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右?左?

え〜、ほぼ、思いつきと勢いで始めました。

更新は亀更新になるかと思います。


基本はほのぼのコメディなので、バトル要素や政治要素は皆無と言っても良いと今は考えています。



読者様の暇つぶしにして頂ければ、幸せでございます。


「・・・暑い」


時期は8月。正に夏真っ盛りの今日。俺は部屋でダレていた。


「あ〜、出掛け・・・・」


チラッと窓から外を見ると、その眩しい陽射しが如何に外が暑いかを物語っていた。


(・・・やめた)


まぁ、ここで出掛ける決意をしたとしても行く宛がないので、やはり断念はしたであろう。


「それにしても暇だな・・・・ん?」


扉越しに聞こえてき女性の声に気がついた。多分、妹が電話でもしているのだろう・・・。


「こんな暑い日に廊下で電話とか、部屋ですりゃ良いのに」


妹の部屋にはエアコンが完備されている。俺の部屋には勿論ない。

妹の部屋のは親が買い与えた物だ。俺も欲しくて直談判したのだが「自分で買え」と一蹴。世の理不尽さに打ちひしがれたのは懐かしい思い出だ。


「まだ話してやがる」


話に集中して暑さも感じてないのか?


俺は部屋の扉のドアノブを握り、左に回した。

俺の家は結構古く、ドアノブが丸いタイプだ。このドアノブはひだりに回しても右に回しても扉は開く。

いつもなら右に回しているのだが、この時は何故か”左”に回したのだ。


「おい、真希。電話すんなら部屋に行っ・・・て・・・・・」


扉を開けて妹に注意しようと声を掛けたら、俺の視界に飛び込んできたのは電話をしている妹ではなく、石で出来た部屋の中で木製の椅子に腰掛け、これまた木製のテーブルを挟んで楽しそうに会話をしている金髪女性と水色の髪をした女性だった。


「・・・・・」


あるぇ?


思考がフリーズする。

あれ?確か扉を開けたら廊下で・・・でもって、金髪女性と水色の髪の女性がお茶してて・・・・あれ?


「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」


俺に気付いた女性二人は、ガタッと音を立てて椅子から腰を浮かし中腰状態でコチラを凝視してくる。

俺も二人を凝視してしまう。

明らかに俺、不審人物。

痛い・・・この沈黙が痛い!!


「・・・誰?」


金髪女性が俺に声を掛けて来る。綺麗な声やぁ〜。っと、違う違う。


「え〜っと・・・・お邪魔しましたぁ〜・・・」


キィ〜っと、音を立てる扉を、なるべくゆっくり、先方(?)に刺激を与えない様に閉める。が・・・・


『ガッ』

「!?」


あと少しで扉が閉まる所で、白く綺麗な指がするりと隙間に入り込み、閉まり切るのが塞がれた。


(なっ!?なんだ!?)


俺としては軽くパニック状態である。


「ちょっと!!アンタ、誰なのよっ!!」


向こう側からかなりの力で扉を開けようとされてしまった。


「待て待て待て待てっ!邪魔したのは謝るからっ!!ゴメンナサイッ!!」

「誰が謝れって言った!?」


扉の隙間から、さっきの金髪さんが覗いてくる。綺麗な金髪を振り乱して呼吸も荒く、目が血走っていた。


(こえぇっ!!マジでこえぇっ!!)


ホラーだ。マジでホラーだ。

俺も結構力入れて扉を閉めようとしてるのに、この金髪さんもかなり力があるのか全然閉めれる気がしない。


「嘘だろ!?どんだけ馬鹿力なんだよ!?」

「誰が馬鹿力ですってぇ!?」

「わ・・・分かった!!分かったから、手ぇ放せ!!」

「何が分かったのよっ!」

「扉開けるから、手ぇ放せって!!」

「ホントでしょうね!?」

「ホントだ!!」


俺の言葉を信じてくれたのか、込められてたちからがフッと抜けるのを感じた俺は・・・


『バタンッ』


勢い良く扉を閉めたのだ。


「な・・・なんだっんだ?」


ズルズルと床に座り込み、顎を伝う汗を拭い俺は呟いた。






〜2時間後〜


あれから散々考えた。

あの後、扉を開けたが普通に家の廊下だった。

だったら、あれは何だったのか?

