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勇者と姫のそれから  作者: べるこさん
第2章 地球編
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マリアに こまちから貰ったパンツを手渡し一旦 部屋を出る。呼ばれ 部屋に戻り 然り気無く チャックをチェックするが 今回はちゃんと閉まっていた。

しかし どうやら 俺は チラ見が 下手らしい。エリーの胸を見ていたときも バレてたし 今回も マリアに ジトッ とした目で見られている。


「ナオキさん あの事はもう 忘れてください・・・・」


「あははは・・・・」


気恥ずかしくなり 話題を変える。


「ところで テレビは どうだった?」


「はい!兎に角 ビックリと言いますか 凄いと言いますか、魔法がなくて こんなことができるなんて 信じられません!」


マリアは 恥ずかしさも忘れ 瞳をキラキラ輝かせ珍しく 興奮した様子だった。それもそうだろう 俺だって 向こうに行ったとき 初めて魔法を目にしたとき 今のマリア以上に 興奮したのを覚えている。


「魔法か・・・。マリア ちょっと聞いて欲しいのだけど 召喚されるまでは この世界に 魔法なんてないと思っていたんだけど 分かるように こっちの世界にも 鬱陶しいほどの魔素があり 帰ってきた俺は 魔法も使える。もしかしたら こっちの世界にも魔法も使える人間がいるかもしれない。

と言っても 分からないことだし 平穏に暮らしていくためにも できるだけ 魔法は使わないようにして欲しい」


「魔法は秘密にした方が良いのですか?」


マリアはとても不思議そうに聞いてきた。マリアにとっては 魔法は 常識であり 日常であるのだから仕方ない。

俺は机に向き直りパソコンの電源を入れた。


「それもテレビですか?」


「画面は同じような仕組みで動いているけど パソコンと言ってまた、違う機械だよ」


起動すると ブラウザを立ち上げ

『魔女狩り』や『魔女裁判』などのキーワードで 画像検索をし表示された画像のいくつかをマリアに見せる。マリアは口を手で覆い 目をそらす。

見せた画像は 少女が磔にされ生きたまま焼かれるものや 拷問を受けているものなどだ。


「この絵は この世界で 数百年前に実際にあったことなんだ。魔女狩りと言って魔法を使える女性を殺している様子なんだ。人間は 人間より強い力を持った者を畏怖し排除しようとする・・・・らしいよ。マキシムさんが俺にそうしたようにね」


「ナオキさん・・・・私は 私はその様なこと」


「うん。分かっているよ。ただね、この絵に描かれている 魔女たちは 魔法を使えないただの人間だと言われている」


「そんな!罪もないものをあんなに惨たらしく殺したと言うのですか!」


「例えば 疫病が蔓延して 多くの人が死んだとする。原因が分からなければ 予防もできずに不安になるだろ?だから 無理矢理にでも 理由を作って 安心したいんだよ。

魔女が魔法を使い 人々を殺しているとか 病気を呼び出したとかね・・・・

人間は思っている程 強くはないし 思っている以上に残酷なことができるんだよ」


「・・・・・・・」


マリアは俯いたまま言葉を失いっている。


「まあ 現代は 一方的な裁判のはて 殺されるとかは無いだろうけど それでも 迫害を受けたり 好奇の目に晒されたりはあるかもしれないから できるだけ 秘密にしておいた方がいいと思うんだ」


「ナオキさん、私たちは この世界では 同じ人間であるのに忌み嫌われる存在なのでしょうか?」


顔を上げたマリアは、瞳に悲しみと不安の色を宿し尋ねてきた。マリアにとっては、向こうの世界にとっては、大きな魔力を持ち大きな魔法を使えることは、ステータスであり そのことが、こちらの世界では否定される。まさに 青天の霹靂というやつなのだろう。 


「忌み嫌われるって、そこまで卑下しなくてもいいと思うよ。そうだな、マリアはエリーの胸をどう思う?」


「ナオキさん、こんな時に何を言っているのですか!?」


「いいから、答えてよ」


マリアは恥じらいながら答える。


「・・・・ナオキさんは 大きな胸がお好きなようですし 羨ましく思います」


予想通りの答えと 一部予想外の答えに苦笑いを浮かべ頭を掻く。


「俺のことを何か勘違いしてるようだけど、羨ましく思うのだろ?つまりね、人間は自分より優れた物を持っている人間のことを羨ましく思い、それが過ぎると妬みにつながる」


「私はエリーのことを妬んだりなど!」


「分かっているって!一般論だよ。その妬みを多くの人が持つと 魔女狩りのようなことが起こるのだと思うよ。・・・・・と、今までは考えていた」


「?」


付け加えた言葉の意味が分からず キョトンとしている。


「人間の心理的なところの『魔女狩り』は今 言ったようなことで間違いではないのだろうけど・・・・数百年前に起こった 最初の魔女狩り・・・・あれ 本当に魔女じゃなかったのかな?俺もマリアもこの世界で魔法が使える。魔法は存在するし これだけの魔素があるんだから独自に魔法を編み出した人がいたっておかしくはない。そして過去の経験から魔法を隠している人たちが居てもこれもおかしくはない。魔法を使える人たちが居るとしても隠しているなら 俺達もそれに倣った方が良いだろうし、居ないなら尚の事 隠したほうがよいと思うんだ」




