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Episode 9 楓ちゃんとコス合わせ②


 私達は、とりあえず撮影を始める前にご飯を食べに行く事にした。

 二人共甘い物が大好きだったので、パンケーキの美味しいお店に行く事に決定する。


 いつもなら並んで入るお店だけど、比較的早い時間だったせいか、私達は、すんなりと入店出来た。


 散々メニューを迷った結果、楓ちゃんは、パンケーキで私は、ワッフルを頼む事になった。

 ドリンクは、二人共にミルクティー。

 タピオカ入りの。


 オーダーが来てみると、私のワッフルは、普通には、美味しかったけど、そこまでの感動は、無かった。

 一方楓ちゃんの頼んだパンケーキは、とても美味しそうである。

 やっぱりパンケーキのお店なんだし、普通にパンケーキ頼めば良かった……

 

 量だってあっちの方が全然ボリュームがある(膨らんでいるせいで)。

 我ながら痛恨のミスだよ。

 今更あっちがいいなんて……


 私は、無意識に羨ましそうにして楓ちゃんのパンケーキを見ていた。

 すると楓ちゃんと目が合ってしまう。


カチャカチャ…

 パンケーキの端っこを切り分けて、その上にクリームをたっぷりと乗せると、

 

「……響……あーーん……」


 楓ちゃんは、私の口にそれを運んでくれた。


ドキッ…


 一瞬焦った。

 なにかドキドキしてしまう。


「あ、ありがとう……楓ちゃん」


ぱくっ…


 美味しい……

 美味しいけど……なんか今は、それどころじゃないような。

 

 今一瞬……私トキメイたよね。

 あれ? おかしいな……

 私そういう趣味だったっけ?


 



 楓ちゃんにあーんして貰ったのには、不覚にもときめいてしまったが、取り敢えず私達は、お腹いっぱいになってお店を出た。


 そのまま撮影場所にしようと思っていた海辺の公園に行くつもりだったが、楓ちゃんがデザートを食べたいと言う。


 さっき食べたのもデザートみたいな物の様に思えたが、甘い物好きの私には、特に反対する理由も無かったので承諾する。


「…行こ……」

ギュッ…


 楓ちゃんは、私の手を握ると先に歩き出した。

「か、楓ちゃんっ……」


 な、なんだか照れくさい……

 手を繋ぐとか。

 しかし嫌でも無かった。


 私は、自分が男の娘なのに男の娘相手にときめく人だったのか……

 何か新しい発見をした様な気分だ。


 女の子の格好をしてる時間限定で言えば、男性は、嫌いじゃない。優しくしてくれるから。


 でも嫌いじゃ無いけどトキメクか? と言われれば別の様な気がする。

 男性アイドルとかも好きになった事無いし。


 そうか……

 こういう趣味だったんだ……私。


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