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勇者と姫のそれから  作者: べるこさん
第2章 地球編
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069

ようやく、買い物ができると思いきやまだまだ、マリアさんの質問攻めは止まりません。


「凄いです!王城より大きく 高い建物がこんなにたくさん」


本日 何回目の『凄い』を聞いたことやら。

郊外にあるアウトレットやショッピングモールに比べれば小さいがそれでも 街中にあるショッピングモールにしてはここは かなり大きいほうだと思う。更にショッピングモールを中心に再開発されているのか周辺にはいくつかの高層マンションも建てられている。

どうやって 建てるのかを聞かれたが俺にも 分からん!「クレーンで順番に積み上げるようにして」くらいしか答えれなかったが マリアも詳しく教えられたところで理解できない事を理解しているようで その答えで満足したようだった。


何とかショッピングモールの中まで辿り着けたが また、そこからが大変で 色とりどりの洋服や小物、雑貨 それらを今日 一番の輝きを瞳に宿し 左右に首を振りモール内をくまなく観察しているが あまりに早い首の動きに 脳震盪を起こすのではないかと心配するほどだった。


まずは、あの店だな・・・・。

しかし、俺にとっては敷居が高い。

と言うか 入れない。


そう 最初に入ろうとしているのは、女性用下着の専門店だ。マリアは 下はこまちにもらったパンツをはいているが 上はノーブラのままだし ノーブラのまま 洋服屋さんで 試着して店員さんに見せれば・・・・。どんな、変態カップルなんだよって・・・・。

明るいピンク色を基調にしたその店の前を俺とマリアは 何度も行ったり来たりしていた。


「ナオキさん?」


マリアも俺の様子がおかしいのを察し声をかけてくれるが 「ああ」と気の無い返事しか返すことができないでいる。さすがに 5回目に店の前を通ると 店員さんも気付き 近づくと 小さく声をかけてくれた。


「ねえ、彼女にプレゼント?」


しっかりメイクをした 「お姉さん」と言った感じの店員さんに声をかけられ しどろもどろになる。


「あ、あの・・・そうじゃなくて・・・・」


「えっ!?もしかして 君の?興味のある年頃だろうけど お姉さん あまり感心しないわよ」


「ち、違います!!!」


何 言っているんですか!

と言うか 下着屋さんの目の前で 呼び止めないでください!ここで 話をしているのが既に恥ずかしいのですよ!!


「あの・・・ちょっといいですか?」


店の横の通路を指差すと お姉さんも察してくれたのか お店の中のもう一人の店員さんに声をかけついて来てくれた。


「すみません お仕事中に・・・・あの・・・・この子なんですが 留学生で うちにホームステイしてるんですよ。で、昨日 日本に着いたばかりの空港で 置き引きにあって 荷物を全部なくしちゃって・・・・で、その 下着なんかも 全部なくて・・・・・」


「あー なるほど!」


お姉さんは 納得した様子だ。


「でも そんなに資金には余裕がないので・・・・その他にも 服とか身の回りの物も必要なので・・・・とりあえず その 質より量で 見繕ってあげてもらいたいんです」


「納得 納得!だから こんなに スタイルもいい美少女が 変な格好してるのね!お姉さん 納得だわ!私に任せて頂戴!! さあ、行きましょう」


変な格好って・・・・俺のトレーナーとジーンズなんですが・・・・。軽く、傷つきます。

落ち込んでいる俺をよそにマリアはお姉さんに引きずられるように 店内に入って行こうとしたとき


「何してるの?君もいくのよ」


「いや、俺は いいですから」


しつこく誘うお姉さんを何とか やり過ごす。カップルで買い物に来るお客さんも少なくないとか 言われても チェリーな俺には ハードルが高すぎます・・・・。


やはり、マリアも年頃の女の子 買い物が楽しかったのか嬉しそうな顔で 紙袋を抱き抱え 戻ってきた。一緒にお姉さんも出てきて 軽く説明してくれるが 俺としては早くこの場を離れたい。


「マリアちゃん スタイルがいいから 選びがいがあったわ。本当はもう少しいいものを身に付けてもらったら 服を着たときのシルエットがもっと良くなるんだけどね」


「はあ・・・・」


「まあ、君としたら 着せるよりも脱がせる方が楽しみよね☆」


「「そんなこと しません!!!」」


赤くなりながら 俺とマリアは見事にハモるが お姉さんは意に介さず


「しないの?」


「「それは その・・・・」」


そしてまた、同時に口ごもる。


「俺たち 昨日 会ったばかりだし・・・・」


と言う設定なんですが・・・・と、心の中で付け加える。


「あら、そうだったわね。なんだか 長年連れ添ったカップルの様な雰囲気がしたから」


お姉さんはクスクス笑いながら「また、来てね!」と手を振り店へと戻っていった。気まずい雰囲気を吹き飛ばすため 何か話題を振りたいが 思い付かず 結局 買い物について聞くことにした。


「いい買い物ができた?」


「はい!可愛い色と柄の物を3セットと 服装によっては要るからと 白と黒の物を1セットずつ 後は・・・・・その・・・・・あの日 用の下着を・・・・」


「あーーーそーなんだーーーよかったね~~~」


と、棒読みの返事を返す。

マリアさん、あの日とか そんな赤裸々に語らなくてもいいですから、そこは男の子が触れるべきとこでは ないような気がしますから・・・・。

しかし、黒ですか!?マリアに黒ですか!クロ、クロ、クロ、なんかエロいです・・・・。

妄想に耽っていると


「ナオキさん?」


「どうしたクロ?」


「?」


「いや、まあ、何でもない・・・・さあ、次は服でも見に行こうか」


自分の服なら 日本全国にある お安い服を売っているあの店に行くのだが、女の子の服のコーディネートなんて全く分からないので、店員さんがいるお店に行くことにした。ちなみに このショッピングモールにも あのお店が入っているので 後で行ってみるクロ!