暑さによる白昼夢?

いやいや、そんな馬鹿な・・・。

じゃあ、アレは一体・・・・。


そして俺は今から一つの実験を行う事にした。

それは・・・。


「どーも、このドアノブが怪しい」


そう。ドアノブが怪しいと思い至ったのだ。

確かにあの時、俺はドアノブを左に回した。いつもなら右に回すのに、何故か左に回したのだ。

その事に思い付き、ソレを確認するために実験をしようとしてるのだ。


「一応、詫びの為にケーキ買ってきたけど、ケーキで良かったんだろうか?」


そう。先程の詫びのつもりで手土産としてケーキを準備してある。

これを買って来た際に、妹から「兄ぃ、それアタシの?」と聞かれ、「違うわ、愚妹」と告げたらソバットを喰らった。

ヤツは鬼だと確信した。


「・・・・いざ」


早鐘の様に鳴り響く鼓動を感じドアノブに手を掛け、ゆっくりと左に回す。


『カチャリ』


と音がして、ゴクリと喉を鳴らした俺はゆっくり・・・ゆっくりと扉を開ける。


「失礼しま〜『ガンッ』へぶっ!!」


そ〜っと開けていたら、隙間から腕が伸び、俺の胸ぐらを掴んだら勢い良く引っ張ってきた。お陰で俺は扉の枠に顔面を強かに打ち付けた形となったのだ。


「いってぇっ!!」


片手で顔を抑えて視線を前に移すと、先程の金髪さんが腕を伸ばしてきた本人だと判明。

ひょっとして、この人、扉の前でずっと待ち構えてたのだろうか?


「つぅぅぅかまぁぁぁえたぁぁぁぁ」

「ヒッ!?」


地を這う様な声と、隙間から覗く乱れた金髪と血走った目が見えた。


「待った待った!!今度はちゃんと開けるから!!」


俺はそう言って扉を全開にした。






で、今は扉を開けた状態でお互い向かい合ったままそれぞれの部屋に座ってる。

ナニコレ・・・?


「で、アンタ誰?」


先に口を開いたのは金髪さん。さっきの水色の髪の女性は居ないみたいだ。


「えっと、矢崎燈馬・・・です」

「ヤザキトーマ?」

「あ、名前が燈馬で、名字が矢崎」

「ふーん・・・トーマね」


なんかジロジロ見られてるんですけど・・・。


「私はマリエッタ。マリエッタ・アウル・ラビータ。」


なんとも長い名前だ。だが、これで外国人である事が確定したな。

あれ?でも、待てよ?

何で日本語が通じてるんだ?


「少し質問よろしいでしょうか?」

「何?」


クッ・・・こいつ、何かと偉そうでムカつく。


「ここ、ドコ?」


俺の質問が突拍子もない質問だったのか、マリエッタさんは目を丸くして瞬きを数回していた。


「・・・アンタ、バカ?」


おぉう・・・。まさか金髪さんに往年の名ゼリフを頂く事になろうとは・・・。


「ハァ・・・。ここはラビータ公国の王都シュバリエール。で、この部屋は私の自室」


ふむふむ。

ラビータ公国のシュバリエールって街で・・・・・んん?


「・・・どうしたのよ?」


どうやら俺が怪訝な表情をしていたみたいで、マリエッタさんは首を傾げてきた。


「また質問。日本って知ってる?」

「ニホン?何それ?」

「じゃあ、アメリカは?」

「知らない」


ふむ・・・コレは確定か?

俺とて色々な書物マンガやラノベを無駄に読み漁ってはいない。

自室の扉を開けたら何処とも知らない部屋に繋がり、聞けば知らない国の名前。先方は日本やアメリカを知らないと来れば・・・。


「・・・マジかよ。嘘だろ?」



そう。

どうやら俺の部屋の扉は・・・・・





異世界に繋がってしまったみたいです。








いや、スマホって長文入力しにくいですね・・・(汗)


第一話ですが、いかがでしたでしょうか?

皆様からの感想やご意見が頂けたら嬉しいですので、よろしくお願いします。


では、また次回で・・・





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