マリアと魔法は隠すことで同意した。魔力に関してもできるだけ放出しないようにする。もし魔法を使える者が居れば 俺たちのことがばれてしまうからだ。俺は魔力の放出をほぼゼロにできるし マリアも俺ほどではないが かなり抑えることができる。俺は人外で論外だが マリアは大きな魔力を持っているが故 それをコントロールすることにかなりの修練を積んでいる。

これで、ばれれば事故と言う物だ。


時間も頃合なので買い物に出かけることにする。


「マリア、外はもっとすごいぞ!だけど あまりはしゃぐと悪目立ちするし 程々にな」


「はい。分かっていますが楽しみです!」


取り合えず 身の回りの物全てを揃えるならと 20日と30日は5%OFFしてくれる 大型ショッピングモールへ向かうことにした。

玄関でいきなり問題発生!

マリアの靴がない・・・・。

さすがに靴まで盗られたとかどんな追い剥ぎだよ!仕方ないので シューズクローゼットから こまちのサンダルを拝借することにした。靴はサイズがあるがサンダルだと多少の融通が利くだろうとの判断は正しかった。


外に出て 住宅街を歩き 大通りにあるバス停へ向かう。マリアは 見るもの全てが新鮮なのだろう 町の様子をキョロキョロと見回している。

大通りは国道で かなりの交通量があり 乗用車からトラック バスまで 途切れることなく 走り続けている。 近くには 新幹線や 私鉄の高架もあり私鉄はもちろん 新幹線も 近くに基地があるため かなり頻繁に目撃することができる。


「す、すごい・・・・」


マリアからはそれ以上の言葉が出なかった。その代わりに 俺の腕に強く抱きついてきた。


「ビックリした?」


「は、はい・・・・」


「この凄い速さで走っているものは?」


「車だよ」


「それじゃあ あそこの 茶色くて 長細いのが走っているものは 何ですか?」


「あー あれは電車だね。詳しくは 分からないけど 満員まで乗ったら1000人以上を一気に運べるんだよ」


「1000人・・・・凄すぎて 何と言えば良いかわかりません。それでは あちらの白いのも電車ですか?」


「あれは 新幹線だね。電車の一種だよ。ここの道が60キロ制限だから・・・・ここを走っている車の5倍くらいの速度を出して移動するんだ」


マリアも慣れてきたのか 俺の腕から離れ先程 以上にキョロキョロとしては 俺を質問攻めにしてきた。

まあ、仕方ないだろうし 予想もしていた。とは言え ここにじっとしているわけにもいかないので バス停に移動する。


「今からバスに乗ります。大きな車で 言ってみれば 乗り合い馬車みたいなものだよ」


マリアの目は 期待と不安が入り交じりながらキラキラと輝かせている。


「電車はすぐに乗る機会はあるだろうし この世界で生きていくなら新幹線も乗ることもあると思うよ」


喜ばそうと言った言葉だが マリアは上の空と言うか 先程までの キラキラは 消え失せ 震えながら また、俺の腕にしがみついてくる。


「どうしたの?」


「ナ、ナオキ様・・・・竜が・・・・ドラゴンが!」


マリアの指差す方向を見ると・・・・

はい!

マリアは真剣に言っているのだ、笑っちゃ悪い・・・・でも・・・・笑いを堪えながら


「あれは 竜じゃないから安心して。あれは 飛行機と言って 空を飛ぶ乗り物なんだ」


笑いを堪え ピクピクしながら答えると マリアは少しムッとする。


「笑うなんて酷いです!」


「・・・・・・笑ってないって・・・・・」


「怒りますよ!」


「ごめん ごめん!でも 飛行機を見て 竜って発想がすごいなと思ってさ」


ここは 空港が比較的 近くにあり 着陸体制の飛行機が よく見えるのだ。鉄の固まりが飛んでいると説明すると 信じられないと言った様子だ。俺自身 生まれたときから あるものだから そう言う物だと思ってはいるが 冷静に考えれば 信じられない気持ちも理解できる。

そうこう しているとバスがやって来た。マリアは恐る恐るステップに足を移しだが、そこから動かなくなった。仕方ないので また、俺の腕につかまらせ 何とか乗り込む。後ろに居たサラリーマンの視線が 痛かった。って言うか 腕を組んだら 「チッ」とか言わない。マリアはお姫様ですよ、向こうの世界だったら 打ち首ですよ・・・・。


バスは空いていたので マリアを一人席に座らせ俺はその横に立った。マリアは 小さな子供のように 外に流れる景色を食い入るように 見ていた。

当然、その間も 気になるものは すぐに 質問してくる。バスが 目的地のショッピングモールに 着く頃には 俺は ゲツソリしていた。



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