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お姉さんが 汗を拭いながら やりきったと言った顔をしながら出てきた。
「お姉さん 久しぶりに燃えたわ。今までで一番の仕事だと自負しています。どんなのを選んだかは 脱がすときのお楽しみね☆」
☆ じゃねーよ!
まあ そのうち 脱がす事もあるのだろうけど・・・・。
はい。すみません。
楽しみにしておきます!!
自分に素直にならなきゃね☆
「ところで、今回 三人分だし結構 値段のほうが・・・・。大丈夫?」
「多分 大丈夫です。おいくらですか?」
「コスプレちゃんと お姉さんは また手持ちの下着がないって言うし マリアちゃんの追加も足して 20点で 合計10万を少し超えちゃうの・・・・店長が まとめ買いだしサービスで10万ちょうどで良いって言ってるんだけど 払える?」
「それなら 大丈夫です」
封筒から 指輪を売った時のお金を出し お姉さんに10万円を手渡す。しかし 予想はしていたが 結構かかるな。服やら靴やら 二人分を買っていったら この100万円もすぐになくなりそうだ。改めて生活すると言う事にどれだけお金がかかるのか痛感し 父母には感謝の念に堪えない。
だが、その生活もまだ始まってすらいないと考えれば まだまだお金はかかるし定期的な収入があるわけでもない。
念のために 向こうの道具をいくつか 買ってきておいて良かった。いくらで売れるかは分からないが 望さんの店に世話になるか・・・・。
お会計を済ませ マリアはホクホク顔で シオンさんとサヤは ゲッソリして出てきた。
それでもサヤは俺の顔を見ると嬉しそうに言った。
「ナオキさん こちらの下着は凄いのよ!胸が一回り大きくなった感じなの」
「そ、そう・・・・。それは良かったね」
寄せて上げてって言うやつですね。サヤの胸は決して小さい訳ではないが マリアやシオンさんに比べると多少見劣りがする。俺は別に気にしてはいないのだが サヤも女性なので 気になっていたのだろう。
その後 マリアの先導により前回の行った服屋さんにも来た。
「いらっしゃいませ。また来てくれたのね」
前回と同じお姉さんが また 対応してくれた。お姉さんは シオンさんとサヤを見て 俺に小声で話しかけてくる。
「ねえ 君は意外にモテるのかな?もしかして お金持ちのボンボンとか?でなかったら あっちのほうが 凄いとか?私も仲間に入れてもらおうかしら・・・・」
「俺は 金持ちじゃないですよ。それと あっちって どっちですか?」
白々しく聞くと お姉さんはニヤニヤしながら近づき
「もぅ 子供じゃないのだから 分かってるのでしょ?」
体を擦り付け 耳元で囁かれる。
お姉さんは エロだ!このお姉さんはエロだ!!
見も心もお姉さんに委ねそうになったとき 三人に腕を掴まれ 引き離された。
「ナオキさん!そんなに したいのでしたら 私たちがお相手いたします!」
「アハハハ あなた達も意外に大胆なのね。冗談よ、彼氏を寝取ったりしないから 安心して!」
マリアは今更ながら自分の発言に気付き真っ赤になっている。嬉しいし言葉だが ハッキリ言われるとこちらまで照れてしまう。
と、兎に角だ!買い物 買い物!
「任せておいて!」
お姉さんは 力強い言葉を残し三人を連れて店内に消えていった。一度来たことがあるとはいえ やはりこの店内で 男 一人取り残されると 居心地が悪い。シオンさんと離れたのにも関わらず 視線を感じる。
30分以上かかり ようやく呼ばれ フィッティングルームへ移動し そこでは 三人のファッションショーが、始まった。
三人の可愛さ美しさに目を奪われ 今までの 居心地の悪さも忘れ 堪能することができた。
「如何でしょうか?」
三人は恥じらいながら 試着した服を見せてくる。三人とも イイ!
さすがは 俺の嫁達だ!
「三人とも 凄く似合っているよ!」
「ありがとうございます・・・・」
恥じらいながら 答える姿は更なる加点ポイントだ。俺が お会計をしていると 三人はやって来た。まあ、予想はしていたがシオンさんは メイド服に戻っていた。メイド服姿も嫌いではない 寧ろ好物と言ってもいいが さすがに この世界 しかも外では・・・・だ。
三人分の買い物となると 結構な時間がかかり 既に昼をまわっていた。
「昼御飯にしようか?」
「そうですね。ナオキさん また、あのお店に行ってみたいのですが」
マリアの言っているあのお店とは 前に来たときに食べた ハンバーガー屋さんのことだろう。お金の節約を考えれば 安くあがるファーストフードは助かる。
「それじゃあ そうしようか」
「はい!」
マリアは 元気よく返事をし 二人にこれから行く店の説明を嬉しそうにしている。
フードコートに着き 席を取った後 マリアを連れてハンバーガーのセットを注文した。
「セットのお飲み物は?」
との お店のお姉さんの質問に
「コーラ!」
そう注文しているマリアが ニヤニヤしていたことは 見なかったことにしておこう。
席に戻り食事を始めるが マリアはずっとニヤケながら 二人をチラチラと見ている。どうもマリアには賭け事の才能は無いようだ。ポーカーフェイスという言葉を知らないらしい。これでは 二人は何かあると警戒するだろうに・・・・。
ピリピリした空気の中 食事は進み ついにその時は来た!二人は同時にコーラのカップを持ち 同時にストローに口をつけた。マリアを見ると キラキラ・・・・いや、ギラギラした目で二人を見ている。二人は不信に思いながらも コーラを吸い上げた。
その時!
