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転生したら幽閉王子でした~これどうすんの?  作者: サクラ近衛将監
第二章 ハンターとして

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2ー26 寮の建設と色恋沙汰?

 採用したマイク執事長とシェリアメイド長に対する指示を終え、僕は旧セントリード侯爵邸に戻ったよ。

 そうして、取り敢えず、西隣の元子爵邸との間の塀を取り除いた。


 その方が敷地を有効に使えるからね。

 その上で、従者用の仮宿舎として二階建ての木造建造物を新たに錬金術と魔法で生み出した。



 素材は、王都から少し離れた山間部の森林や地下から採って来たもので、僕の亜空間倉庫に大量にあるしろものだ。

 特に今回の叙爵を予期していたわけじゃないんだけれど、もし王都を出ざるを得ないようなことになれば、素材が必要になるかもと思って、かなり前に用意していたものなんだ。


 仮宿舎の内部の部屋は、概ね30~54平米ほどの1K造りだ。

 全室南にガラス張りの大きな引き戸があり、晴れた日には日差しが室内に入り込めるようになっているが、ガラスそのものが高価であることと、大きな平面ガラスを作る技術が無いから、こうした造りの家屋は王都でもかなり珍しいだろう。


 部屋の外の南に面した部分には12平米ほどのバルコニーがあって、外での日光浴も可能だ。


 そうしてこの世界の民家では、多分ほとんど無いであろうバストイレ付きの部屋だから、前世でも独身者が住むには十分な空間のはずである。

 但し、入居者の男性・女性の区別はつけるために、男性用と女性用それぞれの棟を造り、さらに妻帯者や家族が居る者のために、家族用の宿舎も用意することにした。


 また、従者に序列などもありそうなので、個室x2、二人部屋x3、四人部屋x5に分けている。

 部屋割りは、執事長とメイド長にお任せだな。


 また、家族用の宿舎については、従者ではない者が家族として含まれることも予想され、そうした者が屋敷の中に出入りすることが問題視される恐れもあることから、屋敷の周囲の隔壁を一部切り取り、敷地内に新たな二階建て宿舎を造った上で、境界を区別するために新たに隔壁を設けることにした。

 この敷地は飽くまで公爵家のものだが、家族用宿舎はある意味で町屋扱いになる。


 そうすることで従者の家族の出入りを自由にできるようにしたのである。

 家族用宿舎に住む従者は、毎日定刻に通用門を通って出勤すればよい。


 僕としては、別に従者達に持ち家が有る場合は、そちらに住んでも構わないと思ってもいるのだが、慣行として貴族の従者と言うものは、雇い主と同じ屋敷内に住むものらしい。

 門衛も、取り敢えずは、従者に兼務させることになるだろうけれど、披露宴までにはきちんとした衛士を配置させる必要があるね。


 いずれにしろ、男性独身寮10戸、女性独身寮10戸、その二つの独身寮の間に食堂を設け、さらに家族用宿舎6戸を延べ二時間半ほどで建造して、その日の建設作業を終えたよ。

