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勇者と姫のそれから  作者: べるこさん
第2章 地球編
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お待たせしました。投降再開です。

ちなみに今日から仕事でした。

疲れました。今日はもう寝ます!

退院した 翌日は学校を休んだ。体には異常がないのだから 行ってもよかったのだが、皆に止められたのだ。

その日 マリアも学校を休もうとしたが 休む理由はないと 行かせた。最後まで抵抗を見せたのだが迎えに来た遥と踊子さんに引きずられるようにして 学校へと向う。


家に残った シオンさんとサヤに 期せずして時間ができたため この世界の授業をする事にする。

俺の部屋に 三人で入り 一言


「勉強をします!」


「はい?」


二人はキョトンとしている。


「二人は この世界に来て数日たつわけだけど 俺が倒れたりして 色々と説明できてない所もあると思うので」


そこで ようやく納得がいった様子で頷き 更に話を進める。まずは 魔法の事を話さなければならないだろう。


「この世界には 魔法はありません」


それを聞いたシオンさんは 不思議そうに尋ねてきた。


「ですが、踊子さんでしたか?彼女は魔法が使えるようでしたが?」


「彼女は 使えます。この世界にも魔法を使える人は 僅かに居ますが 人口比から考えれば 魔法はないと言っても差し支えないし使えない人達は魔法の存在を知らない上に 信じてもいません」


マリアのときと同じようにパソコンを起動して 『魔女裁判』や『魔女狩り』などのキーワードで画像検索をする。

生きたまま磔にされ焼かれたり 何本もの竹槍で身体中を突き刺されている少女の画像を見て二人は口を手で押さえ目をそらした。


「この絵は数百年前に本当にあったことだと言われているんだ・・・・・」


少女達は魔女と言われ殺されているが実は魔法など使えないただの人間であることや、

(もしかしたら 本当に魔女だったもしれないが)

権力者や一般人に至るまで 自分達より優れた力や自分達とは違う者を迫害し排除しようとする心理が働いた事。

そう言った真理は 現代でも働き 異物を除外しようとする傾向があることなど

ざっと 説明した。


「だから、魔法など存在しないと信じられている世界で 魔法を使う事は極めて危険な事だと思うんだ。WWAって言う 魔法を使える人たちの団体があるんだけど そこでも 魔法は使わないようにと 決められているようだし、先人の知恵には倣っておく方が良いと思うんだ」


シオンさんは一応 納得したようだがサヤは 震えている。

そんなに この画像が怖かったのだろうか?


「だったら・・・・だったら 私はどうすればいいのかしら・・・・」


「何が?」


「この世界で 医者と名乗るには資格がいることは聞いたわ。そのための学校へも行かせてもらえると・・・・だけど それまでに 医者が必要な人を見かけたらどうすれば良いのかしら?その時 その人を救えるのが私だけだったら?私は私の身を守るために その人を見捨てなければならないのかしら・・・・私には・・・・私には そんなこと・・・・」


サヤは やはりサヤなんだ。だから 俺はこの人を好きになったんだと思う。

そっと サヤを抱き締め囁く。


「その時は 魔法を使えばいいさ。もしそれで サヤが迫害を受けるなら俺がサヤを守ってみせるよ!」


「・・・・ナオキさん」


サヤは潤んだ目で顔を上げ 見詰め合い自然と顔と顔を寄せ合い唇を重ねようとしたとき


「コホン」


サヤを愛おしく思うあまり 二人の世界にのめり込んでしまったが ここにはシオンさんも居たのだ。二人で振り向くと シオンさんは微妙な表情で見ていた。怒っている訳ではないようだが この辺りが俺とマリア サヤ シオンさんの関係を如実に物語っているような気がする。

と、冷静に解説してみたものの 恥ずかしいものは恥ずかしい・・・・。


「お二人の気持ちは 分かりますが できればそう言ったことはお二人だけのときにしてください。それと・・・・それと・・・・私にもナオキ様の・・・・その・・・・ご寵愛をいただければ 文句はありません」


ご寵愛って・・・・。

この世界で それで良いのかは分からないけど 皆を同じように愛するって 本当に難しい。


その後 生暖かい空気の中 更に授業を進め この世界の常識について説明をした。特にサヤは 医大に行く事もあり 絶対に必要なはずなのでパソコンの基本的な使い方も教えることにする。

手取り足取り イチャイチャしながら教えてあげよう!


