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勇者と姫のそれから  作者: べるこさん
第2章 地球編
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いつものように マリアは俺と腕を組みその数歩前を踊子さんが歩く。そう言えば こっちの世界に来てからマリアのスキンシップが激しくなった気がする。正確には 向こうの世界では そもそもスキンシップなどなかったのだから 押さえつけていた欲求を解放しているのかもしれない。・・・・だと嬉しい。

数分 学校に向かい歩くと 目の前から 予想通りの人物が 歩いてきた。

ああ、ラブコメの神様は仕事しすぎです。


「踊子さん!?」

「遥さん!?」


歩いてきたのは 遥だった。俺達は学校に向かっていて 遥は反対方向から歩いてきたのだから 理由があるのだろう。


「遥さん おはよう。ところで、どうしたのだ?学校は反対だぞ?」


「お、おはよう。わ、私は・・・・」


遥は マリアをチラリと 見るや 意を決したように 続けた。


「わ、私は 直輝と一緒に登校しようと 迎えに来たの。それより どうして 踊子さんが?」


「それは 奇遇だな。私も同じ理由だ」


「「え~~~~?」」


澄ました顔で さらりと 言った踊子さんだが俺と遥は大きな衝撃を受け 声を合わせてしまった。マリアは一瞬 意外そうな表情となるが その後は何故かしたり顔だ。


「直輝 どういうことよ!」


「どういうことって 言われても・・・・俺が聞きたいくらいだよ」


遥はすごい剣幕で詰めよって来るが 俺にも何が何だか分からない。そして 俺と遥は 踊子さんに視線をやり 説明を求めた。


「兄上の手紙に 迎えをやると あったと思うが?まあ それだけではないがな・・・・フフフフ」


「そう言えば そんなこと書いてあったような・・・・」


遥はジトッ とした視線で 睨んでくる。俺は頭を掻き誤魔化した。

だが、踊子さんの最後の笑いは 気にならずにはいられないが 確かめる勇気もなかった。


学校までの道のり約15分 まさに針のむしろと言うのを味わった。針と言うのは視線と言う名の針だが・・・・物理攻撃には耐性はあるが 視線による 精神攻撃は 堪える。胃に穴が開きそうだ。

そして その精神攻撃は学校に近づくにつれ 攻撃力を増してくる。校内美女ランキングの双璧を従え 尚且つ 謎の金髪美少女を連れているのだから目立つし 学校に近くなるにつれ 生徒の数も増えてくるのだから仕方がない。まあ 双璧 云々は俺の勝手な意見ではあるが 誇張ではない。

兎に角 


妬み

羨望

疑問

殺意


色取り取りな意思の篭った視線を浴び続けている。

ってか 殺意って・・・・。

校門に着くと 校門から校舎まで 多くの生徒がいるが 俺達を見るや物の見事に 道の両脇へ避け譲ってくれた。その道の中央を 踊子さんは先導し校舎へ向かうが・・・・。

もう駄目・・・・。

吐血しそうです。


校舎に入り 靴を履き替えたところで


「では 遥さんとは ここで一旦お別れだな。また 教室で会おう」


「えっ?」


遥の疑問に俺が答えた。


「俺達 生徒会長室に呼ばれているんだ。マリアの手続き関係じゃないのかな?」


不承不承で納得した遥と別れ 生徒会長室に向かうが 何故か踊子さんは 俺と腕を組んだ。三人で並んで廊下を歩いたら邪魔じゃないかと思い意見しようともしたが 口に出す前に諦めてしまった。

だって、腕を組んでるんじゃなくて 完璧に 腕をキメられてるから・・・・。

校内でも奇異の視線に晒されつつ なんとか目的の部屋に着く。生徒会長室の扉は 重厚で豪華になっている。校長室より 良い仕様になっているかもしれないと噂があるくらいだ。そもそも 生徒会室とは別に 生徒会長室がある時点で 校内における出雲さんの権力の大きさが計り知れる。

その重厚で豪華な扉を 踊子さんはノックし声をかけた。


「兄上 お連れしました」


「入ってください」


出雲さんの丁寧な返答の後 踊子さんは扉を開き 俺達を中へと促した。


「やあ おはよう」


「おはようございます」


出雲さんの挨拶に俺も挨拶で返したが マリアは 小さくお辞儀するのみだった。マリアは まだ出雲さんのことを警戒しているようだ。まあ 俺も警戒はしているのだが・・・・。


