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97

前回のあらすじ:2回負けた


専用空間

────────────────────────


俺は膝をついて絶望に打ちひしがれていた。



「そんなに落ち込まなくてもよくないかい?」



闇神様がそんな事を言っているが、しかし──



(何が最高の戦いだ! 何がダメージで記憶を失っただ! 俺はやつの足元にも及んでいなかった!)



最初から道化は俺の方だった! やつの実力を見抜けず、闇神様の前で無様を晒した!

しかも一方的に勇者を好敵手の様に・・・ クソっ!クソっ!これが羞恥心というものか! よくもこの様な思いをさせてくれたな! 絶対に貴様は俺が倒すぞ!勇者!


・・・とりあえず勇者に全力で八つ当たりする。 しないと恥ずかしさで死んでしまいそうだ。



「うんうん、気合を入れてくれて僕も嬉しいよ。 それで、どうするつもりだい?」



その言葉で一気に気持ちが下がる。空気を読んでくれと言いたくなるが、いや、これは、本当にどうすればいいんだ?

俺の最高の技が簡単に破られたのだ。 つまり俺の使える全ての技が同じ様に通用しないということではないか?


もしそうなら正面戦闘をしなければならない現状打つ手が無い。 

そもそも俺と勇者は何が違う? 何がこの差を生み出している?

頭を抱える俺に向かって闇神様は───



「そんな装備で大丈夫か?」



───と、言った。


・・・そうか! 俺の武器は俺が魔王に選ばれる前から使っていたもの。手に馴染んだ武器とはいえ一級品の物ではない。 服、もとい防具は魔王の威厳を出すために着ている物で、鎧などと比べると防御性能の差は歴然だ。


対して勇者の武器は伝説の聖剣だといつだったか部下の誰かが言っていた気がする。

その時はそれがどうしたと一笑に付していたが、こうなれば話は別だ。   


武具をより強力な物にする。 それが出来れば勝ちの目が出るかもしれない。 そこまで考えて、しかし───



(今使っている物より強力な武器など持っていない・・・・)



今までこの装備でも問題なかった為、予備の装備すら持っていない。 誰かに作ってもらう時間も無い。 目前に来ている勇者に武器作るからちょっと待っててくれなどと言えるわけがない。



(せっかく闇神様が提案してくれたが、これは実現不可能な案だろう・・・)



そんな風に考えていると、若干不満そうな闇神様がこっちをチラチラと見ている事に気付く。

これは、もしや自分を頼れと言うことなのだろうか?


俺の敗北=闇神様の敗北となると、上手く頼めば出してくれる可能性はある。 先のルールに抵触するかもしれないが、どうせ他に当てはない。試してみる価値はあるだろう。



「闇神様、1番いい武具をお願い出来ないでしょうか?」



そう言うと、闇神様は嬉しそうな顔で此方に手をかざし───



(これは! これならいける!)



───次の瞬間、俺は今までの装備が唯の服と木剣であったかのような強力な装備に身を包んでいた。 剣は一回り大きくなり、布製だった服も不気味なオーラを放つ鎧へと変化した。

今の俺ならば、先程までの俺を赤子の様にひねることが出来るだろう。



「ふふっ、神は言っている・・・。 全てを滅ぼせと。」



その言葉を聞きながら、俺は意気揚々と4回目の戦いに向かっていった。


残機97→96




















































「やっぱり、ダメだったよ・・・。 アイツは僕の話を聞かないからね。」

まぁ、良いやつだったよ・・・

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