プロローグ
※作者は外人なので、日本語極めて不自然だと思います。気にする方もおられると思いますが、先に書いておきます。ちなみに設定はネット版を使います。
以下本文になります:
どうしてこうなっちゃったかな。
実の姉妹みたいに仲のいい幼なじみが事故った。彼氏とのデートの待ち合わせ中に。
すぐに病院に駆けつけたが、シノはまだ昏睡状態みたい。
そうだ!安藤君に連絡しないとーー
◇
シノの意識が戻ったのが5日後だった。
嬉しさのあまりに、思わず抱き着こうとした。
しかし、シノの次の言葉が、先まで抱いた嬉しさの火種を吹き消した。
「あのう、どちら様でしょうか。」
それはあたしに言ったのではなかった。
そう、話の相手は、安藤君だった。
「もしかして綺羅ちゃんのお友達ですか。」
いや、シノ、いつからこんな冗談が言えるようになったのよ。
ダメだよ!冗談でも心配している安藤君が可哀想じゃないか!
「こんな冗談を言うんなんて、シノらしくないよ」
「何を言ってますか。冗談なんか言ってません!」
シノが恐る恐るに安藤君を見ている。とても嫌そうにーー
シノは、記憶を失ってしまった。
◇
「あのう、私、本当に安藤さんとお付き合いしているんですか」
「何回言ったらわかるの、シノ。あたしシノに嘘つくわけないっしょ!それに安藤くんだってそんな悪質な人間じゃないから」
「綺羅ちゃん怖いーー」
「安藤くんにひどいことを言うシノが悪い」
「だって仕方がないじゃないですか!私覚えてませんし、急に彼氏だって言われても困ります」
シノが目覚めてから何日も経っていた。しかし記憶は戻ってないままだった。医者の話によれば、この系の記憶喪失は、戻るまで待つ以外に治療するすべがないだそうだ。
そしてカノは安藤くんへの態度も、説明によって変わってはいなかった。
それもそうだ。もともと安藤くんはカノのストライクに入ってなかった。二人を結びつけたのが、正しく共同の思い出であった。それが消えた今では、シノにとって安藤くんはただのモブにしかない。
それでもシノの態度はひどい。安藤くん、こんなにも心配しているのにーー
「シノ、何かほしいものあるか。あったら教えて、買ってあげるから。」
そうだ!明日はクリスマスイブ。失った記憶は取り戻せないかもしれないが、また新しい思い出を作ればいい。安藤くんならできると思う。
「なら、もう来ないでください!」
「え?」
「ちょっと、シノ?」
この子何を言い出すんだ?もう来ないでください?そんなことシノらしくないよ。シノは優しい子だよ。
「すみません。正直に言いますと、急に知らない人から彼氏だって言われましても、怖いだけなんです。ですから、ごめんなさい、これは私が悪いんです。自分でもそう思います。ですから、もう分かれましょう」
シノは泣いた。悲しい涙ではなく、恐怖心による涙だった。
「わかった。明日からもう来ない」
安藤くんは言ったまま、病室を出た。
「どうしてーー、安藤くんあんなにもシノのことを心配しているのに」
「綺羅ちゃんの方こそおかしいよ。私達友達でしょう?だったら私の気持ちわかるはずですよ」
「わからないよ。こんなの、シノじゃない!」
「綺羅ちゃん私より、安藤さんのことを心配していますね」
「だって、シノはひどいことを言うからーー」
「あのね、もしかしたら安藤さんが好きですか?」
「えっ?急に何?」
「だったら綺羅ちゃんが貰えてくださいよ。私よりも安藤さんのことが心配なんでしょう。幼なじみとして応援しますよ」
「何その言い方!安藤くんものじゃないし!」
シノがこんな発言するとは思わなかった。今のシノはどうかしている!私が知っているシノじゃない!