「朝 早くから君達に来てもらったのは 連絡事項とお願いがあってだ。まずは 連絡事項だが 君の要求通り マリアさんは 君と同じクラスに 留学生という事で編入の手続きを済ませた。この後 踊子に職員室まで案内させるから マリアさんは 踊子に付いていってくれ」


「俺は?」


「君は当然 教室だろう。そこまで 警戒しないでくれ、校内で事を起こすような真似はしないさ。それに 案内するのは俺ではなく 踊子だからな。今や 踊子は君に篭絡されいるからな、 俺の言う事より 君の言う事を聞くだろうさ」


「兄上!!!!」


踊子さんは 赤くなりながら 抗議の声を上げる。そして マリアは またも意味ありげな笑みを浮かべていた。マリアさん 何を考えているのですか?段々 悪役っぽくなってきましたよ・・・・。

しかし、篭絡って・・・・。


「次に お願いのほうなのだが 校内 まあ 外でもなんだが できるだけ魔法の使用は控えてもらいたい。組織の方針というのもあるが 普通に考えても 望ましい行為ではないのは 君達にも分かるだろ?」




生徒会長室を後に 不安そうなマリアを何とか宥め 踊子さんに 託した。

出雲さんのお願いについては 俺達は同意した。と言うか 最初から できるだけ使わないようにしていたのだから 反対する必要もなかったのだ。

俺は やっと一人の開放感を満喫しながら 教室へと向う。

どうやら、吐血は免れたようだ・・・・。




「どうだ?計測できたか?」


生徒会長室に入ってきた副官に 躊躇うことなく出雲は問いかけた。


「ええ、ですが 以前と同じ 一般的なレベルですね」


「そうか。あの公園では計測器など必要のないほどの 濃密で膨大な魔力をマリアから感じられたからな。やはり、魔力をコントロールできるのか もしくは 魔力を引き出すのにきっかけが必要なのか・・・・?」


「きっかけですか・・・・そのきっかけが 直輝君だと?」


「その可能性も 低くはないだろう。まあ 焦らなくても良い。彼の言う通り 学校にいる限り いくらでも監視、観測は可能なのだからな」


「そうですね・・・・となると 私の責任も大きくなるわけですね」


「ああ、頼むぞ。って 話が長くなってしまったな。急いで職員室に向かってくれ」


「了解しました」





踊子はマリアを連れ 職員室の前に居る。


「失礼します」


ノックをしよく通る声で挨拶をし中へと進んだ。


「朝霧先生 留学生のマリアさんをお連れしました」


「舞姫 ご苦労様」 


振り返り 踊子の労を労ったのは先程まで 出雲と話をしていた副官の男だった。

踊子も時間を稼ぐため少し遠回りをしたのだが それでも息も切らさず先回りすることができたのは この男もまた普通の人間ではないことを示している。


「先生!その舞姫と言うのは やめていただきたい」


「ごめん ごめん。それじゃあ マリアさんは僕が後で教室に連れていくので 舞姫は 戻ってください」


「・・・・・・はぁ」


踊子は、反論を諦め 大きな 溜め息をつく。


「マリアさん こちらは 朝霧先生だ。これでも 私達の担任をしている。後の事は 朝霧先生に 聞いて指示に従ってくれ。私は先に教室に戻るが まあ、心配する必要はない。すぐに直輝君とも合流できるさ」


「これでもって ひどいなぁ」


意趣返しのつもりの言葉も朝霧は サラリと受け流す。踊子は今度こそ諦め職員室を後にする。マリアが不安そうにしていて 後ろめたい気もしたが 朝霧は 兄の副官でもあり とても有能で 決して馬鹿な真似はしないだろう。

思いながら 職員室を出たところで 廊下を直輝がクラスメイトの女子と横切るのが見え 不振に思い 後をつけることにした。





俺は 一人での気楽さを堪能しつつ 自分の教室の前に着いたところで 声をかけられた。


「直輝君、少し話があるのだけど付き合ってくれるかな?」


問い掛けであるが 俺に拒否権は無いようだ。俺はクラスメイトの女子三人に囲まれ逃げ場を失う。


「告白なら歓迎するけど ?」


「ふざけないで!」


大きな声を出し視線を集め少し気まずそうな顔をした。しかし茶化したのが気に入らなかったのか 凄い形相で睨まれる。俺は 降参の意を込め両手をあげた。彼女たちは 納得したのか 付いてくるように指示をしたあと 歩き出す。

またも女子に囲まれ 廊下を歩いている。俺の短い ソロタイムは終わりを告げた。


前話の後書きにも書きましたが 数話分 踊子さんの台詞を日笠 井上さん風に変更しましたw

内容には変化はありません。

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