23話
「今帰ったぞ」
「ウキキー」
気づけば夕刻。
私とコタロウ殿は咲姫の根城である宮殿へと帰還した。
「おおー、ちょうどいいところに」
「どうした?」
「使者の選定が終わった所じゃ」
「ハジメマシテ」
「!?」
私は言葉を失う。
なぜなら。
「カトリーヌ様……!?」
「うむ、お主らの世界のカトリーヌ姫じゃ」
「ぴーがががががが」
「どうしたのじゃ?そんなに取り乱して」
「いや、だって向こうの世界のカトリーヌ様は死んだはずじゃあ!?」
「こうして生きておる。事情はおいおい話そう」
単純に考えてないだけです。
「黙れ作者」
「作者?」
「いや、天啓が聞こえただけだ」
「まるでジャンヌ・ダルクじゃな」
「それネタバレだからな?多くは語るなよ?」
「う、うむ…」
理解はしたようだ。納得は多分してない。
「アノ……コノセカイノワタクシは?」
カタコトのカトリーヌ様。
「貴女が元いた世界にいます。安心してください。有能な騎士がついてますので」
「ヨカッタ……」
「今は多くは語りません。ところで咲姫よ」
「なんじゃ?」
咲姫に向き直る。
「なぜこの方を使者に?」
「異国の文化を取り入れるのじゃ。住んでた世界は違えど、この方も立派な外国人。ならば、この国の者に任せるのには説得力に欠けると考えたのじゃ」
「そうか」
こいつなりに色々考えてるんだな。
伊達に街の人々から支持された者だ。
「伊達や酔狂でこの国の領主はやっておらん」
何故か胸を張る。
「その言い回しも危ないからな」
「ネタが分かる者はそうはいないじゃろ」
「だからと言ってもだな……」
むぅと思わず額に右手の平を当てる。
「ところで剣姫よ」
「なんだ?」
「その刀に微かに力を感じるのじゃが」
「わかるのか?」
「なんとなく、じゃがな」
ちょっと歯切れが悪い。
「抜いてもらっても良いか?」
「ああ」
チャキ。
私は先程鍛冶屋から頂いた刀を鞘から抜く。
「えらいボロ刀。じゃがこの力はいったい……?」
まじまじと刀を見つめるこの世界の私。
「店主が語るには真刀かもしれないとの事だ」
「真刀じゃと!?」
バッと身を乗り出す。
「わかるのか?」
「伝説じゃ。選ばれた刀を振るいし者、この世界を救うと」
「ふむ」
「いや、感想それだけ!?」
「正直実感がないからな」
「まぁ良い」
腕組をする咲姫。
「書物は用意した」
「明日より出発せよ」
「ああ」
「ヨロシクオネガイシマス」
「いえ、こちらこそです」
私とカトリーヌ様は握手を交わした。




