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アルファ世界  作者: POIUY00000
第二章 唾棄された異教徒
29/77

5. 同じで異なる

空港の上空を静かに冷たい風が吹き抜けた。普通の人にとってはごく普通の突風だが、目の前に立つ二人には厳粛さと緊張感を与えていた。

新しい日の太陽が徐々に昇り、朝の光が二人の体を徐々に照らしていくが、互いに冷え切った心には届かなかった。

「 どこで言いたいの?ここか、それともどこか他の場所か? 」

「30 分以内に私のオフィスに来て。アーマーを着ないで。今あなたを見ると気持ちが悪くなる。 」 バナナの、どこか挑発的で愚痴っぽい言葉を聞いて、カルスは心の中で憤りを感じながら、振り返ることなくその場を去った。



「彼女らは大丈夫か? 」 カルスは窓の外の昇る太陽を眺めながら、心の中で不安と怒りを抱きながらバナナに尋ねた。

「 もう知ってるんじゃないの?あの人はもうあなたに言ったんじゃないの? 」

「 かつての裏切り者であり敵である者が、あなたのスパイとして外にいる。私は裸の人間のようなもので、どんな動きもすぐに分かる。 」

「 いいえ、あなたはすでに私の裸を見た。 」 カルスの質問を聞いたバナナは、カルスのオフィスにあるセルフサービスのドリンクカウンターから冷たい水をグラスに注いだ。そして、それを飲み干してソファに腰掛けながら、皮肉っぽくそう言った。

「彼女は君の元同僚でもあるので、彼女に対して敬意と寛容さを持って接してくれよ。 」

「 そして私は結果を知りたいのではなく、あなたの意見を知りたいのだ。 」

「実際の結果はあなたにとって何の意味もない。 」 バナナの言葉に込められた皮肉にも、カルスの感情はさほど揺らぐことはなかった。彼はバナナの話し方や態度に慣れていた。結局のところ、彼女はもはや昔のバナナではなかったのだ。

「 二人とも体は無事。何もなければ出かける。まだやることが残っている。 」

バナナは短く言葉を終えると、立ち去ろうとした。彼女にはもっと重要な用事があり、ここでカルスとおしゃべりして時間を無駄にしたくなかったが、カルスは彼女の望み通りにしないと決心していた。

「 そうか、今は私の承認がない限り、彼女らはあなたと一緒に任務を遂行することはできない。 」 カルスの言葉はバナナを止めるだけでなく、彼女の心の奥底にある怒りを呼び起こした。

「 あなたは何者だと思っているのだ?あなたには 「Theq」 のいかなる事柄にも干渉する権利はない。 」

「 どうしたの?どうして道徳的責任の基準が急にここまで引き上げられたんだ? 」

「 最初から基準を高く設定していたら、彼女らは今日ここにはいないだろう...」

「 あなた達にジュースになるだろう。 」彼らの会話はより辛辣になり、雰囲気はより深刻になり、言葉はより直接的になり、互いのメンツを顧みなくなった。それは相互の脅迫とも言えるだろう。

「 それでどうするつもり? 外の世界に情報を漏らすつもりか? 」

「 こんなことをしたらどうなるか、君も分かっているだろう。ここにいる誰も君に慈悲は示さない。ルールはルール、それだけだ。 」

「心配しないでください。私はそれを知っている。そして、最高司令官が以前にやったことと比べれば、これは何でもなですよね。 」

「 しかし、もし彼女らに何かが起こったら、和解できないのはあなたたちと私だけではないだろうと思う。 」 カルスの反論の余地のない言葉を聞いた後、バナナは憤慨してため息を吐き、振り返ることなくカルスのオフィスを去った。



「行け!喰らえ。」

「速..........」

エドワードが全力を尽くすもボールをセーブできずにため息をつく中、友美とタニアによる彼女らの抑圧は今も続いていた。

「反応する前にボールは一瞬地面に落ちた。まさにエリート学生アスリートだ。 」

「 これが人間と神の違いだ。 」友美の強いジャンプ力と才能あふれる体つきを見て、エドワードは嫉妬以外の何ものも感じないのだ。

その浜辺で、友美たちはビーチバレーという遊びをしていた。ビーチ全体が彼女らのプライベートな遊び場と言える。彼女ら以外に、普通の人間はこのビーチで生活活動を行っていないと言えるのだ。

