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4話

(ゆき)!幸いるか!?」

ドンドン!

先程出会った少年、ヨシノリンタロウに手を引かれ私達はとある家屋の前にいた。

家屋、でいいのかな?

窓や扉がたくさんあって、隅には階段まであって上の階も同じような造りになっているのだろうか?

ガチャ。

しばらく彼がドンドン叩いているとドアが開いた

「なんだ!?騒々し.....なっ!?」

開かれると同時に怒声が耳に響いたが、彼女、ユキと呼ばれた少女は私の顔を見て驚いていた。

薄紅色の髪は肩の辺りまで伸びていて、両肩からそれぞれ下ろされている。

髪を結んでいるのは白いリボンでちょっと可愛らしかった。

整った顔立ちで目、鼻、口のバランスがとてもいい。

両の眼は驚きでまん丸くなっているが、元々つり上がっていると想像ができる。

何故かって?綺麗な丸になってないのだ。

楕円形、と説明すればいいだろうか?

開かれている口から覗く歯は、白く綺麗だった。

彼女は私に問い出す。

「まさか、カトリーヌなのか!?」

「ええっとぉ.....はい」

なんと答えようと迷った。一瞬顎に人差し指を置き、思考を巡らせたが、私の名前がカトリーヌなのは事実だ。

「やっぱりカトリーヌは生きてたんだよ!」

リンタロウは嬉しそうに叫ぶ。

だけどユキは表情を曇らせていた。

「いや、燃えていたあの建物は崩れたんだぞ。それが都合よく生きてるわけ.....。ひょっとしてお前は幽霊か?」

「なんだよ、お前にしてはそんな非科学的なこと……」

「基本は信じていない。だが、目の前のこいつは僕たちの知るカトリーヌと瓜二つだ!似てる顔をした人間は存在していると聞くが、名前まで同じなんてことはそうそう無いだろう!?」

「それはまぁ.....」

言い淀むリンタロウ。

そこでこの場に似つかわしくない音楽が流れた。

「無敵な笑顔で荒らすメディア♫知りたいその秘密ミステリアス♫」

急にどこから?

彼女、ユキはズボンのポケットから先程出会った少女たちが持っていたのと同じ板を取り出し、表面を見て指でなぞっていく。

「僕です。.....はい、原稿はもう少しで上がります」

誰と喋ってるんだろう?

「はい、はい。では失礼します」

板を耳に当て、誰もいないのにお辞儀をしだした。

え?何?怖い。

「ふぅ.....」

板をポケットに戻し、私たちに向き直る。

「今のは魔法?」

つい零してしまった。

魔法で遠くの人と話ができるの?

ちょっと怖かった。

「魔法、だと?」

「もしかしてスマホ知らない?」

彼らは一斉に私を見据える。

「スマホ.....?」

ポカンとする私。

「今魔法と言ったな。そんなもの、この世界に存在しないぞ」

「え.....?え.....?」

今日は訳が分からない。

いきなり夜が昼になったり、見慣れない服、見慣れない建物。ここってまさか?

「僕は確信が持てないことを口にするのは嫌なんだが、あえて言おう。貴女は異世界人だ」

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