翌日

俺は自室の扉の前に立たされていた。

と言っても 女性陣の下着を盗んだとか スーハーしていたのがバレたとかではない。

いや、決してそんな事をしたことはないですよ・・・・本当に・・・・。

では、何故 立たされているかと言うと 俺の部屋で女性陣が着替えているからだ。シオンさんとサヤは違う部屋をあてがわれているが 初めて着る服なのでマリアと共にお着替え中なのだ。


「いいですよ」


マリアの声を聞き 静かに扉を開くと 眩い光に目を細める。神々しいと言っても過言ではないほどだ。

まあ、本当に眩しいわけではないのだけど。

そこに立っていたのは 制服姿の・・・・・セーラー服を着た マリアとシオンさんが立っていた。

セーラー サイコーーーー!

サヤは 俺が シオンさんを見詰め涎を垂らしそうなほど呆然としている姿を見て 何だかつまらなそうに 呟いた。


「私も それ 着たかったわ」


「サヤが着るとコスプレみたいになるかも・・・・でも ちょっと 見てみたいかな?」


マリアとシオンさんは 俺と同じ年で 美少女と言う感じだが シオンさんは俺達より 年上で 今は二十歳、美少女の殻を割り 美人 美女と言った大人の魅力を醸し出している。大人の女性のサヤがセーラーを着れば それこそ パソコンの深い階層にある隠しフォルダーの中の お宝動画の中に出てくるお姉さんのようにも見えてしまう。それはそれで 見てみたいのだが・・・・。

だって 健全な男の子なんだもん!


「コスプレ?」


聞いたことのない単語にサヤは首を捻る。


「コスプレとは この国の文化の一つだよ!カルチャーだよ!!」


サブの付くカルチャーだけど・・・・。

そうこうしていると チャイムが鳴り こまちの叫び声が聞こえてきた。


「おにーちゃーん!はるちゃんと踊子先輩が来たわよ~~~~!」


そうして、シオンさんの初登校は 始まったのだが 俺には一つ 懸案事項があっる。


「直輝は何をそんなに ソワソワ キョロキョロしてるのよ?ちょっと 気持ち悪いわよ」


「気持ち悪いって 酷いな・・・・訳が有るんだよ!」


「大事そうに鞄を抱えて、何?大金でも入ってるわけ?」


遥は 笑いながら言ったが 実は俺の鞄の中には大金が入っている。金額にして 1000万円!