「もう安藤さんの話はやめましょう。今の私にとってあの人は赤の他人です。もうこれ以上紛らわしいことに巻き込まれたくないです。」
「ごめん、あたし、どうしても受け入れられない。安藤さんを冷たい目で見るシノ、そしてひどいことを次から次へと放り出すシノは、ちょっとこれからどう接触すればいいのかわからないよ。記憶を失っても、付き合っていた彼にこんな態度を示すのがちょっと引く。ごめんシノ、あたし今日もう帰るね」
「綺羅ちゃん......」
◇
シノと安藤くんは分かれた。
あれから何回かシノとちゃんと話し合おうとしたが、やはり途中から喧嘩になることが多かった。喧嘩しなくても、会話がうまく噛み合わないことがほとんどであった。あたしとシノは、もうもとには戻れないのではないかと思った。
シノはクラスではもともと人気だったみたいで、今まで友達が少なかった原因はあたしが常に一緒にいたからだろう。だからしばらくの間シノと接触しないうちにもう新しいグループが出来上がったのだ。
そう、私、もうあの子には必要されていないみたい。長い付き合いのある幼なじみなのに、切る時ははっきりと切るものだよね。
あと青菜に塩の安藤くんのことも、放っておくことはできなかった。
安藤くんといる時間のほうが増えてきた。たまに弁当も作った。シノに勝てる自信があまりないですが。
「大丈夫よ。シノだって、きっといつか思い出せるからさ」
安藤くんの心が割らないように、たまにこういうふうに励ました。なんの保証もないのにーー
あたしはあの日シノが言ったことを考えた。
「あのね、もしかしたら安藤さんが好きですか?」
最初はただの戯言にしか聞こえなかったが、後々考えると、自分も否定することはできない。
安藤くんとシノが恋人になったきっかけは、無数の偶然によって作られた思い出であった。そして、その大半はあたしも入っている。つまり、あたしだって同じ思い出を抱えている。そして知らないうちに、好意を持つようになったかもしれない。いや、もうすでに好きになったと思う。
◇
それから半年も過ぎた。
慣れとは恐ろしいもので、気がつけばあたしの日常には、カイト君がいっぱいになっている。
そう、カイト君。
あたしたち、付き合うことになった。
自分の思いが分かってから、もう自分に嘘をつかないと決めた。
だからカイト君に告白までした。
カイト君は驚いたみたいだが、どうやら一番辛い時に慰めてくれたあたしに恋を抱いた。シノの時のような一目惚れとは違って、完全に思い出で作り上げた恋なのだ。
周囲はもちろん騒がしかった。親友を裏切ったビッチまで言われた。確かに、事情の知らない人から見ればそうかもしれない。でも大丈夫、カイト君と一緒にいるなら、どうなっても構わない。
◇
時間が立つのが早いもの。シノはあれから新しい彼氏を作って、毎日ラブコメみたいな日々を過ごしているみたい。
カイト君もとっくに傷を直しているみたいで、あまり動揺していなかった。
むしろあの時、あたしのほうが動揺していたかも。その相手はカイト君とちっとも似つかわしくなかったのだ。カイト君はシノのタイプじゃないと再び思い知ったのである。
今はもう三年生、そろそろ進路を考える時期だった。もちろん、あたしとカイト君はもう決めている。そう、あたしたちはここを立つ。この思い出のいっぱい詰まる街にさよならを告ぐ。
今、カイト君と屋上でおしゃべりしている。これも日常の一環となった。
急にチャイムが鳴った。
どっかに事故が起きたみたいで、遠くから救急車の音がした。
「ねえ、もう帰ろう」
「そうだなぁ」
あたしたちは互いの手を取りあって、帰ろうとしたら、急に背後から珍しい声が聞こえた。
「ーーあのう、綺羅ちゃん、ですよね。なんでカイト君と手を繋いていますか。私、なんか頭が重くて、救急車の音が頭から消えないですけど......というか、どうして手を繋いているんですか?」
2年半に渡り、シノの記憶がようやく戻ったみたい。
どうしてこのタイミングで?
これも、神の悪戯なのだろうか?