「YES、まだスコア。 」

「GIVE ME FIVE。」

「YEAH。」

「同じチームにエリートアスリートが 2 人いると、ゲームのバランスが著しく崩れるということを実際に考えたことがある人はいますか? 」

「仕方がないので、じゃんけんのグループ分けの結果を受け入れて、再度グループ分けするときにそれを避けるようにするしかない。 」

容赦なく制圧する友美とタニアを見て、エドワードと愛紗は心の中でため息をつくことしかできなかった。

彼女ら4人はこの旅行のアクティビティを楽しく楽しんでいたが、パラソルの下で静かに座って、楽しそうな様子をただ見守る一人の人物だけは例外だった。彼女は彼女らの遊びに加わるつもりはなかったが、ただ近くに座って静かに見守っていた。

「 もう一度グループに分かれましょう。このまま遊び続けるのは意味がない。 」

「 そうですね、タニアと一度対戦してみたいだ。 」

「今度こそ絶対勝つよ。 」

「 必ずしもそうとは限らないよ。 」

「 もうこの時間だ。 」 エドワードは荷物を置いてあるパラソルの下の日陰に戻り、携帯電話の時刻を見てそう言った。

「 申し訳ございませんが、先に出かけなければならない。時間になったら予約した商品を受け取りに行くよ。 」

「 それは何?」

「 その秘密は昼食時に明かされる。 」 友美の質問を聞いて、エドワードはふざけて彼女をハラハラさせた。彼女はまだ、彼女らに用意していたサプライズを明かしたくなかった。

「 再び秘密にしておく......」

「 そうすれば君も理解するでしょうし、きっとショックを受けるでしょう。 」 エドワードはそう言い終えると、シャワーを浴びて着替え、次の目的地へ向かう準備をした。


「 やっぱり高校生は最高だぜ。 」

「若い体、美しく愛らしい顔、若々しい汗、私は本当に高校生の匂いを嗅ぎに行きたいな。 」 その丘の中腹には、もう一人の不在をいいことに妖しい表情で友美たちを眺め、その表情を楽しんでいるような人物がいた。

「 そのフィギュアは本当に良いね!...... 」

「瞬.......あなたは望遠鏡で何をしているの? 」

「 しまった。 」瞬が恍惚として彼らを眺めていると、聞き覚えのある言葉が突然彼女を残酷な現実に引き戻した。

「 いえいえ、私はただ鳥を観察していただけなんだ。ただ鳥を観察していたんだ。 」

ジミーがバッグに荷物を詰めて戻ってくるのを見て、瞬は怒りを込めて問い詰めた。慌ててジミーの質問に答えようとした瞬は、緊張と不安で理由をでっち上げたが、表情が既にその気持ちを露わにしていた。

「 あなたが鳥に対して性的欲求を持っているとは思いませんでしたね、瞬。」

「私たちの任務は、彼女らを見てXXXXをすることではなく、彼女らを監視することだ。 」

「 でも実際は私が飲み物を買っている間に彼女らをXXしたんだよね。 」

「落ち着いて、落ち着いて、ジミー、私はただ遊んでいるだけ、ただ遊んでいるだけ。 」

「 ただ遊んでいるだけ。 」

「 ただ遊んでいるだけ。 」

ジミーが近づき続ける表情を前に、瞬は必死にもがいたが、無駄だった。

「行かないで!!!望遠鏡を返してくれ、懲らしめてやるからな!!! 」



「今は私たち4人だけだ。 」

「愛愛も一緒に遊ぼうよ。 」

「 いやいや、私はひどいプレイヤーだよ。ただ、他のプレイヤーの邪魔をして、みんなの楽しみを台無しにするだけのチームメイトなんだ。 」

ここには4人しかいないので、愛紗はぜひとも友愛をビーチバレーに誘いたかったのだが、友愛は今日は他の人の楽しみを台無しにしたくないからと笑顔で断った。

「 うん……じゃあキャッチボールしよう。競争じゃなくて、ただ楽しむだけだ。 」

愛紗の言葉で友愛の心は天国から地獄に落ち、彼女はしぶしぶ愛紗のゲームへの誘いを受け入れるしかなかった。

「 これは友達からの親切の証だ、リラックスして楽しんで。 」 友美は友愛のぼんやりとした様子を見て、友愛に近づき、気遣いを見せた。友愛がリラックスして今日の旅を楽しんでくれることを、そして愛紗たちの努力を無駄にしないことを願った。

