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色の名前

アリス

作者: せみまる


あれから どのくらいの時間がたったかな

君の記憶はこんなに大きくなりました

そちらはどうかな 元気にしてるかな

こちらは何とかやってるよ どうか心配しないで


「大丈夫」「聴こえない」

そんな嘘で見えなくした未来

僕たち以外汚れ切った世界

その隅っこで春を待ったっけ


もうきっと二度と見れない夢


目を閉じればよみがえる鮮やかな色が僕の背中を押すんだ



君が泣いたあの夜も 君と迎えたあの朝も

今では全部思い出

もう戻れない、だから輝くのかな?


できればずっと隣にいたかった

やっぱり、やっぱり。


それはやっぱり、きみだった。



あれからどのくらいの夜を過ごしたかな

君がいないとこんなにつらいものなんて

そちらはどうかな 泣いていないかな

こちらは何とかやってるよ 君もおいでよ


…………なんてね


「愛してる」「ご存じです」

言葉を繋いで選んだ未来

僕たちがいた確かな証明

唯一の日々に生きる僕らは笑いあう


もうきっと二度と行けない過去


目の前で眠るもう一人の「君」の寝息にため息だ



(どうして?)



君と見たあの雪も 君が笑った晴れの日も

今では全部思い出

もう戻れない、だから輝くのかな?


できれば手を繋いでいたかった

やっぱり、


それはやっぱり……



世界が恐いと泣く「君」に僕は何を言ったらいいのかな

分からないよ

ただ、抱き締めることしかできないよ


ねえ、


どうして?



君の色が欲しいんだ。その美しい音が欲しいんだ。

思い? だせ? ないよ

それでも僕は汚い世界を精一杯描いてく


あの日見たあの色が あの日聴いたあの音が

「君」の薄紫色が

大丈夫だ、なんて無責任に笑う

わかったよ 前向くよ


ありがとう。



それはやっぱり、きみだった。



アリスとはアリスホワイトを意味し、冷えきった氷のような青みがかった白をさします。

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