10話
「でねでね〜、そこで沙織が」
「香織、その話やめて!」
時刻は昼を回っていた。
私は、リンタロウが用意してくれたお弁当を箸とやらの道具で、おかずを落としながらも、口に運んでいた。
机を3つくっつけて、私と早速仲良くなった子達とお昼ご飯を共にしていた。
カオリとサオリと言うそう。
2人は双子で、カオリは右目を髪で隠し、サオリは逆に左目を隠している。
童顔で、背丈も150cmあるかないかくらい。
よく小学生に間違われると2人は話していた。
仲良くなった経緯だけど、自己紹介をして先生が教室を出たあと、クラスメイト達が一斉に私に構ってきた。
「どうして日本に来たの?」
「その髪、綺麗だね。どこの美容院?」
などなど、絶えず質問がとんできた。
リンタロウとユキに助けを求めて視線を送るが、当の本人たちは、片方が「グッ!」と親指を立てるだけもう片方は、そもそも視線を合わせてくれなかった。
薄情な人達……!
そう密かに怒りを覚えながら、この人だかりどうしようと思案していると。
「もーうっ、やめなよ!転校生困ってるでしょ!?」
「言葉重ねられたら、誰にどう返せばいいか分からないでしょ!?」
と、私に群がる人達に対し、両手を腰に当て仁王立ちで、注意してくれたのが彼女たちだった。
2人が、声を上げた瞬間。
「あはは、ごめんね」
とバツが悪そうに、クラスメイトたちは返事をし、蜘蛛の子を散らすように、私の周りから人は去っていった。
見かけによらず、この子達は何かしらの影響力があるようだった。
キーンコーンカーンコーン。
私がお礼を言おうとした瞬間チャイムがなり、2人は「じゃあねー」と手をヒラヒラさせて自分たちの席に帰って行った。
その後の授業終わりに、ようやくお礼が言えて「吉野ちんの従妹なら私たちの友達だからね」と笑顔で返された。
リンタロウと何があったんだろうと思いながら、昼休み早々に教室から去っていく彼らを追いかけようとしたところで、彼女たちにお昼を誘われた。
どうしようと思いながらも、助けてくれた恩人たちを無下に出来なかった。
「カトちゃん、今日の放課後空いてる?」
「ええ」
「じゃあ、一緒にクレープ食べに行こっ。美味しいところ知ってるんだ〜」
「楽しみにしてる」
自然と笑みがこぼれた。
友達と一緒に遊ぶ約束をするのがこそばゆかった。
元の世界では私は王女で、同年代の子達と遊んだ記憶が無い。
基本的にお城の中にいたからだ。
こんな生活が続くのなら、ずっとこの世界に……。
なんて考えていた時だった。
上手く言葉に言い表せられない違和感が私を襲った。
これは……?
違和感の正体を探ろうと辺りをキョロキョロと見渡す。
その正体は、校庭にあった。
私の城を襲撃した鎧の兵たちの姿があったからだ。