 各宿舎には、寝台、上下水道、(かまど)、温水供給器などの魔導具が設置されているので、従者たちが明日からきても取り敢えずの生活には困らないはずだ。


 いずれ、屋敷の大改造が済めば、正式な独身寮と家族寮を造るつもりではいる。

 公爵家の仮設住宅の作業を終えたけれど、この後、診療所での仕事が待っているから、診療所に戻ることにした。


 この分では、ハンター稼業は明日もお休みだな。

 明後日の王宮参内のために馬借に頼んで御者と馬車を用意してもらわねばならない。


 また、いずれ家紋も必要になるのだろうなぁ

 貴族街区では、家紋をつけた貴族家の馬車が動き回っているからね。


 いずれ僕が乗る馬車にも家紋をつける必要があるはずだ。

 一応は、前世にあった『下り藤に桔梗』の紋を考えているんだが、これも後日、執事長やメイド長と相談するつもりなんだ。


 ダイノス侯爵家の事例でもわかるように、袱紗や武具にも家紋が必要なんだろうね。

 一応、『下り藤に桔梗』紋の意匠を描いた袱紗を用意して、マイク達との相談の際にサンプルとして使おうと思う。


 この世界では、剣や槍、それにドラゴンなどをあしらった家紋が多いことは知っているけれど、それらと違う意匠の方が区別がついて分かりやすいだろうと思うんでね。

 場合によっては、この家紋を診療所に使っても良いと思ってる。


 その場合は、正規の家紋と違う白抜きがよさそうだね。

 本来の家紋は黒字に金で(かたど)り、そうでない場合は、白地に黒い細線の白抜きで家紋を象るだけにする。

 それぞれ(おもて)家紋と(かげ)家紋とすることにしよう。


 家紋の使い分けをあらかじめ決めておけばよい筈だ。

 こうした植物の象徴的な図柄の家紋を採用することが難しい場合に備えて、ツインのペガサスをモチーフにした家紋も考えている。


 ペガサスは金であしらって向かい合わせのツインとし、周囲につる草模様で飾りをつける。

 こいつも表家紋と蔭家紋を用意した。


 一方で、騎士の召し抱えの話はどうするかだが、いずれはどうしても必要になるのはわかっている。

 現状では、領地に代官が率いる騎士団が存在するんだが、元は王家の直轄領であったから近衛騎士団の一部が入り込んでいるらしい。


 それ以外に現地で採用している地元の騎士たちも含まれているようだ。

 王家の直轄領から公爵領に変わることにより、彼らの処遇がどう変わるかを心配している向きもあるだろうから、叙爵後できるだけ速やかに領地に赴いて、領内の取り敢えずの面倒ごとを片付けなければならないだろうね。


 可能な限り、現状を維持するつもりだけれど・・・。

 引継ぎの時期やらその際の取り決めが明確じゃないので、これからも王宮との折衝が色々と必要になるんだろうなぁ。


 代官所はそのまま置いておくとしても、いずれ領主館は新たに新築せねばなるまいね。

 僕もずっと領地に顔を出さないというわけには行かないだろうから・・・。


 でも面倒なんだよね。

 領地持ちの公爵になったのって、王家相談役のクロイム・サイルズへの諮問とその回答によるところが大であったのは妖精sの調べで分かっている。


 彼が良かれと思ってやったことではあるのだろうけれど、僕としては迷惑この上ない。

 公爵に叙爵されることで今後派生する問題としては、僕に対する縁談話が殺到することが予想されるんだ。


 成人になったばかりの貴族の御曹司?ではなくって、まさしく玉の輿となる若き未婚の公爵本人が居るんだから、適齢期の娘を持った貴族連中は一斉に僕をターゲットに動き出すに違いないんだ。

 今のところは叙爵予定を知っていても動かないみたいだが、それは実際に叙爵されてからでないと動けないだけのことに過ぎない。


 概ね300家にも及ぶ貴族のうち、叙爵に関する情報を既に知っている伯爵以上の上位貴族は法衣貴族を入れても37家ほどあり、そのうち18家は幼子を含めて娘を何とか新公爵にくっつけられないかといろいろ算段をしている様子なんだ。

 貴族社会も何かと世知辛いよね。


 まぁ、公爵と言う爵位が確かに玉の輿であろうことはわかるんだけれど・・・・。

 そう言えば、ここしばらく、クラウディア嬢の姿を見ていないが、体調を崩したのかな?


