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勇者と姫のそれから  作者: べるこさん
第2章 地球編
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ただいま 旅行中のため 投稿が遅れました。申し訳ありません。

次話は8/2くらいを予定しております。今後ともよろしくお願いします。

連れてこられたのは 俺の家と学校の丁度 中間くらいにある 分譲マンションの一室だった。間取りは4LDKで ファミリー向けマンションのようだ。出雲兄妹の住む高級マンションと言うほどではないが 決して安い物でもないだろう。一般庶民からすれば 一生に一度の買い物で購入する物だと思われる。


「あ、あの・・・・ここって 分譲ですよね?そ、その お高いんじゃ?」


「うむ・・・・中古で3000万ほどだったか?君とマリアさんを監視するために買ったのだがな 必要なくなったので 君にくれてやろう」


「えっと・・・・剣 一本ですよ?本当に良いのですか?」


「この剣は それ以上の価値がある。いや、高々3000万でこれを買えたと思ったら 安いものだ。君には感謝するよ」


んーーー・・・・。そこまで感謝されると かえって恐縮してしまう。1万円と3000万円を交換して喜んでもらっているのだから。


・・・・・でも


「だったら もう少しお願いを聞いてもらっても良いですか?」


「言ってみたまえ」


出雲さんは 新しいおもちゃを手にした子供のようで 早く試したいとウズウズしているせいか 早く話を済ませるために 何でも聞いてくれそうな感じだ。


「えっと 今度 連れて来た二人なんですが 一人はマリアと同じように学校に編入させて欲しいのと もう一人は どこかの大学の医学部に入れてもらえませんか?あと、これは 本当にできたらでいいんですが当面の生活費も・・・・」


シオンさんはマリアや俺と同じ年なので 高校に サヤはこちらで医学を学びたいと言っているので医学部へ入れないか 頼んでみた。サヤについては 向こうの世界での医術に限界を感じているらしい。特に 医療魔法は多量の魔力を必要とするため 誰でも医者になれるわけではないし 大きな魔力を持った者が医者になりたいと言うのも稀なのだ。こちらの世界で 体の構造や病気についての知識を深めれば治療魔法を効率化でき 魔力のそれ程大きくない者でも 医療魔法を使えるようになれば向こうの世界の医者ももっと普及するのではないかと考えたようだ。


「なんだ そんなことか。分かった 手配しよう。では 俺はこれで失礼するよ」


あっさりと全ての商談が成立し 出雲さんは 部屋の鍵を手渡すと すぐさま 帰っていった。





一方そのころ


ナオキの部屋には 異世界組みの女子3人が残されていた。遥と踊子は 女子高生の身分での朝帰りなのだからそれ程 のんびりとはできなかった。遥に至っては 親に友達の家に泊まると嘘までついていたのだから 慌てて帰っていったのだ。


「マリア様 今のお二方は やはり?」


「私達と心を同じくする方がたです」


聞くまでもなく シオンもタラクシャに連れて来たこと 接し方や会話から理解していたのだが 念のためマリアに確認した。


「遥さんは ナオキさんの幼馴染で幼少の頃から強い信頼関係を築いています。踊子さんは 魔女ですが この世界では魔法は想像のものとされ彼女は秘密を守るためナオキさんへの気持ちに気付きながらも 告白できずにいたようですが ナオキさんが 魔法を使えると知ったとき 決壊した堤防のように気持ちが溢れ返り 今に至るといった感じですか」


「素敵な方がたでしたが どうしてナオキ様は 押しに弱いのでしょうか・・・・」


「そう思わなくもないですが そうでなければ 今の関係もなかったと思いますよ」


シオンの溜息交じりの言葉を マリアも溜息交じりの言葉で返ししばしの沈黙が生まれた。


「この世界には 魔法は認知されていないのですよね?これ程までの魔素がありながら」


「ええ、その通りです。魔力を持つ方は たまにいらっしゃいますが 魔法を使える方はその中でもごく一部ですし その魔法自体も強力なものではありません」


サヤは沈黙に耐えきれなくなり マリアに話を振る。

その後、マリアはこの世界での常識や魔法についてシオンとサヤに説明した。


「ナオキ様は 遅いですね」


いくら見知った人が居るからとは言え 突然やって来た異世界で不安を感じ心細そうにしている。マリアからこの世界の魔法についての事情を聞いたのだから尚のことだろう。シオンは 誰に向かってでもなく呟いた。

マリアは 自分も経験したこなので二人の気持ちは理解している。気を紛らす為に ある提案をした。


「そうですね。では、お帰りになるまでテレビでも見ましょうか」


言いながら マリアはリモコンを手に取りスイッチを押し電源を入れる。

画面が明るくなり 人の話し声が聞こえてくると シオンとサヤは振り向き驚きの表情で、凝視する。


「マ、マリア様!こ、小人が薄い板の中に!!」


「フフフフ・・・・驚きましたか?これは テレビと言う機械です」


「この世界には 小人が・・・・」


ガチャ


「マリア・・・・自慢気だね。マリアが初めてテレビを見たときを思い出すよ」


扉を開け部屋の主である直輝が大きな箱を持って戻ってきた。

マリアは 顔を赤くし俯きながら 抗議する。


「ナオキさん それは、言わない約束です・・・・」


俺の言葉を聞き また、俺の姿を見て安心し余裕ができたのか シオンさんと サヤは 冷たい視線をマリアに突き刺した。


「コホン これはですね。遠く離れところの様子を見ることのできる道具なのです。このテレビと言う道具を持っていれば 皆が同じ映像を見ることができるのですよ」


恥ずかしさを誤魔化すため捲し立てるように テレビについて解説した。


「ナオキさん その箱は?」


少し可哀想に思ったのかサヤが話を逸らす。


「なんだろう?帰ってきたら玄関に置いてあったんだ」


そう言って箱を開けると セーラー服や 様々な雑貨 小物 例のように手紙などが詰まっていた。そして 箱の底には分厚い大きい封筒が

まさかね・・・・?