「 はい、友美姉さん。 」


「 残念ながら、彼女らはもうビーチバレーをしていないよ。 」

「 バレーボールのようなキャッチボールをしているようなもの。 」

「 黙れ、瞬。今、俺が上手く打てなかったって文句言ってるのか? 」

耳元で話しかけてくる瞬を前に、今日のジミーは瞬の行動にうんざりしており、心の底では瞬のうっとうしい言葉にもう耐えられなくなっていた。

「 はい、はい、もう言わない、痛い......」

ジミーが本当に怒っているという事実に直面して、瞬は今日は余計なことを言う勇気がなかった。彼の体はまだ痛みを抱えており、たくさんのテープが貼られていた。ジミーにひどく罰せられたばかりだった。

「何を食べているの? 」

「 それがあなたに何の関係があるのか! 」

ジミーが望遠鏡を覗きながら、何か奇妙なものを食べているのを見て、瞬は好奇心からジミーに 「 何だこれ? 」 と尋ねたが、ジミーの怒りの反応にすぐに恐怖を感じた。瞬は心の中で、ジミーに対してかつてないほどの恐怖を感じた。

「和風の蒸し饅頭、ここの文化遺産のようね。どうやらここの老舗だけがこれらの品物を売っているようですが、経営はひどく行き詰まっているようだ。どうすることもできないわ。今では誰もこれらの芸術品の真の鑑賞法を知らない。この文化は絶滅してしまったと言ってもいいでしょう。本当に残念だ。 」 ジミーは、今の自分の言葉のトーンが少しきつすぎたかもしれないと気づいた。友人にこんなことをしてしまったことを内心とても恥ずかしく思い、瞬に詳しく説明した。しかし、ジミーが話すにつれて、どんどん話が逸れていくようで、瞬は混乱してしまい、ジミーが何を言っているのか分からなくなってしまった。

「 どうしたの?口の中が唾液でいっぱいよ。よほど欲しがっているんでしょうね。 」

ジミーは、瞬が手に持った和風の蒸し饅頭の袋を見て目を輝かせているのを見て、瞬が何を考えているのかをすでに理解した。

「欲しい......」

「 でも私はあなたに何もあげない。 」

しかし、ジミーの言葉を聞いて、希望に輝いていた瞬の目は一変し、絶望に染まった。

「 どうして......」

「本当に残念だわ。本当は誰かとシェアするために二人分買ったのだが、残念ながら、その人は私に嫌な思いをさせただけだったので、仕方なく彼の分を全部食べてしまった。 」

「私に冗談しないでくれよ.......」 ジミーからのそのような無情な返答を聞いた後、瞬は果てしない絶望に陥った。なぜなら、この瞬間、彼にはこの古くておいしい味を味わう機会がもうなかったからだ。

「 お願いします、1つだけ、1つだけ。 」

「 いや。 」

「 では、どこで買えるか教えてください。自分で買います。 」

「心配しないで、死ぬまで答えは分からないよ。 」

「 お願い.......」 しかし、ジミーと瞬が言い争っていると、突然、何かが高速で彼らの横を飛んでいくような、風切り音が彼らの会話を遮った。一瞬にして、話題は空を高速で飛ぶ生き物へと移った。

