第二戦
白銀学園に着くとすぐに校門のところで電子生徒手帳が配られた。
「これは個人で丁重に保管して下さい。学校からの連絡はほとんどこちらから行います。分からない事があればそちらで検索してください。以上です。
次の方!…………これは個人で……」
「冷たい教師たちやなー。」
「そんなもんだろ。これスマホ感覚で大丈夫だな。」
「見て!私達クラス同じだよ。」
優実の電子生徒手帳には『1-6生徒名簿』と書かれている。
確かに同じクラスだ。
清水大地、高橋空、橘優実。
「担任は、高橋雪。雪姉だって!良かったね空。」
「別に姉貴でも関係ないだろ。」
「そないなこといっても、顔にやけてるで。」
「なっ!いつもニヤニヤしてるお前に言われたくない!」
確かに担任が知り合いというのはいろいろと楽なはずだ。
優実と大地が笑う。
「ほら、早く教室に行くぞ。今日中にいろいろしなくちゃだろ!」
「まぁそうやな、ほな行こか。」
教室に入ると他の生徒はほとんど集まっていた。
電子生徒手帳を難しい顔で見る女子。
後ろの席の者と喋る男子たち。
「俺の席は後ろから二番目だな。よし良いところだ。」
「私は空の後ろだね。」
「ワイは空の左やな。ほいじゃあ席に着いてこれからの予定でも確認しようや。」
「ほらあんたたち、早く自分の席に着きなさい。」
「「「痛っ」」」
急に後ろに現れた担任に頭を出席簿で叩かれる。
しぶしぶ自分の席に着く。
「はーい、皆席に着いてー。
じゃあまずは自己紹介からだね。名前は皆名簿で見たと思うけど。あなたたちの担任の高橋雪です。よろしくね。」
うわぁ、思わずため息が出るわ。
なにがよろしくねだ。星が見えたわ。
なんで実の姉のあんな姿を見ないといけないんだか。
「じゃあ次はあなたたちね。出席番号一番から自己紹介よろしくー。」
黒髪で長髪の女が立って自己紹介を始めた。後ろから見ても綺麗な女だ。優実とは違った可愛いさ、いや美しさがあるといった方が正しいかもしれない。
「はい。出席番号一番の朱美菜々子です。よろしくお願いします。」
クラスから静かに拍手がおこる。空も適当に拍手しておく。大地なんてもう寝てやがる。