余命宣告
僕はこのクッソたれのつまらない世界とおさらばしようと思う。
僕はそう心の中にいる理性に語り掛けた。
「やあ今から死ぬところかね」
後ろにいる誰かに話しかけられる、きっとこの人は優しくて僕の自殺を止めようとしてくれているのだろう、死のうとしている愚か者に話しかけるのなんてそれくらいだろう。
「止めてくれるのか?」
まあ止められたとて止まる気は無い、人に話しかけられた程度で揺らぐ決意ならばここに立っては居られないだろう。
「いや止めないよ、聞きたいだけ、なんで死にたいのか」
驚いた、止めようとしている訳ではないのか、後ろにいる人がどのような人なのか気になってしまった。
「どうした、私に説明できない程つまらない理由なのか、それなら君に用はないが、損したなあ、病院の屋上で自殺しようとしている面白そうな人が居たから来たのに」
「まあ隠す必要もないし話すよ、僕はこの世界に絶望した、いやしていた、そんな中後押しをするように余命宣告された、僕は一カ月後に死ぬらしい、ならもう今ここで死んでしまおうと、これから一カ月間死に恐怖するならば今ここで恐怖を終わらせようと」
少し押し黙った後後ろに居る人は続けた。
「そして踏み切ったと、やっぱり分からないな、でも面白い、今までに余命宣告をされた人とは出会ってこなかった、私は君の気持ちを知りたい、君の全てを、君の一カ月を私にくれないか?」
どうなのだろうか、それにどんな意味があるのか、いや意味はこの人が全て言っただろう、ただこの人の好奇心を満たすためだろう、僕にとっては意味がない、今までの人生同様意味が無い、ここで死んでも生きても変わらない、ただ無に帰すのが遅くなるだけ。
後ろに居る名前も姿も知らない人に手を取られ引き寄せられる。
彼女の前に立ち彼女の容姿を目にした。
僕の後ろに居た人の最初の印象は美しい、腰まで伸びているサラサラしている髪の毛で前髪は目が隠れるほど伸びていて前がちゃんと見えているのか分からない程だ、だがその髪から覗かせる目はどこを見ているのか分からなず、いやどこをではない何をと言った方が適切だろう、何かを見ているのは分かるが何を見ているのは分からないそんな目をしていた。
服装は何故かローブ一枚羽織るだけで本人自身の空気感などが合わさり、異様な雰囲気を醸し出してる。
身長は高く僕が165㎝程度だから180㎝はありそうだ。
「知ってるか?、とある詩人が言った、事実は小説よりも奇なりと、だが普通の人は普通に生まれ普通に良き普通に死ぬだけ、この言葉が当てはまる人など一割にも満たないだろう、人生は基本平凡だ、たとえ成功していてもだ、奇怪な人生を送れる人は本当に一握りだ、そして君が私を受け入れたらその一割になれるぞ、どうする?」
手をさらに引かれ両腕に包み込まれ見降ろされた状態で言われた、普段は髪の隙間からかすかに見える目が今は見降ろされているが故にはっきり見えて、その目はさっき抱いた様に何を見ているのか分からない目をしつつ、とても透き通った綺麗な目をしていた。
「分かりました、僕の全てを貴方に渡します、何も無い人生に何かを与えてくれんだろう、話に乗るよ」
そういうと彼女は少し微笑み僕を離した。
「まずは奇怪な出会いだな、自己紹介してあげよう、私は名も無き不死身の化け物だ」
おかしな奴だとは言動で分かっていたが本当なのかそれとも
「本当だよ、私はただの不死身の化け物、今だって君の思考を読んだ、さっきだってドアの開く音などはしなかっただろう」
僕がこの屋上に来てから扉が開く音などはしなかった、どこからが本当でどこからが嘘なのかも分からないな。
「そうそう言っておくと私の力をもってしても君の運命を変える事は出来ない、でも出会いは人の運命を変える、何か思うことが変わっても一カ月後必ず死に向かう訳じゃない、何か出会いがあれば運命は変わる、もしかすれば既に変わってるかもしれない、じゃあ行こうか」
なるべく人の行動や容姿の描写を増やして書きたいな(願望ですよ)