二人は同時に 吹き出した・・・・。
一気に吸い込んだコーラの炭酸は 口の中で発泡し驚いた二人は これまた、同時に吹き出した。
俺の顔 目掛けて・・・・。
何処かの異世界に行った 兄妹 曰く 『ご褒美』らしいが これは ちょっと・・・・。決して 悪くは・・・・悪くはないのだけど
・・・・ベタベタする。
「も、申し訳ありません!」
「ごめんなさい!大丈夫?」
二人は あたふた しながら謝り マリアはと言えば
「どうですか?驚きましたか?」
と、嬉しそうだ。
「大丈夫!大丈夫だから 気にしないで。でも ちょっと 洗ってくるよ」
そう言い残し 席を立つ。先ほどから 俺たちのことをじっと 見ていた 五人の若者を引き連れて・・・・。
トイレに入り、手と顔を洗っていると 四人の男と一人の女が雪崩れ込んで来た。男の一人は手慣れた様子で 用具入れから 掃除中の黄色い看板を取りだし 入り口に置く。
残った三人で俺を取囲み 女は少し離れたところで 壁にもたれ 退屈そうに スマホを弄っている。
取り囲んだ男の一人が 近づき
「なぁ ちょっと金 貸してくれよ」
「はあ?何で?」
「俺達 遊ぶ金に困っててさぁ~ お前 封筒に 大金 入れてただろ?見てたんだよ。これも人助けだと 思ってさぁ」
「いや、だから 見ず知らずのお前たちを 俺が 助けないと いけないんだ?」
「お前 分かってねーな!お前の その金があったら しばらく 他の可愛い坊や達から借りなくてすむだろ?」
こいつらの手際の良さから考えても ここで 常習的にカツアゲしてるのだろう。ここは やっぱり勇者としては キツいお仕置きを与えるべきなのかな?
「ね~ まだなの?そんなの 一発 くれてやったら いいじゃない」
壁際の ケバい女が 退屈そうに言った。
「なぁ あいつ怒らすと怖いんだよ。だから さっさと出してくれるかな?」
「無理ですよ。行きますから 道を空けてもらえますか?」
「痛い思いをする前に 出せよ」
男は痺れを切らしたのか 豹変しズボンのポケットから 折りたたみのナイフを取り出し俺の顔に近づける。
「で?」
「お、脅しじゃねえぞ!」
俺があまりに平然としているので 逆に脅しているほうが怯んだ。
俺は 男のナイフを持った手を掴み 手首を反対に捻り上げ 極める。一瞬の出来事と 手首に走る激痛で男はあっけなく 手に持ったナイフを手放した。
ナイフの刃を持ち そのまま壁際の女へ投擲すると 女の首筋ギリギリの所の壁に突き刺さる。女は 何が起こったのかまったく理解できなかったが 耳元で何か音がしたことに気づき 寄りかかった壁を振り返り見ると コンクリートの壁に ナイフの刃渡りの半分ほどが突き刺さった状態を目の当たりにする。そこで ようやく自分にナイフを投げられたことが分かりその場にしゃがみ込んでしまった。
男たちも 何が起こったのか 分からないでいる。手首を極めた男をそのままの体勢で トイレの奥へと連れ込むと 残りの二人も 何か叫びながら 追いかけてきた。
・・・・・・・・・・
1分もしないうちに 男たちは 大便器の中に顔を突っ込まれていた。
アワアワしている女も 哀れなのだが ここは人生の厳しさを教えることは彼女のためでもあるだろう。少しの殺気を乗せ 女を睨むと 「ひぃっ」と小さく悲鳴を上げ 失禁してしまった。
ここがトイレでよかった・・・・。
「おい!まだかよ?」
言いながら 見張りをしていた男が トイレの中へと入ってくるが 仲間の惨状を見るや表情が変わる。
「お、お前がやったのか・・・・?」
答えの代わりに殺気を込め 男を睨む。
「や、やめろ・・・・来るな!!!!!」
男は手首にはめたブレスレットを反対の手で握り 俺に向け手をかざす。
周囲の温度が一気に下がる。
そして 俺に目掛けて 冷気が襲い掛かってきた。
これは・・・・・
魔法?