開けると 現金が!しかも 帯がついた束が10個・・・・。

1000万!!!

確かに できれば少し援助して欲しいとは頼んだが いくらなんでも 高額すぎる。

どうするか?明日 これは返しに行こう・・・・。

でも・・・・

駄目だ!こんなに 貰えるわけがない!

でも・・・・

せめて 今晩は このお金を枕の下に引いて寝よう・・・・

それくらいは 許されるよね?


ふ~~

気持ちを切り替えて!


「これは二人の 荷物だね。シオンさんの学校の制服も入ってるから後でサイズも合わせてみよう。それと手紙によると サヤの学校は決まったようだけど もう少し時間が欲しいとのことだ」


相変わらず 出雲さんの仕事は速い。俺と別れてから 手配して 俺が家に帰るまでに届けさせるって・・・・しかも 1000万円って・・・・・。

まあ 当面のお金に関しては この間の指輪代があるし何とかなるか?足りなければ また 望さんの店で何か売ればいいし・・・・。買い物はまた あのショッピングモールに行くとして 今回は家具もいるのか。一から生活を始めるとなると 大変だな~。


兎に角 時間がない。マリアの時はゴールデンウィークだったので良かったが 明日から普通に学校はあるとなると 二人の着替えなんかは今日のうちに揃えたいといけないし。


「ナオキさん、ナオキさん!」


つい 今後の事について考え込んでいると マリアに呼びかけられ現実へと帰還した。


「美女三人を目の前にして 考え事とは 失礼ですわよ。で、何にお困りなのですか?」


俺の様子から また一人で抱え込もうとしていると察したマリアは 問いかけてくる。

まったく マリアは良くできた娘だ。


「うん。家は用意できたけどそれだけでは 生活はできないだろ?だから 今から 買い物に行こうかなと。後 家具とかもいるしね。その買い物をどうしようかな なんてね 色々 考えていたんだよ」


と言ったところで 突然 扉が開いた。


「こまち、ノックぐらいしろよ!」


立っていたのは こまちだった。


「だって お兄ちゃんがマリアさんに変なことしてないかチェック・・・・しな・・・・い・・・・と・・・・」


と、そのまま こまちは扉を閉め 叫びながら 走って行った。


「お母さん!!!また、お兄ちゃんが知らない女の人を連れ込んでる!!!!」


はぁ またってなんだよ、またって・・・・。


「今のが 妹のこまちです」


俺はひきつった顔で二人に紹介する。


「元気な妹さんね・・・・」


だんだん 皆のフォロー役と言う立ち位置を確立しつつあるサヤだった。


このまま 黙っている訳にもいかないので 三人を連れてリビングへ向かう。


「母さん おはよう。で、こちらの二人はマリアの友達のシオンさんとサヤです」


「へーー シオンさんと サヤさん(・ ・)ね」


「そ、そう・・・・サヤさんです」


「ああ、ごめんなさい。私は直輝の母です。そうね、お義母さん(おかあさん)と、呼んでくださいね。フフフフ・・・」


「・・・・」


母さんは無駄に勘がいいからな。無駄に喋るとドンドン ボロが、出そうだ。


「お二人は マリアさんに会いに?」


「あっ はい!私が シオンです。マリア様 じゃなくてマ、マリアさんに会いに それから 私も留学生なんです」


「お母様、私はサヤです。シオンの姉です。朝早くからお邪魔して申し訳ありません」


「あら、姉妹だったのね。全然 似てないから分からなかったわ」


シオンさんは ボロボロだし サヤとシオンさんの姉妹設定も無理があったか・・・・

一応 リビングに来る前に 設定を考えて伝えたんだけど 所詮は小芝居・・・・俺並みの詐欺師スキルがあれば何とかなったのかもしれないが 根が真面目な二人には 無理があったようだ。

母さんは ニヤニヤしながら俺を見詰める。


「まあ、いいわ。そう言うことにしておきましょう。娘がたくさん増えるのは私も嬉しいし」


「母さん 何を言ってるのかな?」


「あら じゃあ 全部言っても良いのかしら?」


「ごめんなさい・・・・」


全部って 何だよ?怖過ぎる。

本当に この人には勝てない・・・・。


「ところで、お願いがあるんだけど」


「部屋は余ってるし いいわよ」


・・・・この人は 本当は魔法使いじゃ?なんで 言う前に分かっちゃうんだ?

設定では 住む場所はあるが 予定より早く 来日したため荷物がまだ届いていないので ホテル住まいをするつもりだったらしいが それなら しばらく この家で面倒見れないか 何てこと考えていたのだが 母さんには 全てバレていそうだ。


「あら?違ったんの?」


「いや、そうなんだけど・・・・どうして?」


「もう~ 見てりゃ分かるわよ!何年 直輝君のお母さんしてると思ってるの。それより しっかり 考えなさいよ。考えた上で 全員と言うのも 悪くないけど。さっきも言ったけど 娘がたくさん増えるのも嬉しいしね」


やっぱ 本当に勝てないよ・・・・。




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