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デウス・エクス・マキナ シーズン2 2000年の悠久の時  作者: 白築 える
絶対強者、未来に希望を託して
22/26

5-1




皆が部屋に帰ってからエルランディア(マキナ)は魔導炉の出力設定とリミッターの設定を見直していた。


「出力は常に100%で、魔導炉の最大許容量を1700までオーバークロック。冷却系魔術起動」

“自己保存領域からロード完了。フリーズ”

“魔導炉に適応中……完了”


魔導炉をオーバークロックしたことにより魔導炉の発熱が更に上ってしまったため冷却系の魔術で対応する。

出力は先の模擬戦で意図的に下げていると魔導炉の魔力生成量に響いてしまうのが分かったため常に100%にした。

このままでは魔力がダダ漏れ状態になるため、体の表面に沿って薄い空間属性のシールドを張り巡らせる。

防御には使えないが、魔力を漏らすことはない。


「さて、念には念を入れてDEMモジュールとEM変換装置を直結させてっと」

“回路バイパス完了”

「スリープに移行。明日の8時に起こして。後メアリーが侵入してきたら遊撃しておいて」

“了解。スリープへ移行”




「ふっふっふのふ。マキナ様と同じホテルに移動してきたのです! 早速マキナ様のお部屋に……ぐふふ……添い寝とか添い寝とか! 隙きあらば既成事実!」


メアリーはマキナの部屋へ向かうと扉の電子ロックをハッキングし始めた。


「きっせいじじつ! きっせいじじつ~♪」


扉の電子ロックが緑に変わり解錠音が聞こえてきた。

これから遊園地に行く子供のようなテンションで部屋に足を踏み入れた時。


“自己保存領域からロード完了。ウィンドバレット”

「ふが! ぶべ!?」


油断したメアリーに魔法が前段当たり廊下へと吹き飛ばされたのである。

ホテルに影響が出ないようにマキナギアは弱め(・・)の魔法を行使したのだ。


「ぐぬぬ……ここで負けるわけには! とりゃあ!」

“自己保存領域からロード完了。アイスストーム”

「さぶい…! この程度……マキナ様の愛に比べれば!」

“自己保存領域からロード完了。マナ・ドレイン”

「力が吸われるのぉ……。これは……ギブ。あふん」

“鎮圧完了”


翌朝マキナが起きると、部屋とベッドの中間辺りで倒れているメアリーの姿があった。

往復ビンタでメアリーを叩き起こすと一応理由を聞いた。


「理由を聞こうか」

「えっとですね、最初は添い寝で……」

「それで? 本音は?」

「既成事実! へぶし!」


デコピンを加減しつつメアリーが耐えられる限界でくらわせた。

額が赤くなり若干涙目になりつつ額をおさえている。

そのままメアリーを掴むと外へ放り出した。


「さて、マキナギア。DEM001BTの魔力パターンは記録しているな?」

“肯定”

「広域レーダー起動。目的DEM001BTをスキャン」

“スキャン中……完了”

“三次元マップ展開、プロット完了”

「さて、私の為のお礼参りに行こうじゃないか。皆を集合させて」

“了解。ショートメール送信完了”


メールが送られた数秒後メアリーが自室の如くまた入ってきた。

片手にはメールの本文が表示されたスマートフォンが握られており、もう片方の手は額をおさえていた。


「マキナ様の居るところに私有り! 居ないところにも私が行く! その名も愛の神官……」

「うるさい」

「……すみません」


真顔でマキナに言われて少し凹んだメアリー。

しかし、3歩歩けば忘れるかのように直ぐにマキナに近寄りスリスリし始めた。

そこへシュペル、ダリア、アリサが空いている扉から中を覗き込んでいた。


「キマシタワー!」

「仲が良いことは良いことだぞ!」

「マキナさんにそんな趣味が……」


小声で話していたようだがマキナの耳にはハッキリと聞こえていた。

だがこれから話すこともあるので、さっさと部屋へ招き入れる。


「これから少女改めDEM001BTに強襲をかける。おそらく先程の広域レーダーで逆探知されているはずだ。敵の猛攻が予想される、各自全火力を持って掃討せよ」

「わかりました! マキナ様!」

「もう皆エルランディアって呼んでないな。俺も了解だぜマキナ」

「俺の筋トレの成果を見せてやる!」

「マキナさんよろしくおねがいします」

「では移動開始だ。DEM001BTが居るエリアは転移ができないようだ。近くの通路へ転移する。皆固まれ」


全員がマキナの側によると転移を開始した。

一瞬にして景色が変わりどこかの通路内へと転移した5人。

蛍光灯で照らされており最奥はかなりの距離があることがわかる。


“警告。高魔力検知”