 従前は三日と明けずに診療所に来ていたけれど、ここ最近は姿を見せていないんだ。

 妖精sにちょっと調べて貰ったら、少し悩ましい話が出て来たよ。


 どうやら、ダイノス家でも僕の叙爵予定については知っているらしい。

 伯爵程度の爵位であれば、クラウディアの婿として迎えるにも十分であったが、逆に公爵にまでなってしまうと、流石にクラウディアの婿として迎えるわけには行かなくなったようだ。


 そのことを知ったクラウディア嬢が若干ふさぎ込んでいる一方で、ダイノス侯爵は、娘の思いに応えるために、クラウディアが万が一嫁として家を出た場合には、親戚筋から養子を迎えることが可能かどうか下準備を進めている様子だ。

 目下のところ、侯爵自身の覚書には、3名の養子候補者の名があって、鋭意その身上調査を進めているようだ。


 本来であれば、ダイノス侯爵も他の貴族の子息をクラウディアの婿として迎えるつもりであったのだが、クラウディアの思い人がリックであることを知って、相当に悩んだらしい。

 僕が名誉伯爵になったことを契機として、僕を婿養子の候補とすることをある程度は決断していたようだ。


 しかしながら、王都近郊にスタンピードが発生し、あっという間に王都の英雄となった僕であったから、縁談話も進められないうちに、僕の叙爵の話が出てからは身動きが出来なくなったようだね。

 まぁ、僕から見てもクラウディア嬢は良い()だよね。


 但し、正直なところ、僕としては、未だ結婚なんか考えられないというのが本音かな?

 精神年齢はずっと上だけれど、生身の身体は満年齢で12歳、こっちの世界では13歳だけれど、前世では小学6年生ぐらいだよね。


 そんな年齢では、異性を多少意識することはあっても、結婚までは考えられないのが普通じゃない?

 ただし、この世界ではそこの考え方が違うんだよね。


 特に貴族の女性は、13歳を超えるまでに婚約者を決めておかねばならないという掟のような慣行が有るんだ。

 取り敢えずの婚約を決めておいて、後に破棄するなんって荒業もあるようだけれど、貴族の場合は往々にして政略結婚が多いんだ。


 貴族子女はそんな慣行に慣れ親しんでいるからおかしいとは思わないらしいが、仮に意中の人が居たならかなり辛い思いはするのだろうね。

 だからクラウディア嬢は何とか僕を伴侶に迎えたくて、盛んに診療所にまで押しかけて来て親交を深めようとしていたようだ。


 死を目前に控えていた時に助けられたという()()()()()が多分にあるとは思うけれど、身近なところから伴侶を選ぶなら、吊り橋効果であろうがなかろうが、好きになった人を選びたいと思うのは人の常なんだろうね。

 でも貴族社会ってのは、釣り合いとか格式とかを考えて、当事者が必ずしも自分勝手に動けない事情もある。


 僕が情にほだされてクラウディア嬢を選んだにしても、必ずしも彼女の幸せにつながるとは確信できないからね。

 それでも、僕自身の考えで嫁をどうするかは、いずれ決めねばならないんだろうね。


 クラウディア嬢に限らず、どこぞの貴族から婚姻を迫られるのはわかりきっている。

 中でも特に心配なのは王家かな。


 実は王家にも婚約者をそろそろ決めなければいけない二の姫が居るんだ。

 僕の二つ下で今は数えで11歳。


 未だ婚約者は居ないが、ここ二年の間に相応の身分のある上位貴族の子息、若しくは、外国の上級貴族や王家に嫁がせることも考えねばならないようだ。

 因みに、僕とは兄妹(あにいもうと)の関係になるから、結婚は絶対に(まず)いだろう。


 一の姫だったら異母姉妹になるからまだましではあるけれど、それでも王家の姫との結婚は、王である実父の血が間違いなく入っているから、絶対に避けねばならないんだ。

 その意味で僕の素性を知らない王家が、そちらの方向に動くのは絶対に阻止せねばなるまいな。


 それにしても、今の年齢で伴侶選びとは・・・。

 頭が痛い話ではあるよね。



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― 新着の感想 ―
> いずれ、屋敷の大改造が済めば、正式な独身寮と家族寮を造るつもりではいる。 > 公爵家の仮設住宅の作業を終えたけれど、この後、治療院での仕事が待っているから、治療院に戻ることにした。 > > いずれ…
王様、分かってますよね? byエルフの相談役(⌒-⌒; )
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