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14話

「はぁ!?表5!?僕がやる時は一回目で裏ザラなのに!」

「これが運だ」

「にしたって向こう運強すぎるだろ!」

声が聞こえる……。聞き覚えのある声が……。

止まっていた電源が、再起動したように私の意識は覚醒していく。

頭の下になにか敷かれているのがわかる。

適度にごつくて、でも固すぎないなにか。

背中は柔らかかった。

「う……ん……」

「あ、目が覚めた?」

視界の先には、見覚えのある顔が映っていた。

「あなたは……カメノコウタ……?」

「康太でいいよ。カトリーヌさん」

ニコッと笑顔を向ける。

どうやら私は彼にソファの上で膝枕をしてもらってたようだ。

してもらうならベルが良かったなぁ……。

なんて思うのは介抱してくれた相手には失礼だと思いましたが、やってもらうならやっぱりね。

背中の角度を90度あげて起き上がる。

「カトリーヌ様、お目覚めのようですね」

こちらに気づいたツルギさんが、ユキと一緒に顔を向ける。

彼女たちは、フローリングの上にクッションを敷き、仲良く四角いよく分からない機械に何事か喋っていた。

「おはよう。よく眠れたか?」

「ここは、リンタロウの家……?」

「そうだ、話してる途中で、気絶したあんたをこいつがおぶって運んでくれたんだ」

「あはは……」

照れくさそうに、頬をかくコウタ。

「リンタロウとベルは?」

「鈴はさっきから元気がなくてな。今は自室で犬たちと戯れてるんじゃないか?ベルさんの方は知らん」

「そう、ですか」

リンタロウの元気がない?どうしてだろう?

「カトリーヌ様」

「はい」

ぼんやり彼らのことを考えていると、ツルギさんが声をかけてきた。

「気を失う前のことを覚えてますか?」

「はい、えっと、私が狙われてるとか……」

「そうです、それについてなのですが」

「その前に!」

強く声を出してしまった。

「なんでしょうか?」

一瞬びっくりしたのか、目を見開いてもすぐに凛とした態度を取る。さすがの物腰だ。

「あなたとベルの関係は!?」

ポカーン。

全員虚をつかれたようにまた目を丸め、口が開いている。

「ゴホンッ」

我に返ったツルギさんが咳払いをする。

「カトリーヌ様が気になるようでしたらお話しましょう」

「お願いします」

頭を下げる私。

「それは今から7年ほど前です。私の脳内に直接声が届きました」

「案件だな」

「この扉はとある世界へと続いています。その世界ではいずれ、かの国の王女の命が狙われます。そのことを直衛の騎士に伝えなさいと。その国の王女と言うのが」

「その騎士というのがベルなのですね!?」

「ベルさんへの想い溢れすぎだろ」

つぶやくユキ。コウタは心無しか、落ち込んでいるように表情を曇らせていた。

「でも、よく知らない者が一国の城に入り込めたな」

「それは、その世界の剣姫様のおかげだ」

「ほう、平行世界の同一人物がまた1人現れたな」

「私の世界のツルギさん……?」

聞いたことがない。

「とにかく、彼女のおかげで私はベル殿と出会い、情報を共有出来ました」

「よくそんな簡単に信じてもらえたな」

「彼にも声が届いていたようだったからな」

眉をひそめるユキ。

「なんだ?その話、上手くできすぎじゃないか?」

「それを伝えたのが私ですので」

聞き慣れない女性の声が響いた。

ツルギさんの隣にいつの間にか座っていた。

「何者だ!?」

蒼白色の髪に、同じ色合いの翼が背中から生えていた。翼は閉じているけれど、広がったら大きそう。

そんな感想だった。

「私は全知全能の神。全ちゃんとお呼びください」

「いやそれダメだろ!?」

「あら?どこかの誰かと同じことを言いますね」

「どこかの誰かって誰だ!?平行世界の僕か!?」

「ふふふ」

口元に手をかざし、可笑しそうに、でも優しさを感じる笑い方だった。

「さて、カトリーヌさん」

「あ、はい」

「あなたのことですが……あら?」

直後、背中がゾワッとした。

この感覚、異次層!?

私とツルギさんの視線が交差する。

そして全知全能の神様の姿が消えた。

彼女がいたら都合が悪いってこと!?

「なんだ?自称神様消えたぞ」

「どこいったんだろ?」

状況がわかっていない2人。

バン!

リビングのドアが勢いよく開かれた。

「おい皆!犬たちの姿が消えたんだが!」

リンタロウだった。

「おい、どういうことだ?」

「異次層だ」

「異時層?」

「文字が違う。怒られるぞ」

「だったらややこしい名前つけるな!」

「2人で言い争ってる場合じゃないわ!」

仲の悪い2人に割って入る私。

「だったらこの状況を説明してくれ!」

ユキが叫ぶ。

「これは対象を異次元の空間に飲み込むの」

「なんのために!?」

「私たちを殺すため」

私とツルギさん以外の3人は絶句していた。

「くそ、とんでもない事に巻き込まれてしまった!」

「ひひひ、いいですねぇ。その恐怖の顔」

私達くらいの背の高さから雷雲のような黒いモヤモヤが現れ、猫背の男が姿を現した。

黒いローブを纏っているその男は、不気味に笑う。

「ひひひ……あなたにしましょうか」

リンタロウに目を向ける謎の男。

「俺!?」

構わず指を向け、黒い何かが、発射された。

「鈴!」

心配そうにユキが叫ぶ。

一方、リンタロウはと言うと。

「なんともないぞ」

「ひひひ、いずれ効果は出る。ではこれで」

今度は男の足元から黒いモヤモヤが現れ、吸い込まれるように消えていった。

「おかえりなさい」

次の瞬間、全知全能の神様が姿を現した。

「全ちゃん」

ゼンちゃんが姿を現した。

「全ちゃん殿」

「なんでしょう?」

ツルギさんがゼンちゃんに起こったことを話す。

「ふむふむ」

リンタロウを足から頭まで、見渡す。

「わかりました」

「どういうことですか?」

「とりあえず剣姫さん、あなたは数日の間、彼らからできるだけ離れないように」

「わかりました」

礼をするツルギさん

「いや、わかりましたじゃない!僕たちには何が何だかさっぱりだ!」

「これを言ったら物語の進行状、面白くないので」

てへっと舌を出す彼女。

「てへっ、じゃねぇぇぇ!」

「それじゃあ、てへぺりんこ。がいいですか?」

「だから怒られるって!」

えー、2人の漫才がまだまだ続きそうなので、今回はこの辺りで失礼します。


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