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甘いベリーとまあるい月  作者: アーサー・ウェルズリー


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甘いベリーとまあるい月

とあるとあるちっぽけな森に、これまたちっぽけな小さな子ウサギのまひるとまよいが二匹なかよく過ごしておりました


元気いっぱいのまひるは、森に生える甘いベリーが大好き。


友達の引っ込み思案なまよいを連れて、今日もベリー狩りに行くことにしました。


「ここにも、あっちにも、あそこにもあるよ!」

「まってよ、まひる! 帰り道が分からなくなるよ!」

「大丈夫だって!」


ピョンピョコ、ピョンピョコ、まひるが跳ねてベリーを探します。

ピョンピョコ、ピョンピョコ、まよいが跳ねてまひるを追いかけました。


二匹の持った小さな籠には、まるで宝石のように赤いベリーがどんどん積み重なっていきました。

持って帰ったらお母さんにベリーのパイを作ってもらえるでしょう。でも、いつも帰り道で食べてしまうから、お家に帰り着くころには籠が空っぽになっているのでした。



ベリーのように真っ赤な瞳を輝かせて、真っ白な毛並みの口元を真っ赤に染めて、まひるは足を進めます。


遊び始めたころはあんなにも高かった陽は落ち、森の中へと夕暮れが色づいてきました。

ふと、まひるが後ろを振り向くと、ついてきていたはずのまよいが居ません。


「まよい? まよいはどこ?」


まわりを見渡しても、木の上を見ても、草むらの中を覗いても、まよいの綺麗で艶やかな黒い毛並みは見当たりません。

探し回っているうちに、辺りはすっかり暗くなって空には真ん丸お月様が浮かぶようになりました。


「まよいー! まよいー!」


一匹ぼっちの子ウサギは、友達を探して走り回ります。

探しても探してもどこにも姿が無くて、まひるは寂しくなってしまいました。

とぼとぼ歩く足元に、ぽたりと涙がこぼれます。


「まひる!」


もう、ずっと一匹なのか。

そう思ったとき、まひるのことを呼ぶ声が聞こえました。


暗がりの中に、まあるく光る金色の瞳が二つ浮かんでいます。

まるでお月様のようなそれは、見慣れたまよいのものでした。


「まひる、帰ろう」


迎えに来てくれたまよいの背中は、それはそれは頼もしい姿をしていました。

いくぶんか跳ねていけば、見慣れた住処の出入り口が見えてきます。


今日は半分くらい中身が残った籠をそれぞれのおうちのキッチンに置いて、二匹はふかふかの自分のベッドで眠りました。

明日起きたら、まひるのお母さんが美味しいベリーのパイを作ってくれていることでしょう。まよいのお母さんが綺麗なベリーのゼリーを作ってくれていることでしょう。


美味しい明日を夢見て、子ウサギたちは暖かな毛布に包まれ、目を閉じることになるのでした。

明日はどんな冒険があるのでしょうね。これはまた、次のお話。


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