出雲さんに貰ったお金で 金額にビビり 返そうと思い持ってきたのだが もう、すれ違う人 全てが悪人に見えてくるから不思議だ。

耳元で 事情を囁くと 遥まで急に 緊張した様子で 手と足が一緒に出てきていた。

良かった・・・・遥も俺と同じ人種らしい。

最初は踊子さんに渡そうとしたのだが


「兄上が差し上げたものを私が受けとることはできません」


と、固持された。確かに 出雲さんに直接返すのが筋と言うものだろう。

だけど 1000万を持って歩くなんて チビりそうだ。格好つけずに無理にでも踊子さんに押し付ければと 後悔する。


なんとか無事に学校には到着したが冷や汗で体重が3キロは軽くなったような気がした。

遥とマリアは先に教室に向かい 俺とシオンさん 踊子さんは生徒会長室に向かう。

ノックをして 返事を待ってから部屋に入ると出雲さんは イライラした様子で 机の上の書類と格闘していた。一瞬 こちらを見て すぐに書類に 目を戻す。


「すまないな。今 事務処理が忙しくて、何処かの誰かさんが 派手に魔法を使ってくれたおかげで 誤魔化すのが大変なんだ」


「はははは・・・・何処の誰でしょうね・・・・」


「ちっ」


出雲さんは 舌打ちしながら 俺を睨みつけ また書類へと視線を落とした。


「で、今日は何の用だ?」


「シオンさんの手続きと それと例の取引についてなんですが・・・・」


出雲さんは 慌てた様子で立ち上がる。


「なんだ、取引は成立したはずだ!剣は返さんぞ。それとも追加要求か?まあ、多少の事なら融通は利くが あまり強請りのような事は感心しないぞ」


「いや、違うんです。そうじゃなくて」


「だったら、何だ?」


「その これ返します」


言いながら 鞄から 紙袋に入れた1000万円を机の上に置いた。出雲さんは 紙袋を開け中を確認すると こちらを見詰めながら口を開いた。


「どういうことだ?もう一度言うが 剣は返せないぞ」


「剣は いいんです。資金援助して欲しいって言ったのは 俺ですがさすがに 貰って良い額じゃないと思って・・・・だから これは返します」


出雲さんは 安心しホッとしたようだがすぐに 居住まいを正す。


「あの剣の価値に見合った額を 家やその他の物も含め渡したつもりだ。君は 額を気にする必要はないぞ」


「そりゃあ 出雲さんにしてみれば 端金(はしたがね)かもしれませんが俺にとっては 大金ですよ。はい 分かりましたと受け取れる金額じゃないです」


途端に出雲さんの表情は険しくなる。


「端金とはなんだ!怒るぞ?確かに うちの家は資産家だし 俺自身も既にいくつかの企業を経営している。俗に言う 金持ちだ。だがな 金持ちであるからこそ 金の価値を十分理解しているのだ。1000万がどれだけの金額かは 君以上に分かっているつもりだ。では 聞くが あの家を維持していくのにどれだけの金がかかるか 分かっているか?光熱費は?食費は?君が 放課後バイトでもして稼いだ金で 賄えるとでも思っているのか?それこそ 生活すると言う事を舐めているぞ!」


出雲さんの言に返す言葉もない。異世界貿易とか言っていたが 実際どれだけ稼げるかなんて 調べもしていない。望さんの店で指輪が売れたのだって 色を付けた金額だった訳だし・・・・出雲さんの言うように 舐めていたのかもしれないが、だからと言って・・・・だからこそ 簡単に受け取って良い金額じゃないはずだ。


「すみませんでした。だけど だからこそ 剣一本で簡単に受け取って 良い金額じゃないと思うんです」


「おかしなものだな、家はハイ分かりましたと受け取っておいて・・・・まあ いい・・・・」


そこで、出雲さんは少し 考えに耽った。そして 大量にある書類の中から 紐で纏められた紙の束を見つけだし パラパラと確認している。既に湯気も立たず冷め切っているであろう珈琲で 口を潤した後 静かに 口を開いた。


「では、こうしよう。俺は今から 君にある依頼をする。その報酬として この金を君に渡そう。もちろん 俺が考えるに 1000万に相当する仕事だし 危険もある。それでどうだ?」


依頼を受け報酬として金を貰うなら 落とし所としては 無難だろう。しかし 危険があると・・・・1000万円に相当する危険って・・・・。


「内容を聞いてから判断しても良いですか?」


「もちろんだ」


先程、見つけた書類の束を 机の上を滑らせ俺へと渡す。書類の中を ざっと確認し終わると出雲さんは 概要を説明しだす。


「最近 この界隈に出没している野犬による被害は知っているか?」


「はい」


テレビのワイドショーや 新聞を賑わしているネタで、野犬が群れをなし人を襲うと言うものだ。しかし 目撃者は被害者しか居らず 噛み痕や生きていた被害者の話から 大型犬の群れに襲われたということが判明した。そう・・・・生きていた被害者・・・・つまりは 被害にあった者のほとんどが死亡している。警察や地元の自警団により見回りを強化し 更に大型犬の群れで目立つにもかかわらず何処から現れ 何処へ逃げていくのかも全く不明・・・・その謎めいた生態と被害者が死亡している事から 最近大きく報じられているのだ。


「報道では野犬となっているし 被害者もそう言ってるが 被害現場には魔力の反応が観測されているのだよ」


「それって・・・・?」


「何時ぞや 公園で君たちを襲った あの魔力生命体の可能性が高い」


出雲さんは どこかのゲンドウさんのように 机に肘を付き口元で手を組み鋭い眼光で俺を見詰めていた。




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