそうです。話すこともままならないかもしれません。
この入院期間中に娘は高校の入学式を迎えます。息子は無事に高校三年生になり、いよいよ大学受験に臨むという勢いのついているこの中へ、夫の病状のカミングアウトという一石を投じる不安。不安やショックを与えたくなくてダンマリを決め込んできましたが、いざ言わなくてはいけないときを迎えると、子供たちの反応が心配です。
それに今まで黙っていたことに対して彼らは憤慨するかもしれません。さらに皮肉なことに、夫が手術の日を前倒ししたことで子供たちのお友達との春休みの旅行の直後になってしまったんです。二人とも手術当日には旅行から帰ってきているのですが、夫が帰ってくるのは子供たちが出発した後。もし旅行前に知らせたら、旅行を楽しんでこられるかと思うと、また話す気になれなくて。かといってこれを理由に行くなという気にもなれず。入金も済んでしまっているし、お友達との兼ね合いもあるので、行かせないのもかわいそうだしで、私が一人で抱え込んで悶々としているところです。