「 それは何? 」

「天使?」

「NETの人、それとも... 」

見たこともないものが空を飛んでいるのを見て、ジミーと瞬は心の中で驚いた。二人はそれが一体何なのか分からず、すっかり混乱してしまった。

「 そういうわけで、本当にクリエイティブなのだ。 」

ジミーが望遠鏡を通して飛行物体を見たとき、彼の心の中の驚きと混乱は突然完全に消え去った。なぜなら、彼はすでにその物体についての詳細をすべて知っていたからだ。

「何のもの? 」

「 来月の国際博覧会へのエントリー作品、勝つ可能性が高いはず。 」

「大きなチャンスではないが、必ず勝てる。近年、応募作品はどんどん酷くなってきている。今回の応募作品が、私たちの参考になれば幸いだわ。 」

「 そろそろ昼食の時間か? 」

瞬が送った隠れた招待状を聞いた後、彼らは休憩を取る時間になった。

「 もうすぐ時間だね。何かあったら連絡が取れるように、何かあった場合、私たちに連絡を取る方法がある。 」

「 とてもお腹が空いたんだ。 」

「 今2人分の和風の蒸し饅頭を食べていないか? 」

「 黙れ。 」

「 はい。 」



「64、65、66…….」

「 よし、次は今日の記録66を破ろう。 」

愛紗は心の中でそう言いながら、友美に向かってボールをパスした。

「 あと一点、君に任せるよ、友愛、67。」

「 いや、足に力が残ってないんだ。 」 しかし、友美が友愛にボールをパスしたとき、友愛の足は限界に達し、浜辺に落ちて砂を食べてしまった。

「 すみません、また私のせいで......」

「 残念だね!ここで止まるしかない。 」

「落胆しないで、もう一度やり直してくれ。 」

「 いいね。 」友愛は、記録を破ることができなかったことを非常に罪悪感に感じ、友美たちに謝ろうとしたまさにその時、愛紗とタニアの励ましの言葉が彼女の自責の念を止め、二度と口をきけなくさせた。

「 劣等感に苛まれて自分を責め続けるのはやめましょう。幸せになりましょう。 」

友美は友愛の傍らに歩み寄り、耳元で慰めの言葉を囁いた。友愛に、こんな楽しいことで罪悪感を抱かせたくなかった。せめてこの瞬間だけでも、友愛が少しでも幸せを感じて過ごせたらと願った。

「 はい.........友美姉さん。 」 しかし、友美の慰めの言葉を聞いても、友愛は作り笑いでしか応えず、心の重苦しい圧迫感は10年以上もの間、一向に和らぐ気配もなく、毎日彼女を苦しめ続けた。


「 さあ、もう一回やろう、1。 」

「 さあ...しまった、足を。 」

しかし、試合が再開され、タニアが愛紗のパスを受けようとしたまさにその時、タニアの右足が偶然にもくぼ地に引っかかり、突然体のバランスを崩して砂の上に倒れ込み、ボールは激しく打ち出され、遠くへ飛んでいった。

「 私は取り戻す! 」

「待って、友愛。」

ボールがとても遠くへ飛んでいくのを見て、友愛はすぐにボールの方向に急いで走り、友美が反応する前に急いで立ち去った。

「足は大丈夫か?捻挫でもしたんだか?タニア。」

「私は大丈夫。」

「追いかけて下さい、友美。」

「分かった。 」

タニアの確認と愛紗の促しを受けて、友美はすぐに二人を離れ、友愛が走っていく方向へ追いかけた。


「 それを見た後で初めて、友愛がこんなに速く走れるのだと分かった。 」

「全然想像もしていなかった。 」

タニアは友美と友愛が走っている方向を見て、先ほどの友愛の走り方を思い出し、少し驚いた。友愛があんなに速く走れるとは想像もしていなかった。彼女の目には、友愛は全く運動能力がなかった。どんなスポーツも得意ではなく、積極的に参加する気もなかった。彼女は完全にスポーツバカだった。

「 もちろん、とても速く走った。当時は、友愛の方が友美よりも速く走っていた。 」

「 本当?いつそんなことがあったんだ? 」 愛紗が自分の意見と、彼女が知っている真実をあまりにも自然に、そして軽々と語るのを聞いて、タニアの三つの見解とこれまでの認識はたちまち衝撃を受けた。彼はすぐに愛紗に、それがいつ起こったのか、強い好奇心を持って尋ねた。

「 思い返せば、小学生の頃だったと思う。 」


「 あのボールは一体どこ....... 」

「 どこか、どこか、どこか....... 」

友愛は心の中でそう言いながら浜辺を走り続け、気がつけばとても遠くまで走ってしまっていた。

「 おっと.......いったい何につまずいたのか? 」

しかし、友愛が走っていると、突然、砂の中の金属に足が当たったかのように、友愛の足に何かが引っかかりそうになったが、友愛は気にせず、失われたボールを探し続けた。


「日向、VENAの状況はどう? 」

「 状況は安定しており、油圧オイルの温度も良好なレベルを維持している、未来兄。」

この時、浜辺の上空には機械天使のような物体が高速で飛行しており、現在の機械天使の機能の限界を試すために、指定された飛行動作を実行しようとしていた。

鉄色の装甲は未熟な子供のようだ。メカの翼の羽根一枚一枚はほぼ完璧な状態に調整され、手書きのプログラムコードさえも正確でなければならない。そうでなければ、空を自由に飛ぶことはほぼ不可能だろう。

