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初投稿です。 よろしくお願いします。
魔王城 玉座の間
「ついに此処へ辿り着いたか…」
俺は目の前に立つ4人に向けてそう言った。
「ああ、ここまで来たぞ! そしてお前で最後だ! 魔王!」
対峙するは人類の希望。勇者とその仲間達。
その中には裏切ったかつての魔王軍幹部の姿もある。
軍の壊滅。味方の裏切り。一般的に見て、状況は詰んでいると言っても過言では無い。だが、それでも…
「いいや、まだだ。 まだ終わってなどいない。」
そう、まだ終わっていない。何故なら──
「私が勝てば、何の問題も無い。」
──俺がまだ負けていないからだ。
その言葉を受けて勇者達が僅かにたじろぐ。
そのまま玉座から立ち上がり、武器を手に取り前へ歩いていく。
「そもそも四星など軍を纏めるのに効率が良かったから出来ただけの存在。」
「軍ですらただ私の手を煩わせないためのものでしかない。」
「お前達人類を滅ぼすだけなら最初から私1人で十分だったのだ。」
「故に」
「ここからお前達を潰し、その後お前達の軍を潰し、街を消し、最後は生き残った僅かな者達を念入りに踏み潰せば良いだけの事。」
「そう、全ては我らが神の為に。」
一歩一歩、見せつけるように歩く。
「お前達はよく頑張った。 だが、それも今日無意味となる。」
その言葉を受けて勇者が対抗するように前へ出る。
「いいや、無意味にはしない。お前の野望もここまでだ。この戦いに勝って全てを終わらせる。」
「終わらないと言っている。 最早言葉は不要。 かかってくるといい! 勇者供!」
そう言って手に持つ剣に力を込める。
対峙する勇者達も一斉に戦闘態勢に入る。しかも勇者は自身の持つ最強の技の構えだ。
「いいぞ! 我等の戦いの幕開けに相応しい! ならば此方も全力の一撃をぶつけるまで!」
勇者の剣が白く光り輝き、俺の剣が暗い輝きを放つ。
力が打つかり合い、空間がビリビリと振動していく。余人が立ち入れぬ緊張感が支配する中、勇者と俺は同時に床を蹴って前へ飛び出した。
「シャイニング・レイ!!」
「ラスト・アポカリプス!!」
勇者の光輝く切り上げと俺の渾身の切り下ろし、2つの技がぶつかり合い、俺の視界は真っ白に染まった。
「おお、魔王よ。死んでしまうとは情けない。」
いきなり意味が分からない事を言う少年が目の前に居た。
最強勇者の戦い 完!