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第十五話

 と、いうわけでスロウの囮が壊れたもう片方の箇所へと進む。その道中、親分のいる場所こっちだよ、とシトリーも言っていたのでまあつまりはそういうことなのだろう。


「それで、エミルはどーするつもりなんですか?」

「どうするって、何が?」


 スロウの言葉に俺は首を傾げた。どうするも何もそいつぶっ倒して終わりだろ。そんなことをいうと、ぶっ倒すってどこまでですかと返しが来る。

 どこまでって、そりゃあ。と、言われて気が付いた。ただ気絶させるなり何なりして公爵家に突き出せば解決だと思っていたが、そういうわけにもいかないということに。


「いや、それでいいだろ」


 とか思ったが、別にそんなことはないと思い直した。野盗なんだから元々ギルドに使役の届け出なんか出してるはずもないし、テイムされたという繋がりだけならば捕まえてから解除させればいい。


「そうかしら? それだけ時間掛かるし、その場合そもそもあいつらの一味扱いになるわよ」

「あー……そうか」

「そもそも、自分の部下だか仲間だかを餌にしてテイムのスキルを使うような奴よ? 捕まったからって素直に使役の繋がりを解除とかやると思う?」

「しないよなぁ……」


 となると、捕まえる前にシトリーとの繋がりを解除させるか、あるいは繋がりそのものの無くすしかない。後者の具体的に無くすかは、命を、だ。


「まあでも、エミルがやりたくないなら無理にしなくても。繋がりって別に見えるものじゃないですから、いざとなったら無理矢理にでも無いってことにしたらいーですし」


 それも一つの手ではある。が、テイムのスキルで仲間にしている場合、多少強引に命令をすることも可能というところに問題が出てくる。他にいるであろうトラップレシアとは違い、手違いかつ異常個体というイレギュラーではあるものの、テイムされてはいるらしいので。向こうがシトリーに命令を下した場合、こいつがどうなるかがなんとも未知数なのだ。


「いざとなったら……全力で抵抗するからぁ……」


 テテテテ、と歩きながらアリジゴクがそんなことを述べるが、その抵抗でどうなるかが分からないのが問題なんだという話なわけで。そう考えると一旦置いてった方がいいのかもしれない。

 そんな提案をすると、アリアにこいつが見えない場所にいると逆に危ないと告げられた。成程、こっそりといたところに命令されて、抵抗をすり抜けられて、というのが最悪のパターンか。


「じゃあもう、変なことをされないように一撃で仕留めるのが一番手っ取り早いですね」

「そう、だよなぁ……」

「別に今更だし、なんならあたしが殺ってもいいわよ」

「いや、大丈夫だ」


 色々と濁していたが、一番簡単なのは今ここでテイム主である野盗の親分をぶっ殺すことだ。今回の場合、情報が正しければ既に何人も殺している相手なので、こちらが始末しても問題はないはず。なので、俺がその覚悟を決められるかどうかだけだ。


「まさか俺も同族殺しをする羽目になるとは」

「多分向こうでトラップレシアとも戦闘になるでしょうし、これで全部の同族殺しですね」

「何もめでたくないからな、言っとくけど」







 奇襲が出来ればよかったが、どうやらそういうわけにもいかなかったらしい。向こうも人とモンスターの見張りを立てていたらしく、俺達はあっさりと見付かってしまった。まあデカいアリジゴクのシトリーがいる時点で出来たらいいな、くらいの感覚だったので問題はない。

 問題なのは。


「多いな……」

「部下を食わせ従わせた魔物だけかと思いきや、人も……。人望があるようにも見えないけれど、わたくしの目が少し曇ったのでしょうか」


 アリアンロッテモードのアリアの呟きに、確かにおかしいよなと俺も同意する。が、スロウは別にそんなことはないんじゃないですか、と返してきた。


「多分残ってるの、あの親分と似たりよったりなんですよ。だから全員、問題なし」

「成程。下衆は下衆を集める、といったところかしらね」

「はんっ。いいさ、問題なしなら中途半端な覚悟じゃなくて済む」


 スロウのその言葉に疑いを持つことはない。多分、なんて言ってはいたが、あいつの中ではもう確定事項だ。だったら、何の問題もない。スロウのせいだとか、そう言うつもりもない。スロウがそう言ってくれたから、俺が覚悟を決められただけだ。