目についた 若者向けの服屋さんに 入ってみた。下着屋さんと違い 一緒に入ることはできたが それでも多少は場違い感がある。

寄ってきたお姉さんに対し下着屋さんと同じ説明をしてお姉さんに丸投げしたまではよかったが 一人取り残されると場違い感は更に増大し どうしたらいいか わからなくなる。

しばらく 居心地の悪い店内をうろうろとしていた。


「彼氏もちょっと見てあげて」


店員さんに呼ばれフィッティングルームに行くと 試着したマリアが モジモジと恥じらいながら立っている。


「ナオキさん、どうでしょう?」


「・・・・・」


マリアは 白いワンピースを着ていた。可憐でお淑やかな感じは 避暑地にいるお嬢様を思わせる。マリアに似合いすぎていて 見とれ 言葉を失ってしまった。


「ナオキさん?」


「あ、あ、ごめん!なんだか すごくいいよ!」


店員さんはしたり顔で


「でしょ?彼女さんは 顔立ちもスタイルもいいから 何を着せても バッチリなんだけど このワンピースは 群を抜いてるわね!これだけは 少し高いけど 他のはセール品で 服がないって聞いてたから 色々 組合せしやすいのを選んでいるから」


「ありがとうございます」


「いいのよ。これが仕事だし 何より私の方も楽しめたし!まあ、彼氏にしたら 脱がす方が楽しいのだろうけどね☆」


「・・・・・」


また、ですか?お姉さんたちは欲求不満なのですか?


「あの~ 俺たち昨日 出会ったばかりなんだけど」


「あら?そう言えば そんな風に言っていたわね。2人から感じる空気って言うのかな?それが とてもいい感じだったから」


店を出て 改めて思うが 俺たちがお似合いだと言われるのは嬉しい限りなのだが こうも簡単に関係がばれるのは今後の生活に影響が出るかもしれないと。


気を付けるに越したことはないか


そう思いながら次に入ったのは靴屋さんだ。

これまでと 同じようなやり取りの末 言われたのが


「お兄さんは 踏まれる方が楽しみよね☆」


ここの店員さんたちは 大丈夫なのだろうか?本気で心配になってくる。

しかし マリアの美脚に踏まれるのを想像すると・・・・。

お、俺にはそんな趣味はないですよ。本当に・・・・。


荷物が増えてきたので 一旦 ロッカーに入れ フードコートで 昼御飯にする。

マリアは 試着した服をそのまま着ているが すれ違う人 男女問わず振り返る。隣に並んでいる俺は 嬉しいような それでいて 少し不安にもなる。それに 並んで歩くと俺がみすぼらしく思え情けなくもなる。


「どうか、なさいましたか?」


「みんな マリアを見てるから」


そうですか?と、マリアは気にしていない様子だ。さすがはお姫様、人の視線に晒されることに慣れているようだった。

まあ、気を取り直しフードコートへ向かい昼食を始めた。俺もマリアはハンバーガーを頬張る。マリアは 初めてのハンバーガーを どうやって食べればよいのか分からず 俺の食べる様子をじっと見ていた。

そんなに見詰められると 食べにくいのですが


「マナーとかないから そのままかぶりつけばいいよ」


言いながら見本を見せるように かぶりついた。それを見たマリアも小さな口を精一杯 開き 一口


「美味しいです!この世に こんなに美味しい物があるなんて 知りませんでした!」


マリアの反応にもようやく慣れてきたが

ニヤリ

驚くのはまだ、早いですよ、マリアさん。さあ、その飲み物を飲んでごらんなさい!

マリアはストローで その飲み物を飲んだ瞬間、吹き出しそうになり 慌てて手で口を押さえる。


「す、酸っぱいです!」


「酸っぱいの?コーラって言う飲み物だよ」


初めての炭酸は酸っぱく感じるらしいです。

その後は 慎重に 一口、二口飲んでゆくと お馴染みの 美味しいですを 連呼していた。


食事も進み ポテトとコーラでマッタリしているなか 今後のことについて 考える。


やはり、結構 お金がかかるな。貰った10万円も既に半分以上使っている。今後、学校に行くのなら学費や制服にもお金がかかる。女子の制服など 数万はかかるだろうし 学費に至っては 数十万はかかるはずだ。

取り敢えず 指輪を売って 相場を確かめるか。アイシス曰く あっちとこっちの行き来は可能のようだから あっちで 仕入れてこっちで売るを繰り返せば なんとかなるか?

あっちでは 俺は金持ちだからな!


後はどうやって 学校に潜り込むかか?

漫画や小説なら 突然 転入してきたり 留学してきたりするけど 実際は難しいよな。連休明けなら 職員会議があるよな、そこで 教師全員に暗示を?

ん~~~~

無理があるし あまり気乗りもしないな。

だったら 教育委員会の偉い人とか 文科省の偉い人に暗示を?可能かも知れないけど その偉い人を知らない。

どれも 難しいな。漫画や小説のようには いかないか。となると、マリアに学生生活を諦めてもらうか?でも そうなると ホームステイの設定がな・・・・。

兎に角 学生になるにしても 家を出て 暮らすにしても先立つものが必要か。まずは あの指輪を売って どれくらいになるか 確かめるか。

結局 そこに行き着く。

実際、売っても2~3千円にしかならなかったら 根本的に考え直さなくてはならなくなる。


食事も終わり その後も買い物を続け 必要そうな物はある程度 揃えた。かなりの荷物になったので 数日 必要な着替えなどを紙袋にまとめ 残りは段ボールにつめて 宅配にした。


そして 家路についたのは 夕方と言ってよい時間になっていた。


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