彼女はその後魔女となった
産まれた時から目に入る全てが嫌いでした。
父も母も執事もメイドも奴隷も王国も全てが私をいらつかせていたと思います。
私がこの国「リーベルア」に産まれた時にちょうど国王であるグロス様が突如お亡くなりになられたことから幼い頃から「悪魔の子」と密かに呼ばれて育ちました。
別に悪魔の子なんて呼ばれて嫌だったことはありません。逆に嬉しかったくらいです。
その蔑んだ瞳や、嫌悪の視線が私の心の拠り所になっていました。
それでも私の実家である「アリスモルド公爵家」に産まれた私に直接的にそう言う人々はいませんでした。
だからこそ、あの日、貴方に初めて言われた、直接言われたあの言葉が忘れられません。
「消えろ、クソ悪魔」
その言葉にどれだけ私が救われたか、あなたは知らないでしょう。 たったその一言で、私の人生は輝いて…………そして、私は生きる理由を得てしまいました……
ああ………………愛しい…どうか……どうか、私をそのまま罵ってください……私の心の拠り所になってください…………
愛してます、カルファ王子……
リリアナ・アリスモルド