 剣を抜く。セフィから貰った特性持ちのそれを構えると、不思議と自分に馴染んでいる感じがした。さっきシトリーに向けた時には感じなかったのに、だ。


「……やっぱり捻くれてんじゃねぇかよこの剣」


 野盗の一人へと一足飛びで接近する。どうやら俺みたいな子供がそんな動きをするとは思っていなかったようで、相手は反応が遅れていた。そのまま斜めに一閃、切られた野盗は反撃することなく倒れた。


「凄い……強いよぉ」

「エミルですから」

「理由になっていませんわよ」


 後ろのそんな声を聞きながら、俺はもう一人の野盗へと駆け寄り、同じようにぶった切った。なんだこいつ、とか、聞いてないぞ、とか聞こえてくるが、そんな言葉に耳を貸している暇はない。

 次、と俺は一人の少女に剣を向け、って、女の子?


「バカ! エミル!」


 瞬間、地面からアリジゴクが突き出てきた。そのまま花弁であった顔と胴体部分がばくりと割れ、油断している俺を飲み込もうとする。

 が、その直前に俺は疑似餌である少女の体に剣を突き刺して落下するのをなんとか防いだ。このバカ、と羽を見えるようにして飛んできたアリアに掴まりそのまま離脱、置き土産に少女の体は横にぶった切ってきた。


「何やってんのよバカ。野盗とトラップレシアの組み合わせだって知ってたでしょうが」

「ああ、そうだったんだけど」

「……流石に、自分の同族殺しはキツかった?」

「いやまあ……そうかもな」


 覚悟はした。決めた。でも、実際やるとほんの僅かでも揺らぎが出た。

 地面に下ろしてもらった後、剣を握り直す。さっきの感覚は薄くなり、今度は剣というより鈍器のような気さえしてきた。こいつ、本当に捻くれてやがる。いや、違うか。俺の感情と連動してるのか。それも、奥底で思っている方の。


「成程、これは確かに『非の打ち所のない悪徳』だ」


 思い切り舌打ちをしながら、俺はスロウに声を掛ける。悪い、支援よろしく。そうとだけ告げると、再び野盗の方へと突っ込んでいった。

 剣を振る。今度は相手を切り裂けず、しかしその代わりに骨の砕ける感触がした。倒れて悶える野盗を見ることなく、俺は次の野盗を頑丈なだけのなまくらになった剣で殴り倒す。


「ん?」


 ガシリ、と何かに足を掴まれた。視線を落とすと、先程下半身を真っ二つにされた少女の疑似餌が、クスクス笑いながら俺の足にしがみついている。耐久力と再生力が高いというだけはあり、疑似餌の破壊で受けたダメージなどは微々たるものらしい。そのまま掴んでろよ、と野盗の一人が今の俺の状態を見て勝ったとばかりに武器を振り上げている。


「相手はそいつ一人じゃないのよ!」


 ぶわ、と巻かれた鱗粉により麻痺毒にやられた野盗はそのまま白目をむいてぶっ倒れた。ついでに俺にしがみついていた疑似餌の少女にも鱗粉が巻かれ、そして発火した。俺自身はスロウの支援により無傷である。あー、成程、無茶苦茶な支援力があるとこういう事も出来るのか。

 疑似餌が燃えたことによりアリジゴクの本体が飛び出してきたが、アリアはそれにも鱗粉を使い発火させた。炎で燃えたことで花弁をガバリと開いたそこに向かい、俺は全力で剣を突き刺す。先程のなまくらが嘘のように剣は深々と突き刺さり、そのまま振り上げるとアリジゴク花の体を開きにした。


