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勇者と姫のそれから  作者: べるこさん
第2章 地球編
65/135

065

目覚め 意識が徐々に覚醒する。気だるさを残しつつ 瞼を開き ぼやけた視界はゆっくりと焦点を結ぶ。


「知らない天井・・・・・ではないな・・・・」


はっきり映った視界には 見知った 自室の天井が見える。妙に懐かしく思うが・・・・。


「がーーーーー!何が勇者様だ!!高2になって ついに中二病かよ・・・・・」


夢落ち・・・・。

ここ最近 なろうで 異世界召喚物を読みすぎたのか・・・・?

って言うか 妙にリアルな夢だった。まあ 夢なんて 見てる間は現実と区別はつかないというが・・・・。確かに 経験はある。幼い頃 小学生くらいだったか、夢で 高台の狭い足場から 狭い足場に 飛び移らなくてはならないという シチュエーションがあった。何故 そんな状況に陥ったのかは覚えていないが 何度も見た夢だ。そして、毎回 失敗し落ちた・・・・。その 落ちている間 本当に落ちているように感じたのだ。高所から落ちるなんて経験をしたことなどないのにだ。あまりにも 何度も見るので 心配になり 親に相談したら

「落ちる夢を見ているときは 背が伸びてるらしいわよ」

と、あまり 相手にされなかった。

夢・・・・脳が作り出した 偽りの記憶と経験。

偽りと分かっていても 見ている間は リアルな物だが・・・・。

俺は 先ほどまで見ていた夢を思い返し 恥ずかしくなり 頭を掻き毟ろうとすると 左手が動かないことに 気付いた。

動かないが 感触はある。

感触?

暖かく 柔らかい・・・・?

右手で恐る恐る 毛布をめくると 

そこには マリアが居た!

しかも マッパで・・・・。

全裸で 俺の左腕にしがみ付き 可愛い寝息をたてていた。そっと 毛布を戻し 深呼吸する。

マリア・・・・だよな・・・・?

もう一度 毛布をめくり 確認する。いろんなところを・・・・・だって 健全な青少年ですから・・・・仕方ないよね?

さすがに 触るのは 躊躇われたので もう一度 毛布をかけ しばし 考える。


「マジか・・・・」


どうやら、この夢だと思っていた3年間は夢ではなかったらしい。大きく息を吐き出し 違和感に いや、不快感に気付く。この世界・・・・地球にも魔素が 存在する。しかも 向こうの世界とは比べ物にならない程に濃密な魔素だ。

例えるなら・・・・・

お祭りの夜店や駄菓子屋で売っている 「スライム」と言うおもちゃを知っているだろうか?ネバーとしたアレだ。スライムを浴槽一杯に入れ そこに浸かっている その様な気分なのだ。

まあ そんなお風呂を経験したことはないので イメージでしかないが まとわりつく 不快に感じる程の魔素が地球には存在した。


そして、その魔素を認識できると言うことは


「まさかね・・・・」


確かめるためにも 心の中に問いかけてみる。


「居るのか?」


「はーい!ご主人様 なんでしょうか?と、その前に お願いがあるのですが 聞いてもらえますか?」


居た・・・・地球には魔素が存在し 尚且つ その魔素を認識することができる。そして こいつとの会話も・・・・まだ、試してはいないが 恐らく 魔法も使えるかもしれないな。


「お願い?まあ お前のおかげで 帰ってこれたのだから できることなら 叶えてやるよ。取り敢えず 言ってみろよ」


「ご主人様なら簡単なことです。私と契約してもらえませんか?」


「契約って?魔法少女になったりとか?」


「何を言ってるのか分かりませんが 私はあの召喚陣に数千年 繋がれていました。体は既に失なわれ 思念体とか情報体と言った、今はそんな存在です。ご主人様が鎖を断ち切ってくれたおかげで 自我を取り戻したのですが さすがにあれほどの魔力を供給され魔方陣は消滅してしまいましたので緊急避難的に ご主人様の精神に入り込んだのです」


ボケが成立しなかったことと 話の内容の重さに少し恥ずかしくなりながらも 肝心のことが分からない。


「で、契約って?」


「そうでした。正式に契約していただくと メリットとしては 私は使い魔となりますので 好きなときに呼び出すことや 私の魔法を自由に使えるようになります。デメリットとしては 私を維持していくために ご主人様の魔力を常時 頂くことになります。とは言え ご主人様の魔力量を考えれば 全くデメリットにならないと思いますが」


なるほど、召喚陣に満タンフルチャージしたはずの魔力が減っていたのは こいつが 食っていたからなのか。そして、毎日 魔力供給させていたのも こいつを維持していくためだったと。


「でも 数千年も生きて まだ、存在したいのか?」


思念だけの会話なので 表情までは分からないが 明らかに声のトーンは淋しげになり答える。


「数千年 生きているといっても ご主人様と同じぐらいの年頃に捕まって閉じ込められたから・・・・それに繋がれていた頃は自我もなく 魔方陣の部品の一つとして 私の力だけを 使われていたので・・・・。だから 少しの間だけでもいいので 人らしい 経験をしてから 消滅したいなって。まあ もう体はないので 人らしくって言ってもおかしな話ですけど」


