メイドは怖い・・・
今回も短いです。
が、暇潰しに読むにはこの位が丁度良いかと・・・(^-^;
リビングで愚妹を説得(?)をしていたら、メイドさんが現れた。
「何でアンタが居るのさ?」
「メイドですから」
「いや、理由になってないから!?」
「兄ぃ、この人誰?」
一瞬にしてリビングがカオス状態。
どうやって収拾つけるんだよ・・・。
「トーマ様、マリエ「あぁぁぁっと!!と、とりあえず部屋でゆっくり話しましょうか。我が妹よ彼女はコスプレが趣味の兄の友人だ何やら相談事があるようなので部屋に行くよじゃあな!!」・・・」
俺は一気に捲し立てて、メイドの背中を押しながら二階の自室へと向かう。
階下から「兄ぃ!」とか「ちょっと!!」とか聞こえたが、気にしない。
うん、気にしない。
つ
「ハァ・・・。で?何でアンタが居るんですか?」
「トーマ様にご相談がありまして」
「いや、違う。何で、『向こう』から『こっち』に来れてるの!?」
ここ、重要。
こちら側から向こう側、向こう側からこちら側への移動は現時点では俺しか出来ない。
俺が扉のドアノブを握り、左に回さないと世界は繋がらないのだ。
マリエッタや酒場の何人かに試してもらったが、誰も世界を繋げる事は出来なかった。
「繋がりました」
「いや、何サラッと言ってんのさ」
「駄目だったでしょうか?」
「駄目じゃないけど、どうやって繋げたのさ?」
「・・・・・・・メイドの嗜みでございます」
「メイド、こわっ!?」
まぁ、詳しく聞いたらドアノブに魔力を流しながら回したら繋がったんだそうだ。
俺、魔力の流し方とか知らんし。
ドアノブに魔力を流す。そうか、あの不思議現象は魔法の一種か。納得。
つーか、ドアノブに魔力流して回すとか誰も思い付かんわ。
「で、用件は?」
「マリエッタ様が何やらご相談があるとか・・・」
「マリエッタが?」
「はい」
はて?
何の相談事だろう?
「分かった。じゃ、行こうか」
そう言って俺は世界を渡る。メイドさんを引き連れて。
「よぅ、マリエッタ」
「トーマ?どうしたの?」
あれ?
相談事があったんじゃないのか?
俺が来た事に不思議そうな顔してやがる。
「マリエッタ様がお悩みしていらしたので、相談役としてトーマ様をお呼びしました」
俺が視線を向けると、一礼しながらメイドさんが仰いました。
独断かい。
「何やらマリエッタが悩んでるから、相談に乗って欲しいと言われて・・・」
「そーゆー事ね。ありがと。でも、トーマに相談しても、どうしようも・・・」
「まぁ、とりあえず言ってみろよ」
俺の言葉に苦笑しながらも、マリエッタは話し出した。
「実はね・・・」
曰く、明日マリエッタの見合いがあるそうだ。
先方やマリエッタの両親は乗り気らしいが、マリエッタ本人は嫌らしい。
しかし、王族ってのは大変だな。マリエッタの年齢で見合いなんて・・・。
「こっちの世界では普通よ?」
だそうだ。
全く。俺には考えられんな。
「とりあえず、マリエッタは明日の見合いをすっぽかしたい訳だな?」
「えぇ。でも、それが出来れば苦労はしないわ」
「解決策ならあるぞ?」
俺の言葉にマリエッタが目を丸くする。
「どうやるの?城を抜け出すのなんて、まず無理だからね?」
「いや、この部屋から直に出れば良い」
「そんな方法があるなら、とっくにやってるわよ」
ハァ・・・と溜め息を吐いてテーブルに突っ伏してしまうマリエッタ。
「だから、扉使って俺の所に来れば良いじゃねぇか」
その言葉に、ガバッと起き上がるマリエッタ。
考え付いていなかったな?
「それだ!!」
俺を指差して叫ぶマリエッタ。
その後ろでメイドさんが何やら黒い笑みを浮かべてたのは、気のせいだと思いたい。
やっぱ、メイドってコワイ・・・。
さて、次回はマリエッタが来日(笑)
なにやら騒動の予感が・・・。