「シトリー!」

「は、ひゃい!?」

「お前の仲間ぶっ殺したけど、問題は?」

「え? なか、ま……?」

「あ、うん、分かった、俺が悪かった」


 滅茶苦茶不思議そうな声で返されたので話を打ち切った。これはスロウの割り切りともちょっと違う、そもそもその概念がなかったやつだ。というかこいつはぐれでもなく生息域にちゃんと住んでいたはずなのにどれだけボッチだったんだ……。


「じゃあ質問変えるぞ。お前の身内とかいるか?」

「いないよぉ……。ワタシ、生まれた時点で一人だったから……」

「俺が悪かった」


 トラップレシアは虫なのか植物なのかよく分からんモンスターではあるが、多分増え方とかは植物に近いんだろう。……こいつが生まれてからどれだけ経ってるかは知らないが、今までずっとぼっちだったのか。俺にはスロウっていう幼馴染がいたから、じゃない、逆だ逆だ。スロウは俺という幼馴染がいたけど、だ。

 そんなことはどうでもよくて。俺とアリアによって野盗の数はみるみる減っていった。生死はだいたい半々くらいか? 心のゆらぎも減ってきたのか、剣は通常の切れ味を取り戻している。


「何だお前ら……ガキの冒険者のくせに……!?」


 野盗の親分であろう男がそんなことを言っているが、知らんとだけ返す。本心である。あれよあれよという間に一ヶ月ちょいで色々と駆け上がってしまったが、何故そうなったのかは俺も実際よく分からない。

 まあ、今重要なのはそんな理由などではなく。俺達がこの野盗団を壊滅させる、ということだけだ。とはいえ、それなりの数はいたが大規模集団というほどでもなかった。人とモンスターを合わせて十人を超えるくらいだっただろうか。俺とアリアでもう六人ほど倒したので、後は部下らしき男が三人と、少女の疑似餌を侍らせている親分くらい。まだ意外といるな。


「一応、モンスターとのテイムの繋がりを解除して投降するなら、ここで終わりにするけど」

「何を言い出すかと思えば」


 はん、と親分が鼻で笑った。どうやらこの状態でも諦めてはいないようだ。部下達も逃げ出す様子がないところからして、同じ考えなんだろう。

 あるいは、どうせ捕まっても死罪になると分かっているのか、だ。


「フォーマルハウト公爵領から逃げ出して、新天地でやっていくんだ。ガキに邪魔されててたまるかよ」


 親分や部下が口々にそんなようなことを言っているが、それを聞いて大体のことを察した。大方向こうでも討伐されかかって、逃げるために魔物使いのスキルでも覚えて罠ごと持ってきたって感じか。シトリーはそこに巻き込まれた、と。


「なあシトリー」

「ひゃい?」

「お前何でこいつらのアジトの近くにいたんだ?」

「餌の狩り場って、一体だけだと定住出来なくてぇ……」

「俺が悪かった」


 こっちの森でもこいつらと離れていたのはそのせいか。まあおかげで先に出会えたし、野盗との戦闘の時混ざってたから話す余裕もなくばっさり殺ってた、とかいうことも起きなかったのでよしとしよう。

 気を取り直す。スロウは俺の少し後ろで支援と回復の準備万端。アリアは腕組みをしながら俺の横で浮いている。きっと向こうは分かっていないだろうが、この状況は詰みだ。少なくともあの程度の野盗は、である。親分とその横にいるトラップレシアはその限りではないと考えてもいい。しっかり中級の枠組みに入っているモンスターが数体と、それを従える魔物使いのスキル持ちの男。油断したらやられかねない、と俺は意識を集中させた。


