表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

空想科学 パニック 宇宙 SF

★★★彡 『黒い三連★』 「あれ? 一つ動いてない?」

作者: 山目 広介

 夏のある日、歯磨きしに洗面所へ行った。まー、いつも行っているが。


 洗面所は風呂の脱衣所も兼ねている。だからその隣は風呂だ。

 風呂場の戸が開いていた。乾燥させるために開けていたのだろう。

 その戸の隙間から風呂のタイルが覗く。

 壁に使われているのは正方形のピンクのタイル。

 だが、床は違う、丸い石のようだ。色も2種類ある。濃い緑と壁と同色のピンク。


 視力の悪い私にはこの緑色のモノが気に入らない。眼鏡がないと確認できないからだ。

 黒いアレに思えるからだ。

 しかも風呂によくいる。

 排水口から侵入したのかと考えて封鎖したりもした。

 が違った。

 窓の上にある換気口の横の隙間らしい。

 タイルの上から四か所、枠の角を留めている。

 その「辺」の所、無理やりだからか、少し隙間がある。

 奴らなら、通れるだろう。



 髪が長くなった時、髪を洗っていると髪がウロチョロとすると気になった。

 奴らに思えたからだ。

 実際にいたときには浴槽へと逃れてから、シャワーで熱湯攻撃。

 奴らも生物。

 タンパク質の変形からは逃れられない。

 火傷など、もっと分かりやすいのは玉子焼きとかかな。

 不可逆の変形。

 普通の部屋では使いにくいが風呂や台所のシンクとかなら出来る。

 問題は片づけだ。

 めんどくさい。



 そして冒頭。動くやつが見えたのだ。戸の隙間から。

 電灯の点いていない浴室、タイルの緑は黒く見える。

 三つ並んでいるように見えたものが、一つ動いた。

 とりあえず殺虫剤を用意。

 電灯を点け、周りを確認。目標(ターゲット)噴霧(ショット)


 殺虫剤だと即死はしない。

 暴れながらヤツはサンダルの陰に隠れる。

 出てきたところをもう一撃、オーバーキルだ!!


 しかし、もがき逃げる先に更に新たな標的(ターゲット)が現れた。

 バカな!? デカブツが2匹もだとぉ!!

 こんなことは初めてだ。だが、今この手には武器がある。


 てめぇも死ね! 噴霧噴霧!!


 まさか、二匹も同時展開するとは!

 だが、固まっていたことが敗因だ!


 そうこうするうちに二手に分かれた。

 元気な方に追撃だ。


 洗剤のボトルの陰に逃げるヤツ。

 そこで、さらに更に角から現れた第三の刺客!


 さ、三匹目だとぉ!!


 慌て逃げ惑っている奴では無い。動きがゆっくりだ。別の奴だ。


 ここは魔窟かぁ!


 もう一度噴霧ぅううう!!!!




 ついでに見えない部分にも噴霧しておいた。新たに死角にいても死滅するぐらい。


 この後、姉が風呂に行くだろう。退治はしたのだ、片づけは任せよう。


 そして私は、そっと扉を閉ざし、その場を後にした。

 あっ、歯は磨いたよ。

 それからガサゴソと密室からの物音がしばらく続くのだった。

 物音だけで鳥肌が立ちそうだ。





 因みに「俺を踏み台にした」ような行為は出来なかった。

 だってアレを踏みつけるんだろぉ? そんな無理!




そして姉の叫びが響き渡る。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 誰しも恐怖する…… 魔王を怖がらない子供も大人も。 [気になる点] (^^; 失礼。 似たような経験はありますが…… 私なら踏みつけます。 お姉さんに悪いですよ。 [一言] 今夜が蒸し暑く…
2018/09/24 21:27 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