「お前・・・・お前 名前は何て言うんだ?」


「私は アイリスと申します」


「分かった。アイリス 契約しよう。色々 見せて 経験させてやるよ!」


「ありがとうございます。ご主人様!」


その後 俺の魔力にアイリスを取り込む形で 契約は完了した。


「ところで アイリス、どうしてマリアは 裸なんだ?」


もう一度 美少女のまっぱを見たい欲求をぐっと堪えて 尋ねた。


「ご主人様の趣味に合わせました!おきに召しませんでしたか?」


「うん。短い間だったが 世話になった。契約は解除だ!」


「冗談です、冗談です!あちらにあって こちらに無い素材は再現できなかっただけです!」


「あー、なるほど・・・・」


俺は納得したところで 思考は次の段階へ移っていた。

さて、どうするか?三年ぶりに帰って来て 何もなかったかのように ベッドに寝てるとか・・・・しかも 全裸の美少女と共にだ、驚かれたり 怒られたり こまちなど 通報するかもしれない。

俺のことは兎も角 マリアの事をどう 言い訳するかだな・・・・。

生活拠点も必要だし いっそ 結婚して 独立するか?でも それには まず 仕事を探さないとな・・・・。高校中退とかで 就ける仕事など限られてるだろうし すぐには 見つからないだろう。

となれば やはりしばらくの間はこの家に世話にならなければならず そのためには言い訳が必要だ。


実は 全てを丸く収める解決法はある。だけどそれを実行すれば 人の道を外れるような気がするのだ。

マキシムさんの操心の玉を破壊し 発散した魔力から その術式を読み取ったのだ。つまり 魔法として 暗示や記憶の改竄ができるようになった。


「さすがに この魔法を使うのは気が引けるな・・・・しかも家族にだ・・・・」


呟きながらも 心は既に決まっていた。


「俺 最低だな・・・・」


「ご主人様 どうしましたか?」


「ん?何でもないよ。用事ができたらまた、声をかけるよ。暫くは 静かにしておいて」


「分かりました」


返事をすると アイリスは意識の奥底に沈んでいった。マリアを起こさないように そっと 腕を抜き 体を起こした。部屋を見回し 懐かしさにふける。

そこで ようやく違和感に気付いたが その時 部屋の外から 大きな足音が聞こえ 扉が 勢いよく開かれた。


「お兄ちゃん!いつまで寝てるのって 起きてるじゃん」


扉の前に 仁王立ちのこまちが居た!

こまちが・・・・居た・・・・・。

こまちが・・・・。


「ちょっと ちょっと・・・・お兄ちゃん どうしたの 突然泣き出して?」


「えっ!?」


気が付くと 俺の目からは ボロボロと涙がこぼれていた。こまちの姿を見て ようやく実感できたのだと思う。


--帰ってきたんだ


「大丈夫?怖い夢でも見た?」


「ああ、大丈夫だ」


マリアはマッパだったが 俺は愛用のパジャマを着ていた。パジャマの袖で 涙を拭い そこで改めて 違和感が増大する。部屋の様子が 変わっていない。ドラマなどでは いつ帰ってきてもいいように そのままにしているなんて ことはよくあるが あまりにも変わっていないのだ。そして こまちだ。三年ぶりの再会にしては 普通過ぎる。


「しかし こまちよ。お前は 変わらないな?」


こまちは怪訝そうに答える。


「そんな一日や二日で 変わるわけないじゃん。お兄ちゃん 本当に大丈夫?」


・・・・・やはり、何かが変だ。

確かめるためにも 更に質問を重ねる。


「お前 いくつだっけ?」


「お兄ちゃん・・・・まだ 寝ぼけてるの?」


「いいから 答えろよ」


「ちょっと、なんで そんな怖い顔してるの?もう・・・・こまちは ピチピチの14歳 中学二年生だよ!これでいい?」


「!!!!」


予想した通りだ・・・・。だが まだ 信じられない。


「今日は 何年の何月何日だっけ?」


「はーーーー」


こまちは 呆れた顔で 部屋に壁を指差した。そこには ホムセンで買った ご自慢の電波時計がかけられている。その時計は 時間はもちろん(時計なのだから・・・)日付や気温 湿度まで表示される優れものだ。そして その時計は 俺が 異世界に召喚された次の日を表示していた。

今日はゴールデンウィークの登校日の翌日 4連休初日だった。

だが、そこで、俺の思考は停止させられる。


「ん~~~~ 騒がしいですわよ」


マリアが目覚め 体を起こしたのだ。一糸纏わぬ姿を惜しむことなく披露した。俺の目は ある一点 いや・・・・二点か?二つワンセットなら ある一点だね・・・・まあ ともかく 生オッパイに 釘付けとなる。エリーの胸は メロンサイズだったが マリアも決して小さくはない。果物で例えるなら 大き目の林檎と言ったところか?形や張りなど もう 完璧な感じです。


「お、お、お、お、お、おにいちゃん?」


こまちは 後ずさり 静かに扉を閉じた。そして すごい足音を立て 更に その足音に負けないほどの大声で 叫んでいた。


「お、お、お、お、お母さん! おにーーーーちゃんがーーーーーー!」


俺は 盛大な溜息を漏らす。人道的とか 言ってる場合ではなくなった。心に決めていたとは言え もう あの魔法を使わざる負えない状況になってしまったようだ。


「ナオキ様 今のは?」


「妹のこまちだよ」


「妹君でしたか こまちさんと言うのですね。とても可愛らしかったです」


「ありがとう。ところで マリアさん その・・・・目のやり場に困るので 隠してもらえますか?」


そう言いながらも 俺は チラチラ マリアの 林檎を見ていた・・・・。

だって 健全な・・・・。

しかし マリアは 俺の思考の更に上を行っていた。


「私達は 夫婦になるのですから 遠慮なさらずといいのですよ。そんな チラチラ 見なくても しっかり 見ていただいて 触りたければ・・・・その 触っていただいても・・・・」


若干 発情気味のマリアさんに 頭から 毛布をかけ 今後のことに 思いを馳せる。


「はぁ・・・・・頭が痛いよ・・・・」



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