「エミル!」

「了解!」


 そのタイミングで地面からトラップレシアが飛び出してくる。飛び退りながら視線は向こうを見たまま確認。疑似餌の一体がこちらを、トラップレシアの本体を見ていることから、疑似餌を置いたままの奇襲攻撃だ。通常のトラップレシアはこんなことをしない、基本疑似餌の下で罠を張っている。まあつまりあの親分の入れ知恵、というか指示なんだろう。ち、と舌打ちをしていることから、今ので始末出来ると思っていたらしい。


「わざわざ横に疑似餌置いてあるってことは、何かするんだろうなって予想してたからな」

「このクソガキっ……」


 アリア、と俺は横にいたあいつの名前を呼ぶ。分かっていたのか、奇襲してきたトラップレシアの開いた口に鱗粉をぶち込み、そして内部から燃やした。うわ、えげつない。黒焦げになったトラップレシアに合わせるように、親分の横にいた少女の一体の体がビクリと跳ね、そして動かなくなった。役立たずが、と動かなくなった少女を親分が蹴り飛ばし、主の無くなった疑似餌は力なく四肢を投げ出したまま転がっていった。

 これで残るトラップレシアは三体。野盗の部下の方は、奇襲があっさりと防がれたことと内部から燃えるアリジゴク花を見たことで恐怖が増してきているようだ。


「おい、テメーら! どうせ捕まれば死罪だ、死ぬ気でぶち殺せ!」


 親分の怒号が飛ぶ。それに我に返った部下達は、文字通りに死ぬ気でこちらへと突っ込んできた。が、さっきのやつ見てなかったのかよと言わんばかりの俺の表情で何かを察し、そしてその時にはもう遅いとバタバタ倒れていった。


「はい、雑魚は始末したわよ。後は向こう」


 麻痺毒で部下達を一網打尽にしたアリアが、ほれいけ、と親分を指差す。それはつまりトラップレシア三体と親分は俺がやれってことでよろしいか?

 そう問い掛けると、手助けはするわよ、という返答が返ってきた。


「まあでも。あたしの手助けとかいらないんじゃないの? ねえ、スロウ」

「そーゆーことです。はいこれ!」


 そう言って支援が重ね掛けされる。あの時の全力支援には及んでいないが、それでもこのブーストは大分過剰な気がしないでもない。とはいえ、アレだけのモンスターとその使役者を倒すならある程度過剰でも困りはしないか。何よりこいつは討伐の糧や経験にするような相手ではない。


「ぐっ……! おい、そこのトラップレシア! ぼけっと突っ立ってないで後ろからでもそいつらを攻撃しろ!」


 支援を受けた俺を見て親分の顔色が変わる。そうしながら、恐らくこれまで口にはせずに命令を出していたであろうそれを、より強く制約が掛かるように叫んでいた。

 だが、シトリーはそのアリジゴクの体を前に出すと、むしろスロウとアリアを守るように立ち塞がる。


「嫌だよ……名前も呼ばないやつなんかの命令はぁ……聞かない!」

「この、役立たずが! もういい、残りであいつを――」

「遅いんだよ、馬鹿」


 命令出すならもっと早く、一括にしとけ。それか、俺とスロウみたいに言わなくても連携出来るようにしとけ。

 そんなことを思いながら、強化した能力で即座に距離を詰めた俺は、親分を袈裟斬りに切り裂いた。







「はい、では報告完了です。お疲れ様でした」


 ベルンシュタイン公爵家の城。そこで今回の顛末の書類を作り終えた俺達は、セフィの言葉を聞いてふぅ、と息を吐いた。野盗団は壊滅。生き残った連中もまあ結局死罪なので全員死亡でいいだろう。残っていたトラップレシアは、親分が死亡したことで繋がりが無くなり野生に返っていった。これからはあの一角はベルンシュタイン公爵領のトラップレシア生息地に一旦認定し、向こうが討伐されるようなことをし始めたらその都度対処、ということらしい。まあ正直現場の検証ついでに倒されるような気もしないでもないが、一応だ。