「敵さんが着たぞ。戦闘開始だ」


通路に魔導機械が続々と転移してくる。

あっという間に奥が見えないほどの魔導機械に覆い尽くされる。

ダリアは半フェンリル化し、マキナは魔導式LSRを取り出した。

魔導式LSRは70口径の魔弾を撃ち出すライフルである。


「いくぞ!」

“魔導式LSRとのリンク確立。レティクルを表示”


銃声が通路内に鳴り響き、各自が行動を始めた。

一発目の魔弾で先頭に居た魔導機械は大破貫通し、計13体を戦闘不能に追い込んだ。

ダリアもそれに続き白い爪で魔導機械達を切り裂いていく。

通路は横10メートルと意外と広い構造になっており、後衛の3人は魔法を放つのに困らない。


「炎よ逆巻き槍となれ。ファイヤーランス!」

「亡者ヨ、耳ヲ傾ケヨ。深淵カラ我ノ敵ヲ飲ミ込メ。アンデスホール」

「グラビティエリア!」


炎の槍が何本も生成され魔導機械を一体一体撃ち抜いていく。

その横では地面から腕が生え魔導機械達を一気に飲み込んでいき、シュペルのグラビティエリアにより地面に押し込まれあっという間に通路の一角に空間が空いた。


“ATS起動。高周波ブレード”

“近接戦闘プロファイル適応”


マキナはその一角へ飛び込んでいき、高周波ブレードを振るう。

そのたびに魔導機械は両断され、機能を停止する。

出力100%のマキナに翻弄される魔導機械達。

たまにマキナの動きに反応するタイプが混ざっていたが、反応しても分厚い壁さえ切り裂く高周波ブレードの前では意味をなさなかった。


「さて、ここで問題です。魔導機械はどうやって動いているでしょう?」

「それは周りの魔力を取り込みエネルギーに変えているでしょうか」

「アリサ様あたりです! ではなくしてしまったらどうなるでしょう」

「動かなくなるってことだな!」

「その通り! マキナ様は魔導炉内で魔力が循環しているので関係ないので3人で一気に広域に結界を張りましょう」


メアリーは靴のつま先を2回地面にトントンとつつくと、つま先から刃が出てきた。

靴にもギミックを仕込んでいるメアリーはその刃で通路の地面に魔法陣を彫り込んでいく。

その間にもダリアとマキナが数を減らしているが、次から次へと転移してくる魔導機械。

だが殲滅速度の方が早いため囲まれるということにはなっていない。


「できました! さあ魔力を込めて!」


3人は魔力を魔法陣に込めると魔法陣が発光し当たりに魔力遮断結界が展開されていく。

魔力遮断結界起点である魔法陣から魔力を押しのけながら広がるため魔力が全く存在しない空間ができあがる。


それに触れた魔導機械は機能不全を起こし、その場に停止する。

それをダリアとマキナが破壊していく。


10分ほど通路に居た魔導機械と転移してくる魔導機械を相手にしていると、魔導機械の転移が打ち止めになった。

それを機にマキナはダリアに後退指示を出した。


「ダリア下がれ。魔導式AVA」

“ATS起動。魔導式AVA”

“駆動プロファイル変更。射撃モード”

“魔導式AVAとリンクを確立”

“ATS起動。フォトンウィング”


5メートルにも匹敵するガトリングガンがマキナの腕に転送されてきた。

70口径の魔弾の嵐が魔導機械を直撃する。

斉射から20秒ほどで通路にガラクタが出来上がった。


「さて、奥に進むぞ」

「了解!」

「マキナ様~待ってください~!」


後衛にいた3人もマキナを追いかけ奥へと進んでいった。




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