内部操作インターフェースから発せられる緑色の光が、天使の真の姿を照らし出した。装甲の背面に搭載された小型原子炉を動力源とするジェットエンジンが、彼を宙へと導いた。装甲内部の通信システムを通じて地上と連絡を取り、着陸準備を事前に整えた。数千年前の技術の傑作は、現代においてもなお卓越した性能を誇っているのだ。

「分かった、日向。移動に問題はなく、自由に移動できるはずだ。 」

「 高速着陸中だ。滑走路はクリアした? 」

「 どこからか転がって滑走路の脇に落ちてきた球状のゴミを除いて、すべて片付けられた。 」

日向は手に持ったインターホンで返事をした。未来の言葉を聞いた後、日向は数秒間気を取られ、ビーチに仮設された滑走路に目をやった後、通信機を通して未來に返事をした。

「 あとひとつも掃除してよ、日向。」

「他の人に頼むのはそんな態度か?未来兄。 」

「太陽と雨に耐えてデータの記録を手伝ってくれたのは誰ですか? 」

「 叱られるリスクを冒してまであなたと一緒に働く人がいるでしょうか? 」

「ぐっすり眠って、朝までずっと一緒にいられない人は誰ですか? 」

最後に、未来が日向に説教しようとしたとき、日向は3つ続けて本当の言葉を言ったので、未来は恥ずかしくなり、それ以上何も言えませんでした。

「 はいはい、未来兄が後でアイスキャンディーをご馳走してくれるわよ。 」

「 本当か?!!!今からやります!了解!」

「私は未来兄が一番大好き!!!!!! 」

「待って...」未来の言葉を聞いた日向は、たちまち興奮し、未来の返事を待たずに通信を切った。

「 まずはこの丸いゴミを蹴り出しましょう。 」

「 一体何の時代なんだ?環境を守る方法すら知らない。 」

日向は心の中で愚痴を言いながら、ボールを遠くへ蹴り飛ばし、元の席に戻った。

「滑走路は着陸可能だ、未来兄。」


「 あのボールは一体どこ....... 」

「 どこか、どこか、どこか....... 」

「見つけた!!! 」

長い捜索の末、友愛はついにタニアが遠くへ打ったボールを見つけた。

「前には人がいて、ハイテク機器がたくさんあり、とても忙しそうに見える...」

友愛の目が少し前を向いていると、目の前にはたくさんのハイテク機器が置かれており、彼女と同じくらいの年齢と思われる金髪の少女が、何かに忙しそうに、目の前のたくさんのスクリーンを見つめていた。

「 ボールが今彼女の邪魔になっていなかったことを祈るよ。 」

目の前の物事を見つめ、心の中で語りかけた後、友愛はボールを拾い上げ、祝福を残して静かに立ち去った。

「 さあ来たぞ、日向、目的地まであと1000だ。 」

「 800。 」

「 700。 」

「 600。 」

「 500。 」

「 しまった。 」

高速で着陸する未来を見守っていた日向は、未來の翼の動きが少し異常で、黒い煙も出ているような気がした。未来の装甲が危険な状態にあることを、彼女は思わず察した。

「未来兄、翼!」

「何?!!」

未来が通信機を通してひなたの言葉を聞いた時、もう遅かった。未来の装甲が突然爆発し、装甲全体が制御を失い、空中で回転しながら猛スピードで地面に叩きつけられた。

「早く戻らないと。そうしないと、待たされる時間が長くなってしまう。 」

「友美姉さん? 」

「 彼女はなぜここに走ってきたのだ? 」

「 すごく大きな声で叫んでいたようだ。友美姉さんは何を言っていたのでしょうか? 」

ボールを持って戻ってきていた友愛は、友美が必死に駆け寄ってくるのを見た。友美が何か言っているのが聞こえたが、距離が遠すぎて友愛には聞こえなかった。

「未来兄!!! 」

「危ない! 」

友美の言葉に気づいた時には、もう手遅れだった。機械天使は既に彼女のすぐ近くにいて、肉眼でも確認できるほどだった。もはや彼を止める術はなかった。


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