「それで、こちらの資料と照らし合わせた今回の件の詳細ですが」


 俺達の報告書を見ながら、セフィはそんなことを俺達へと話した。

 逃げてきた野盗団だが。そもそもフォーマルハウト公爵家令嬢が根城の位置を知っていたということは、もうほぼ首に縄が掛かった状態も当然で、天然の罠の存在まで知られているので間違いなく詰みだ。それでもどこからか情報が漏れたのだろう、野盗の親分はなんとかして逃げ出し新天地で活動しようと画策、魔物スキルのテイムを使い天然の罠を自身の戦力として組み込むため部下を餌として使いトラップレシアを手駒にして。そして反対側のベルンシュタイン公爵領で活動再開といく予定だった。


「はぐれのトラップレシアがいる、という情報だけで即座にこちらの資料を送ってくださったアンゼリカ様には感謝しきれませんわね」


 今度直々にお礼に行きましょう、と述べたセフィは、アリアをちらりと見てから俺達に同行してくれますかと提案をした。が、正直セフィみたいに出会った時正体を知らなかったならともかく、確実に公爵令嬢だと分かっている時点での初対面だ。どこまでいっても田舎者の冒険者でしかない俺には大分ハードルが高い。

 とはいえ。いいんですか、と目をキラキラさせているアリアがいるので、嫌だとも言い辛い。何かしら失礼なことを言ってもいいのならば、という前提でその提案は受け取ることにした。


「ありがとうございます。実は私も不安でしたの。冒険者をしていたので、あまり公爵令嬢としての活動を行っていなかったもので」

「あー……そっか。そういうことなら、最初から断らなかったぞ」

「エミルって、素直な相手の気持ちには捻くれてても素直に返すんですよね」

「何だよ、文句あんのか?」

「ううん。そういうところ、好きだなーって」

「こ、告白ぅ……!?」

「ああ、アレならいつものことだから、気にしないほうがいいわ」

「いつもの……ことなのぉ……!?」


 何だお前ら。いやまあ実際いつものことだが、別に何か変なことをしているわけでもないだろう。告白じゃないんだから。

 そんなことを思いながら、アリアともう一人、銀に近い色合いの、前髪で片目の隠れた長い髪を肩口あたりで左右で結んでいるちょっとぽやぽやした目の少女を見やる。胸の下辺りをベルトで止めたようなブラウスとブレザー、短めのプリーツスカートにタイツ、という服装を見ていると、この間のトラップレシアの疑似餌とは似ても似つかない。

 こいつがシトリーである。疑似餌の外側の感触はともかく中身は基本空洞なので、服を着るようにその疑似餌を被り擬態をしているのだとか。他のトラップレシアも出来るのか聞いたが、別個体とのコミュニケーションを取ったことがないので分からないと返された。俺が悪かった。


「それで、シトリーさんの件ですが。こちらは特に問題なく手続きを終わらせました。これでベルンシュタイン公爵家令嬢傘下の冒険者、エミルさんのパーティーメンバーですわ」

「良かったよぉ……これから、よろしくね……」


 なにか役に立てるかわからないけど、とシトリーは続けたが、元々そういう理由で仲間に勧誘したわけじゃないし、そもそもお前レベルで役に立たないはありえないと思うぞ。

 そんなことを改めて告げると、そうかな、といいつつ嬉しそうに笑っていた。


「メンバーも揃ってきましたし、そろそろ大冒険ですかね」

「今までも十分大冒険だったんだよ俺達は。大体そんなもんなくても、俺はスロウと――お前達と適当に冒険者生活やれるだけでも全然問題ないんだけどな」

「まあ、そうですね。わたしも大冒険よりエミルと一緒がいいですし」

「……告白ぅ……」

「いつものことだから、気にしないほうがいいわよ」

「いつものことなのぉ!?」


 だから何だお前ら。変な会話をするんじゃない。セフィも笑うな。



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